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ナスがイライラしている。


植物に限らず誰でもそうだけれど、しょっちゅう揺らされたり、触られたりするのは、気分が悪い。

野菜の苗も一緒だ。

その地で種から生えてきたものは、地面から芽吹くとき、気候に合わせているので問題ない。

他の場所で苗まで育ってから地面に植えられたものは、いきなりその環境には慣れていない。
風があって、日当たりもよすぎて、水ももらえたりもらえなかったりする状況に。

植えるときには、深さをある程度掘ってから。
植えたあとはしっかりギュギュッと茎の周りを強めに押さえてあげたほうがいいみたい。

特に丈が高くなってからの苗は、不安定さにストレスを感じるようだ。
早めに支柱で支えてあげるといいのかなー?

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風に揺れるストレスに対して、それぞれに作戦が違うようだ。

アブラナ科など茎が一本しっかり立つタイプは、風の弱い、地面の柔らかいところで育つ。あまり冒険はしないタイプ。
根っこも地上と同じで、太い主根があって、土中に深く杭を打つことで、安定させている。
だからほどほどに地面が柔らかくないと、深く根を下ろせない。

茎のないイネ科の植物は、基本的に風と硬い地面に強い。空き地などでまず生える先駆者だ。
風が強く吹いても、やわらかくいなすから。
ゆらゆら揺れるのが前提なので、根っこは細かく広がるようになっている。
さらに、密集して生えるので風に負けにくい。

カラスノエンドウやシロツメクサのような、茎が柔らかく分かれて地面を這うタイプは、地面の柔らかいところに広く深く細かな根を広げる。観察をしていると、イネ科が柔らかく地面をほぐしたところにちゃっかりと生えてくる。

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触られるのが嫌いな習性を利用して、草の丈を抑える方法がある。
「風の草刈り」といって、強い風を模して、風が植物を削ぎ切るように鋸鎌で刈っていく手法。

風が強く吹く今の季節に、週に1-2回連続して触るようにしておくと、背丈が高くなりにくい。
多年草だと、ちゃんとそれを覚えていて、翌年ははじめから低い高さでしか育たなくなる。

風の草刈りを繰り返していると、背丈が低く抑えられるだけではなくて、地中の根は細く広く張るようになる。
大きな揺れに対抗しようとして、地中でしっかり安定させようとするからだ。

だから草を完全に抜いてしまわずに、背丈を低く抑えてはやしておいたほうが、地面は柔らかくなって、土中の菌も生きていきやすい。

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植物の観察は、おもしろいなーーっと。

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