2 国語

出会い

国語に出会った時のこと。
授業としては小学校からうけていたが、どちらかというと算数の方が好きだった。
そんな私が国語を好きになったのは中学生になった年。
そもそも全ての先生が はじめまして! の中で、新しく赴任した先生として体育館の壇上から挨拶をしたその先生。
見た目はそちらの頭ですか?という方が、人生で聞いたこともない丁寧な日本語でしゃべってた。今でいうギャップ萌え。
とにかく凄まじい印象を残して体育館を後にすることになり、そしてその先生が国語を担当することなると知る。

授業

そもそも算数の方が好きだった私には国語はイマイチわからない教科だった。
その先生が見た目以上の衝撃を与えたのは授業中だった。
先生「この言葉は何を示していますか。では五徳院さん」(とても丁寧な日本語)
私「えーっと、空は青っぽいことを言いながら、なんとなく気持ちが良くなった気がしました」
あまり自分の気持ちを言葉にすることが得意でなかった私にとっては、感じているのにふわふわとしたままのイメージでしかなかった。
先生「そうですね。主人公は冬の空が青いことになぞらえて、自分の悩みが解決した爽快感を表現していますね」
どーーーーん!
すごっ。なんで私がなんとなく感じていたことがずばりの日本語になっているんだ。えっ?国語ってこういうものなの?????
はじめて知ったわ。小学校の国語ってそういうものだっけ?
夏休みの読書感想文では指定図書に対して教師が望むような優等生の答えを書くというのが国語じゃなかったの?
と、価値観がひっくり返ったとさ。
しかもそれが、頭先生がやっているのだからびっくりだわ。

そこから

好きになってからは頭の中でぐちゃぐちゃ考える物事を文章にしていった。
3年生の受験のころには世間で話題になる一般的な議題には、一定の自分の意見があった。
その当時、国語の受験内容の中に50文字程度の小論文という項目があった。
授業中もその演習を行うが、先生が出す議題はだいたい意見がまとまっている。
あとは文字を書く時間だけが必要だった。
50文字、所要時間1分。
クラスで一番に書き終えて提出しにいくと、ニヤッとしながら
「ここは、まとまってないですね」
と微妙にうまくいかなかったところを指摘される時間がたまらなく、大人になった気がした。

その後

と、そんな中学生時代を過ごしたが、国語科への進学は叶わず、普通科に進学。
国語への興味は大学へ持ち越されることになる。
それはまた別のお話。

国語って答えがないので嫌い、という意見もよくあるけど、自分の気持ちを伝えようとしたら、国語は必要よ。
というよもやま話。




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