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ウェブ解析を巡る連想 Vol.5  ~  リ-ドジェネレーション (続き)

ネガティブ心理の代表格は「面倒くさい」だ。よほど前のめりにLPへ来訪したのでない限り、広告経由のユーザーは大概俺様気分だ。「ちょっと引っかかるものがあるから来てやったけどよ、俺様の面白いと思うものがあるなら早く見せろよ」となる。

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前回、広告のゴールをハードルが高いコンバージョン(CV)にしないほうがいいと書いたが、世間一般的には、広告の成果はCVで測ることが推奨されている。もちろんCVを何にするか次第であり、動画の閲覧をCVと指定するのであれば、広告の目標としても十分機能するし、LINEアアウントを登録すればスタンプがもらえるキャンペーンであれば、これをゴールCVとするのもよい。但しここでは、CVの最終地点は、ユーザーの個人情報を申告させ最終的に店舗送客することまで視野に入れているので、ユーザーのCVへのハードルは非常に高くなる。CVはあくまでユーザーに自主的に行ったと意識してもらわなくてはならない。さりげなく機会は与えても、絶対にCVを無理強いしてはならない。企業/ブランドから、自分が見込み客として狙われていると気づくとユーザーは尻込みするし、少なくともブランドへの憧れは萎んでしまう。

ターゲティング広告には危険な側面がある。出稿量が多いと、同じユーザーへ同じ広告が繰り返し重複表示されることがよくある。また1度ある商品をクリックしただけで、同じカテゴリーの商品が雨あられのように集中した経験は皆が持つ。この現象を最近では「タコ壺化」というらしい。こうしてユーザーに「経験の負債」が積み上がっていくと、ユーザーの心理的なシェアにおいて当該ブランドの価値は下がっていく。

広告の次にリードジェネレーションとして期待できる経路は⑤SNSだが、これにも注意すべき点がある。FacebookやTwitter、Instagram、LINEなどは、本来それ自体がStep2のリードナーチャリング機能を備えているツールだ。単純にSNSを自社ホームページ(HP)への集客ツールと位置付けている企業は、投稿内容がHPの更新告知に徹してしまい、そこからの来訪数をOWNED SNSの成果とする傾向があるが、これは間違いだ。公式SNSをフォローするユーザーは、その場でコンテンツを消費し、その場でコミュニケーションを展開することを期待している。企業の投稿ごとにHPへ誘導されるだけでは、「経験の負債」を積み重ねる要因となる。SNSのコンテンツは、その場で足りない情報量をHPで補うようにしたい。SNSに過度なリードジェネレーションの役割を期待すると、ユーザーに足元を見られる。

その他の経路にも、リードジェネレーション効果が望める経路はある。リピーター対象ではあるが、⑥メルマガの集客効果は、ブランド力に応じて高くなる。④参照サイトは、関連サイトからの誘客や、プレスリリースやバズ効果による被リンクサイト経由の来訪がある。また③ダイレクトには自社で提供するアプリ経由が含まれている場合がある。 [ 続く ]

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