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風の便りで

「おくりもののうた」9曲目は

会社員22年目。46歳。
職場では中堅から古参に入りかけ。
これからの人生に不安を抱き始めた。
という男性から。

今まで後悔していた事、
その相手にごめんなさいと伝えたい。
前を向いて、今から出来る事を
頑張っていきたい。

というエピソードをいただきました。

今回は複数のエピソードが散りばめられていましたが、一番伝わる選択としてそのエピソードは別記事で公開させていただいております。

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エピソード

本当は嫌われ者、自分に言い聞かせたあの日。

小学生のとき、友達から借りたゲーム機を失くしてしまい、
母から怒られるの恐くて、友達のせいにしたことがある。

その場しのぎのへ理屈が、後で大ごとになって、結局バレて母にめちゃくちゃ叱られた。悪いことをしたら叱られるのは当たり前。だけどショックだった。

「人のせいにするのは犯罪者だ」
「いつも悪さばかりするから、近所からうちは嫌われている」

そうか自分は犯罪者なんだ。
いつも笑っている友達も、心の中ではみんな自分の事を嫌っているのか。
母ちゃん悲しい思いさせてごめんなさい。

次の日の学校の帰り、いつもの友達との会話がとても遠くに感じて、泣きそうでした。

本来の性格もあると思いますが、
この頃から、自分の意見よりも、友人の笑顔の奥にある本音を探して、
本音が見えなければ嫌われないように行動するようになったと思います。

自分が何かして、場が楽しい空気になって、そこに自分が居れる事が一番嬉しかった。
相手に喜んでもらえて、そこに自分の居場所が生まれるという感覚だけで安心できました。
中学に入り一時的にいじめにあったりして、思考はさらに極端に、自己否定へ走りました。
周りを見ているようでほとんど見ていない、自分の世界に閉じこもっていたと思います。 

例えば、
・物事は良い悪い、出来ている出来ていないで判断。基本的に自分はダメ、出来ていない、やるべき事がまだ残っている。とにかくやれ。出来なければ笑うな。

・相手が怒るのは自分に非があったから。怒らせた時点で自分は悪い。

心の中で謝るけど、怒る状況を招いた至らなさと、関係修復に意識が集中してしまい、「すいません」の言葉が素直に口から出なくなりました。同様に、目の前の状況が平穏になると安心してしまい「ありがとう」の言葉も出なった。

 表向きには明るく交友的に振舞っていますが、
中身は自分の考えにフタをして相手に合わせているだけなので、
相手からみれば「この人何を考えているのかよくわからない」という事になります。 

「すいません」「ありがとう」が素直に言えない、
何を言ったらいいのか判らないのは、社会人になってからかなり苦労しました。

入社当時は先輩から厳しく注意され、礼儀の無さに靴も投げつけられた事もあります。

でも、自分が悪いことは理解しても、どこを指摘されているのか正直分からなかった。また怒られると思うと、聞くのも怖くて何も動けませんでした。

自分の本当の姿は、自分から社交的に話には乗るのに、
心はいつも受け取るだけの一方通行。

約束した事も目の前の都合次第で自己解釈して判断、
実態は薄っぺらい関係しか築けない。
なんて、自分勝手なやつなんだろう。。。
心のどこかでは感じていたけど、認めたくないけど嫌な事実でした。

これで良いと思っていたのは自分だけ、相手にとっては何も嬉しくない事だと認識できたのは、残念ながら30代後半。人生はもう折り返し地点にかかった頃でした。
それでも前に進まなきゃ。

10年前に母が病気で突然亡くなりました。
まさかすぎて、長男の私は、故郷を離れて就職し母のそばに居なかった事を悔みました。

そんな時、ふと思ったことがありました。

「送り出してくれてありがとう。胸を張って帰ってこないと、母ちゃんをさらに悲しませるね。」いつもの自分勝手な思考が、この時は不思議なことに前を向きました。

沢山迷惑をかけたけど、結局母に救われているのだと感じます。 

今では、ここまで来たら自分を嫌いなのも、全部自分のせいにする性格も、簡単には変わらない。過去の失敗も迷惑も消せない。

でも、だからと言ってもう遅いと諦めるにはまだ早い!
前を向いて、今から出来る事を頑張っていこう、と思っています。

自分勝手さも相変わらずだけど、両手では足りない数の後悔に、今なら素直に「ごめんなさい」と言える気がして、今回文章にしました。

直接伝えるのは難しい状況もあるので、この言葉が風の便りでいつか誰かに届いたら。。。嬉しいです。

みんな今まで本当にありがとう。
ここからまた頑張ります。

ここまで書いたら、心が軽くなった感じがします。
この大切な機会を与えて頂いた後藤大さん、ありがとうございました!

僕は犯罪者 悪さばかりして
人のせいにしてしまう 嫌われ者です

僕は犯罪者? 借りたゲームを
なくしてしまって怒られるのが
ただ怖かった

なんだか遠くに感じる
いつもの会話が

ごめんなさいと ありがとうが
率直に言えない
本音を隠してるくせに
本音を分かれるわけがないだろう

屁理屈ばっかだと 靴を投げられた
折り返し地点でもまだ 自分で精一杯

さよならも言えずに あなたはいなくなる
どうしてちょっとぐらい
目を向けられなかったんだろう

散々 迷惑かけたあなたに
結局 救われる

ごめんなさいが ありがとうに
変われば歩き出せる
胸をはって帰ってこなきゃと
そう思えて不思議と前を向く

風の便りでこの歌が届くといいな
そしたら これでもいいんだよね と
思えたりするのかなあ

ごめんなさいと ありがとうが
今なら言えそう
投げられっぱなしのあの靴を
今更だけど 返しにいきたいよ


感想をいただきました!

風の便りで感想

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