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デジタルエージェンシーが広告代理店業界での地位が低い理由

こんばんは。今日のお昼に1,600円もするカレーを食べました。美味しかったんですが、大盛りにしたことでルーが全然足りないという残念な結果に。特にカレーとは全く関係ないのですが、今日は昨今飛ぶ鳥を落とす勢いのデジタルエージェンシー在職で感じたことを率直に書きたいと思います。結構まとまったと思っているので、広告業界にいる人たちや目指す人たちの少しでも役に立てればと思っています。

広告代理店の仕事とは

広告代理店はクライアントに向き合い、信頼を勝ち取り広告の仕事を貰う。広告代理店冥利とは昔からクリエイティブを司る会社が勝ちとされる世界だったわけだ。ところがデジタルが台頭したことで、クリエイティブの概念がボヤけてきた。そもそもクリエイティブとは企業や商品の顔になるための表現である。クリエイティブがクライアントの印象を創り、商品の価値を表現するとても重要な要素である。デジタルが台頭してもこの重要度は変わらない。広告代理店への信頼はまさにクリエイティブを託せるかどうかでその価値や評価がかわる。

デジタルエージェンシーの台頭は広告の世界を再定義したかに見える

デジタルの広告費がテレビの広告費を抜いたことは話題になりました。サイバーエージェントが抜けており、電通デジタル、セプテーニ、アイレップ、オプト、トランス・コスモスあたりが大手だろう。特にサイバーエージェントは総合広告代理店の電通、博報堂に続きADKをも超える売り上げを誇っている。他のデジタルエージェンシーも1,000億を超えており、大広や東急エージェンシーなどの代理店は既に置いて行かれている状況である。はっきり言って広告業界で総合広告代理店はオワコンである。しかしデジタルエージェンシーもこのままでいいわけがない。売上は右肩上がりで、時代の寵児であるにも関わらず離職率は高く、世間的に総合広告代理店と比べて地位が明らかに低いのである。その差が何かをずっと考えてきたのだが、ようやく見えてきた気がする。

クライアントからの評価軸の変遷

先ほどクリエイティブの重要性について、述べました。そもそも広告代理店への期待はクライアントの製品やサービスのポジショニングとそのポジショニングをメッセージ化した表現力だったわけだ。その表現がその製品の存在感であり、周知させることが役割だったわけだが、数値の可視化と共有ができるデジタルの特性とウェブメディアが主流となったことで、レスポンスの跳ね返りが評価されるようになり、広告代理店に期待されることになった。これによりクリエイティブという概念が、新しく創造することから押してもらうためのボタンを制作することへと移っていったのだ。広告代理店とデジタルエージェンシーのクリエイティブの捉え方が全く異なっており、共通言語になっていないため、クリエイティブを重要視する総合広告代理店と運用業務の一部と捉えるデジタルエージェンシーでは「表現の重さ」の違いが決定的である。さらに総合広告代理店のクリエイティブは空間のある三次元で語られていることに対し、デジタルエージェンシーはPCやスマホの中だけの二次元で語られるわけだ。そのため総合広告代理店のクリエイティブの概念はデジタルエージェンシーのクリエイティブを内包しており、よりダイナミックな世界で表現できる無限のキャンパスのクリエイティブが賞賛されるのは至極当たり前の話なのだ。

総合広告代理店は親友のような存在

目先の利益を追う人よりも、夢を語る人に魅力を感じるのと同じである。総合広告代理店はまさしく後者であり、親友にしたいタイプの個性がある。デジタルエージェンシーは確実に売上を重ねていくよう努めていくことができる強みは偏差値を上げていく塾の講師のような存在だと思う。受験の時には価値を発揮するが、長く続く人間関係はそこには要らないのである。親友と塾の講師ほど違う距離感は比較対象としても大きく異なる。地位が低いという表現をあえてしているが、魅力的な人間性と個性という点では友だちになりたい像である総合広告代理店の存在感はやはり大きいといえる。


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