【キーワード解説】ジャクソンホール会議
金融市場で「ジャクソンホール会議」への注目が高まっています。8/25-27に開かれる経済コンファレンスで、8/26にパウエルFRB議長が講演で今後の金融政策運営を説明する。「そもそもジャクソンホールって?」から、なぜ注目されるのかを解説します。
◆ Hall(式場)ではなく、Hole(穴)
カタカナだと、「コンサートホール」のようなHallと勘違いされがちですが、Jackson Holeです。米北西部ワイオミング州の地名。グランドティトン国立公園の玄関口で、夏は避暑地、冬はスキーと、人気のリゾート地です。山々に囲まれた平地が「穴」のようにみえたことからJackson Holeと名付けられました。
ジャクソンホール会議は毎年8月下旬に開かれるシンポジウム。カンザスシティ連銀の主催ですが、FRB議長や地区連銀総裁、さらには世界中の中銀首脳が集います。
私は日経新聞にいた2019年に現地に出張しました。上記は個人のiPhoneで撮った写真。このようにパウエル議長ら中銀首脳やエコノミストが談笑してる姿はあちこちみられます。Tシャツ、スニーカーといったカジュアルな服装で、記者の取材に気楽に応じてくださるFRB幹部も多くいらっしゃいます。2020-21年はコロナのためオンライン開催でしたが、今年は3年ぶりに現地で対面開催となります。
場所は上記のとおり。カンザスシティ連銀主催ですが、ジャクソンホールまでは直線で1500kmと、東京~那覇ほどの距離があります。それでも、もちろんカンザスシティの管轄区域。アメリカの広さを改めて感じさせられます。
◆ 金融市場が注目
会議は1978年~開かれていますが、この10年あまりで金融市場での関心が高まりました。2010年にはバーナンキFRB議長(当時)が追加緩和を示唆。2020年には金融政策の新たな指針を固めました。このときは、FOMCの位置づけとし、notation voteというかたちでFOMCメンバーの承認を得ています。
こうしたことからパウエル議長の講演のなかでも特に重みのあるイベントとして認識されています。例年は8月はFOMCが開かれないため、7月, 9月FOMCの中間評価的な役割も担っています。
◆ 8/26 23:00~
最も注目されるパウエル議長の講演は日本時間8/26(金)23:00の予定です。7月FOMCではインフレへの警戒を保ちつつも「「ある時点で利上げのペースを減速させるのが適切」という議論がありました(下記リンクご参照)。
その後、堅調な雇用統計、CPI(消費者物価指数)の伸び鈍化という7月の指標が発表されました。インフレの先行きをどう展望するか。金融政策運営について、これまでより具体的な方針を示すのか。市場の関心が高まっています。
◆ noteで速報・解説
FOMCのとき(下記リンク)のように、講演直後に速報し、ドンドン上書きするかたちで発言のポイントや市場の反応をコンパクトにまとめていきます。またご覧いただければ幸いです。
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