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南インド家電事情(10年弱前)

(今考えると、すぐ乾くんだからドライヤーなんていらねーじゃねーか)


家族がインドに住み始めたころ、ドライヤーが家に一つしかなかったので、インドレベルの家電量販店らしき店にてもう一つ自分用を購入。安いのを買うとすぐに壊れるから他のブランドに比べて明らかに割高なるも日本人としてパナソニックブランドのものを買う。
ところが1週間もしないうちにウンともスンとも言わなくなる。(う~む、不運。まだ保証期間だし、さすがにまた新しいのを買うのはもったいない。直してもらおう。)と買った店に持ち込む。


「こわれたので、直してほしい。これが保証書。」
「この店は売るのが仕事なので直すことはしていない。」
(なんのテライもなく言い切るな、コイツ)
「ここでなおさなくて良い。サービスセンタなりに取り次いでくれ。」
「そのようなサービスはしていない。この紙にパナソニックの商品を直すサービスセンタが書いてある。そこに自分で持って行け。」
 (無理だ。買った店にアフターサービスなんぞ求めちゃいけないんだ。)
ということで、紙に書いてあるサービスセンタリストからもっとも近い場所に出向く。
「これ直してください。これが保証書。」
「うちはヘヤドライヤーとかの修理とかはやってない。テレビとかなら直すよ。」
(「テレビなら直す」とかそういう問題じゃない、、、)
「パナソニックの看板だしているのだから、責任もて!!」
「部品がない。取り寄せになるからウンヌンカンヌン」、、、


仕方ないので、リストに書いてある違うセンターに行ったところ、やっと受け付けてくれたが、ここも
「部品がないので取り寄せるからいつできるかは不明。また、連絡する。」
(結局、どんなサービスセンタでも部品なんか持ってないのだな。仕方がない、ここで頼もう。)
とすでに戦意喪失でフラフラの状態なので、その日の活動は終了。


その店からは、1か月、2か月とたっても、なんの音沙汰もなし。こちらから電話を入れると、「まだ、部品が入らない」とのこと。3か月たっても、相手からなんの音沙汰もなし。
奥さんと話をしたが、別にパナソニックのサービスセンタなんかに持っていく必要はなかったのではないか。下手にそんなところに持っていくから純正(?)部品だかメーカー指定部品にしばられる。(補給部品のデリバリー体制も整っていないのに、ポリシーだけが先行している。だいたいドライヤーの部品なんてそこらへんの廃品屋でもあるんじゃないか?)


結局、3か月もたって修理にラチが空かないということは、いつになったってできないと判断。今度はいつこわれても悔しくない安~いドライヤーを購入。(お金でインドの煩わしから逃亡。逆に言うと泣き寝入り。)
その後、安いドライヤーは一度も壊れず。皮肉なものです。


その後、パナの修理屋からは連絡は来ません。
私と家内はこういった現象を「のまれる」と表現しています。

その後も、エアコンを修理に出して3週間くらい帰ってこず、
「また、飲まれるのか!!それも、エアコンみたいな大物を!」
と恐れ、2日に一回電話をしてノミ行為を許さない姿勢を断固として示したものです。


こういうのはインドの一般論かどうかはわかりません。(インド人が客だったら、私のような戦意喪失による泣き寝入りなどあり得ないと思うし。)
いずれにせよ、外資の家電メーカがインドマーケットに参入する際に、「販売網」を作るのは勢いで進む場合もあるかと思いますが、本当に機能するメーカー独自のアフターサービス網を作るのはちょっとやそっとの苦労じゃない。大変であろうと想像します。


メーカーが「一年保証」と保証書を発行するのは簡単。でも、直したり、交換したりするオペレーションが回っていなければ、逆にその保証書は空手形にしかなりません。
インド家電市場を席巻している、韓国勢は廉価売り切り勝負なのか、それとも、アフターサービスも含めてインド市場で評価されているのか?後者であるとすれば、日本の家電メーカーの遅れはシェアが示す数字以上の開きがあると感じます。 (まじめか!!)

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