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30年ぶり自分だけの部屋

義母が亡くなった。
子供が独立した。
空き部屋ができた。
自分だけの部屋が欲しい。

結婚して30年
自分だけの部屋なんて考えたこともなかった。
有名な女優さんも自分だけの部屋がない、執筆活動はリビングしていると
言っていたことにちょっと驚いた。
そのあと、この女優さんは離婚した。
子供も大きくなったので、お互いのためにと言っていた。
今は、すごく生き生きして、どんどんお仕事されていて楽しそう。
ますますお綺麗になっていく。
羨ましい・・・。

離婚とまでは言わないけど、わたしも少しぐらい自由が欲しい。
あと15年ぐらいは元気でいれるだろうし。
今からなんとかしないと・・・。
自由になるためにどうする?
まずは自分の部屋だ!

夫は現在の家へ引っ越しをしてから3帖の書斎で一人になれる部屋があり
今では、別にテレワーク部屋を持っている。
義母が同居することになった時は、和室が義母の部屋になり・・・。
家族のなかで私だけ部屋がない!
一人でくつろぐ部屋がない!
私は「3帖の部屋を私にください」と夫に嘆願した。
夫は「なんで必要なん?リビングでええやん」と・・・。
「みんなは自分の部屋があるのに、私にはない!くつろげない!」
と言ったら、しぶしぶ了解してくれた。

その3年後、義母は亡くなり、子供は独立。
あっという間に夫婦だけになった。

これでやっと本当に自分の部屋を持てるときがきたのだ。
でも、前回の事を思うと、どうやってそのことを夫に言えばいいのか
また悶々とした日々を送る。

友人が「そんなのシンプルに言えばいいんねん。「私は空き部屋で寝るね」だけでいいんだよ」と教えてくれた。
ほ~なるほど、そんなもんでいいのか?
恐る恐るそのまま夫に伝えると、
「ええよ」と夫
「ほんまに!やったー!」と心から叫んだ私に夫はすごく驚いていた。
わからんやろな、この気持ち。

こうやって30年ぶりに自分だけの部屋を持てたのである。
いそいそと自分に部屋のレイアウトを楽しんでいる私を夫は
何も言わずにみていた。

自分の部屋は夫から解放されるための初めの一歩なのだ。



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