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シリーズ・海外おとぼけ体験4

同じクルマの話題でも、危機一髪シリーズの方と違い、おとぼけと言うかズッコケ(昭和語)を語るのが、これだ。

両親が運転とは無縁だったせいもあり、また運転は危ないと言うことを繰り返し聞かされたもんだから、免許なんて取らないと思っていた。しかし、35歳でベルギーに赴任が決まり、人生は一転。クルマが必須になってしまったので、会社近くの赤い大きな球が飛び出ている日の丸自動車学校で免許取得に励んだ。

そもそもデフォルトが「クルマは危ない」だからなかなか取ることが出来ない。予定時間を大幅に越えての取得となった。そして、ベルギーに着いて、レンタカーをあてがわれるまでは同僚のクルマに便乗していた。遅かれ早かれ運転するんだからと、同僚のクルマを運転させてもらったその最初の日、どころか最初の瞬間に事件は起こった。助手席に座る同僚はいい度胸だったと思う。

アントワープの郊外にあるオフィスを出ればまっすぐな道、これならなんとかなるだろうと赤いプジョー206のステアリングを握った。慎重にオフィスの敷地を出る。鉄道の引込線みたいのを越して、公道に出ようとした瞬間だ。

いきなり潜んでいたパトカーに御用!!

うひゃ、いったい何が起きのか⁈と思ったら信号無視。わかりにくい信号の所為かそこは、取締りのスウィートスポットだったのだ。

窓越しに免許証の提示を求められ、何をしたかわかってるかと聞かれたが、あまりの突然のことで、しどろもどろの答弁になってしまった。そうしたら助手席の同僚が、彼は来たばかりでこっちの事情がわからないんですよ、みたいなことを力説した。

そうしたら、警官はしばし迷ったような振りをしてみせたあと、無罪放免!着任そうそうに汚点を残すのか⁈とひやひやしたが、なんとか切り抜けた。おとぼけ体験ならびに危機一髪シリーズに相応しい幕開けだ。

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