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人はどうやって衰えていくのか -2-

昨日に引き続いて、フレイル予防について投稿したいと思います。

フレイルは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、「Frailty(虚弱)」の日本語訳です。 健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことを指しますが、適切な治療や予防を行うことで要介護状態に進まずにすむ可能性があります。

意外だったのが、社会参加、社会とのつながりを保つことの重要性。

本文には、「フレイルの入り口は社会とのつながりを失うことなのです」とありました。ソーシャル・フレイルによる社会性の欠如が

①認知機能の低下を招いて、コグニティブ・フレイルにつながったり、

②食事や口の健康への関心がなくなってオーラル・フレイルになったり、

③体を動かす機会が減って身体機能が衰えてフィジカル・フレイルになったり、いいことはありません。

また、まったく逆にソーシャル・フレイルの予防から始まる良い連鎖(様々なことに興味を持ち、チャレンジ精神を失わず、好奇心、行動力を失わないこと。例えば地域のサークルに入る、カラオケにいく、新聞・雑誌・本を読んでいる、メル友がいる、SNSを活用している等々)が、コグニティブ・フレイルやフィジカル・フレイルの予防につながり、様々な面が底上げされ、衰えない生活習慣ができることもあるのです。

柏スタディのなかに、「栄養や社会参加には興味がないけれど、1回30分以上の汗をかく運動を週に2日以上、1年以上行っている」人と、「栄養に気を付け、社会参加はしているが、運動はやっていない」という人では、サルコペニアを発症する確率がさほど変わらないそうです。運動習慣がすべてではなく、人とのつながりや社会参加の力は、活力のもとになるんですね。

どの順番で進行するかは個人差があるものの、例えば

社会とのつながり → 生活範囲 → 心 → お口 → 栄養 → 体 

と順々にドミノが倒れていく。

私は、自然界の動物と同じように、足腰がしっかりしていないととか、歯がしっかりしていないと、生き延びられないと考えていたので、栄養とか運動とか体のケアのほうが大切なんだと思っていましたが、『人間は社会の中でしか生きていけない動物』という基本に戻ることが必要ということに気づきました。趣味や友人関係、ボランティア活動や社会参加などは一日してならずだと思うので、今までのつながりを大切に守りつつ、またこれからも自分で新しく開拓していく気持ちや興味関心のアンテナを高く持っていようと思います。

本日もありがとうございました。



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