技を打つ最低条件 靴を履いた中断上段蹴りの危険性 過剰防衛の恐れ

今まで、直線距離で使われる、パンチの基本打撃の打ち方を説明しましたが、ここでは、蹴りに関して研究したいと思います。

この護身術で使われる、腕の突き技や蹴り技に、しっかりした構えから打ちだすといった条件はありません。

とにかく、片足の膝が軽く曲がっていることが最低条件です。

そして、キックの場合、バッタが飛び跳ねるかのように、片足のバネで飛んで、もう片方の足から蹴りを放っていきます。

タイミングでいうと、片方の足が動きだしたせつなに、素早く、もう片方の足を動かす程早いです。

足の方が腕より付いてる位置が近いですから、それだけ、軸足から力の伝導が早く伝わりやすいのです。

では、この蹴りの使い道が、打つ向きによってどう違ってくるかを述べていきたいと思います。

まず、上段蹴りは、隙が大きく打ちづらい技です。

闘争時は、首やアゴの急所を強打したり、顔面を強打するために使用されます。

そして、足を思いっきり上げてから、急降下するかかと落としの連携にも利用されているのです。

ただ、当たれば、とても、危険な技です。

なぜなら、人間の頭という最ももろい部分を狙うからです。

その上、素足ですら危ないのに、戦うときは、大抵、硬い靴を履いています。

硬い靴に皮膚をねじ込まれると、攻撃の威力が凄まじいものになります。

正直、過剰防衛で罪に問われる可能性があります。

決して、暴行者に必要以上の重傷を負わせてはなりません。

戦いに勝つことが目的でなく、暴行してくる相手の動きを鈍らせ、退散することが目的なのです。

どの道、隙の多い技なので、反撃に遭いやすいです。

蹴り技のストッピングのみに使用するだけで、とどめるべきでしょう。

次に、中断の蹴りは、主に、胸や腹の水月、膀胱、脇のあたりを狙います。

正直、胸を狙うのは、大振りになりがちで、狙いづらいでしょう。

腹か膀胱、脇の下部あたりに狙いを限定して反撃をするべきです。

ただ、強くやりすぎると、最悪、内臓が破裂して、大変なことになるので、使わないほうがいいでしょう。

それ以前に、ミドルでの蹴りも、隙が大きいので、使用しない方がいいかもしれません。

正当防衛を判断する裁判官は、普通、一般人を想定しています。

柔軟体操で足の可動範囲が広く、中段・上段蹴りができるほどの格闘士までは考えていないでしょう。

上段蹴り同様、ストッピングで、逃げやすいよう、相手の足にダメージを与えるべきです。

このように、上段や中断の蹴り技は強力なため、暴行者に必要以上のダメージを与える傾向にあります。

力に過信し、調子に乗って、強打をすると、死に至らしめることもあり得るのです。

例え、刃物や銃など、武器をもった人間が相手でも、使用すべきではないでしょう。

刃物や銃の場合、腕1本を軽く動かされるだけで、致命傷を負わされます。

そうなると、隙の多い大振りの技であるほど、生死に関わるリスクが高いのです。

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