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地伝#X ◾️1996年 ヒップホップナイトフライト

ハブさんに付いて行ってナイトフライトの収録現場にお邪魔したことがある。ラジオ局に入るのも初めてだし、日本語ラップの最新情報を得るために必死で聴いていた番組なのでとてもワクワクした。日曜深夜で元々は放送休止の時間帯であったことから収録しているフロアにはラジオ局関係者を見ることはなく代わりに日本語ラップシーンを牽引する有名人が何十人もウロウロしてた。 強面の男たちが廊下に座って談笑していたりして、不良漫画に出てくる荒廃した学校のような光景だ。

しかしながら、そこにいる有名人達は僕のことなど全く知らないので、とんでもなく居心地が悪かった。控室、廊下、エレベーター前、どこに行っても界隈の猛者達が待ち構えていてバイオハザード並みの恐怖だった。居場所がなく早く帰りたかった、たぶん帰ったと思う。こうゆう状況でB-BOYとしてガツガツ行けるか、全く気にしないかの図太さが欲しいと悩む年頃だった。。


その後、何回目かの放送でリスナーからのFAXをユーザロックが読むコーナーに投稿した。京都のヒップホップを盛り上げたい、というような内容を書いて送った。なんとユーザロックが「知ってる奴からFAXが来たぜ」という前置で読んでくれたのだ。「ユーザロックが知っている俺」は投稿を読まれたことよりも嬉しく、有名になりたいと思う野望が溢れ、この日は眠れなかった。



ヒップホップナイトフライトは、当時の日本語ラップが過熱していく真っ只中の熱量を存分に感じられる貴重な歴史的資料だ。丁寧にアップしてくれているDJ MISTA SHARさんに感謝。




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