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地伝#4 ◾️1993年 WALKIN' STORE

先輩達は沖縄のリゾートバイトに行って京都に居なかった。僕はそういったバイトに興味がなく行かなかったので時間を持て余すようになった。溜まり場だったゲーセンの向かいにある「アリゲーター」という名前の釣り堀にバイト募集の貼り紙がしてあることを思い出した。ピラニアを釣ってポイントを稼ぎ骨董品や車などの豪華賞品と交換する怪しい店だ。とりあえず履歴書を持って向かうことにした。

目的地まで四条通りから新京極を北に向かい三条手前で東に曲がろうとしたところ、ウォーキンストアという服屋があってバイト募集の貼り紙が目に入った。

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当時はもっとボロボロで2階に上がる階段も工事現場にあるようなアルミ製のものだった。ヒップホップ関連の店ではなかったので、こんな店あったっけ?という感じだった。

階段の下で貼り紙を見ながらじっとしていると階段上から話しかけてくるオジサンがいた。長髪にパーマで口髭を生やしたヒッピーみたいな風貌である。そのオジサンは階段の上でタバコを吸いながら下にいる僕を野良犬でも呼ぶように「おいで、おいで、、、」と手を小招いている。

そのオジサンとは当時20代後半の松岡さんだ。松岡さんの巧みな話術により、ちょうど履歴書を持っていた18歳の僕は明日からこの店で働くことになる。数ヶ月後には正社員にならないか?と松岡さんに(タバコを吸いながら)わりと軽い感じで言われて、特に考えることもなく承諾した。

ちなみに、この頃のウォーキンストアはタバコを吸いながら接客するという荒れた店だった。

ウォーキンストアをきっかけにRYUZOや餓鬼レンジャーとも出会いDJとしての方向性が確立し、様々なドラマやトラブルが起こる。

松岡さん、ありがとうございます!


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