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地伝#15 ◾️1996年 ミックステープが売れた

ミックステープ地熱VOL.4は過去に発売したテープとは比べ物にならない程の反響があった。

このテープが売れたきっかけはシスコで販売してもらったことが最も大きいだろう。渋谷で1〜2位の人気を争うレコードショップだ。取り扱ってくれるだろうか、と思いながら恐る恐るサンプルをシスコに持って行った。なぜマンハッタンではなく、シスコへ先に行ったかというと、なんとなく話を聞いてくれそうと思ったからだ。後々、取り扱っていただいているのに失礼な話なのだが、マンハッタンはコネがないと置いてくれなさそうと思っていた。

シスコは最初の発注で40本オーダーしてくれた。あっという間に完売して、その後どんどん追加オーダーが100本単位で入った。知名度の低い僕のミックステープが売れた理由は「シスコに置いてある日本語ラップのテープ」ただ、それだけだと思っている。それくらい当時のヘッズは日本語ラップに飢えていた。得体の知れないテープだけど、シスコで売られているということが、なにより信頼感があったのだと思う。

そして、テープは餓鬼レンやニンクウの登場が話題になり、他のレコード屋にも置いてもらえるようになった。ある日、DMRに行った時にこのテープが流れていた時は感動した。憧れの場所だった渋谷のレコ屋で自分のテープが流れている。

僕はついに日本のヒップホップシーンにプレイヤーとして参戦したことを実感した。

そして何本売れたのか、いくら稼いだのか、本当によく聞かれた。答えはVOL.4の販売本数は1500本で、稼いだ金額は0円だ。当時の販売本数としてはなかなか多い方だと思う。勤めていた会社の商品として作ったので売上は会社に入っていた。自信作とはいえ、ここまで反響があるとは思っていなかった。さすがにちょっとモヤっとした。

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ジャケットには勤めていた会社名が記載されている。

この地熱VOL.4はしばらくの間、ミックスクラウドで聴けます。↓↓↓







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