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地伝#26 ◾️2000年 爆裂サウンドシステム

一戸建に引越して部屋が広くなったので念願の家庭菜園を本格的に始めていた頃の話。

スパイシーチョコレートがお台場の暁ふ頭公園で野外ダンスをやっていたのでよく遊びに行った。まだTwitterで開催の告知をできるような時代ではないので天気が微妙な日に行ったらやってなくて誰もいない時もあった。 

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スパイシーチョコレートは「爆裂」という名前のサウンドシステムを持っていて、どこのクラブでも聴いたことがない胃袋を掴むような低音と単純にバカでかい音量にすっかりハマってしまった。そのサウンドを操っているのが東京の不良の人達というのも魅力的だった。

僕の理想のDJスタイルとしてレゲエにも詳しいというのがあったけど、スパイシーチョコレートはそれを逆方向から、流行りのヒップホップもプレイするレゲエクルーだった。野外の爆音で聴くDr. Dreとか最高だったなあ。

あと、この野外ダンスではいつも渋谷で見かけるヒップホップ関係者がほとんどいなかったのも新鮮だった。
◯妄はスパイシーチョコレートと近かったので般若を見たことはある。自分達のイベントのフライヤーを配っていた。ロン毛に甚平を着ていて、この頃はまだ細くて撫で肩だけどイカつい兄ちゃんだなって思った。

そして「爆裂」をヒップホップのイベントで使ったら最高かもしれないと閃いて勢いだけで話を進めた。最初は渋谷のCAVEでやろうとしたけどスピーカーが地下に降りる階段を通らないので池袋のBEDに変更した。

サウンドシステムを借りると言ってもそれなりの金額が必要なので、しばらく海外には行かずミックステープの売上を貯めることにした。THINK TANKには大量の新鮮野菜をギャラにすることで話がついていた。

このイベントは企画段階から客を満員にする気もなく、サウンドシステム「爆裂」で自分が聴きたい人の音を鳴らすことが目的だった。それを楽しめる人が何人かいれば良いと思っていた。赤字になる前提でどれくらい軽くなるかは当日になってからという感じだった。

憧れのサウンドシステムを迎えてスタートしたが予測通りお客さんは少なめだった。しかし最高の空間だったと思うし聴けた人はラッキーだ。爆裂サウンドシステムでBENさんがオールドスクールセットをプレイして、いつもお台場で見ていたカツユキさんがレゲエの7インチレコードをプレイして、THINK TANKが全員集合して低音をブリブリに効かせたライブをして、最後に自分の好きなレコードを垂れ流す。過去最高に贅沢な時間だった。

BENさんをゲストに呼ぼうと決めたのはPUSHIMのリミックスがめちゃくちゃかっこよかったので爆裂で聴きたいと思ったから。

このテープの一曲目↓↓↓

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フライヤーに書いてあるINDIE5000っていうのは97年ごろにニューヨークの小箱でやっていたINDY500っていうタイトルのパーティーに行って、その時の体験が最高だったので同じ名前にしたつもりだった。スペルと数字を間違えた。

そのイベントは僕みたいな日本人観光客にもジョイントが回ってきたり優しい感じだった。DJの選曲も94年位の渋いヒップホップのレコードをゆっくりかけていた。スクラッチとかせずにレコードの最初から最後まで丁寧に流すんだけど曲順が最高に良くて、そのやり方でめちゃくちゃ盛り上げていたのが衝撃的だった。

これをヒップホップクラシックでやっでる感じ。↓↓↓

スパイシーチョコレートはこの頃から今も不良のお兄さんが真面目に流行りの音楽を作るっていうのは変わっていなくて、流行が変わったのだと思う。かなりの影響を受けました!



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