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杉本博司 "Point of Infinity" in San Francisco

はじめに


世界的に有名な写真家・現代芸術家の杉本博司氏の「Point of Infinity」という作品をご存知でしょうか?三次関数の数式を立体的に表現した数理模型シリーズで、立体的な曲線の先端部が極細になっていていくことで無限を表現したものです。またこれ作品自体が日時計(Sundial)として機能します。

小田原にある江之浦測候所にあるので、杉本博司ファンの方はご存知だと思います。また東京の大手町プレイスオーク表参道にもあるので、ご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。

今回は、この「Point of Infinity」がサンフランシスコに出来上がり、近々公開されるという話を書いていきます。

小田原・江之浦測候所の"Point of Infinity" (2022年12月撮影)

サンフランシスコのどこにあるのか?

サンフランシスコにはゴールデンゲートブリッジという巨大な赤い橋が有名ですが、それとは別にイーストベイにつながるベイブリッジという橋があります。このベイブリッジの途中でYerba Buena Islandと呼ばれる小さな島を通過するのですが、「Point of Infinity」はこの島の丘の上にあります。サンフランシスコ近郊に住んでいる人にはTreasure Islandと言った方が話が通じるかもしれません。

Yerba Buena Islandはでは、最近再開発されていてマンションが新たに建設され、その近隣には現在公園ができる予定です。杉本博司の「Point of Infinity」は先行して6月にこの公園の中に設置されました。この公園はまだ工事中のため作品に近づくことはできません。ここは丘の頂上付近にあたり、ベイを挟んでサンフランシスコの全景が見られる最高のロケーションです。

Yerba Buena Islandの場所

どんな数理模型なのか?

ぱっと見のデザインは他の場所にある「Point of Infinity」と同じですが、大きく異なるのは大きさ。高さはなんと21メートルもある巨大な作品だそうです。底辺の直径が7メートルで先端部の一番細いところは21ミリだとか。これだけ大きいとサンフランシスコの市内からも見えるかもしれませんね。

再開発プロジェクトの一環でSan Francisco Arts Commissionが作品を募集し、その中から選ばれたとのことです。

詳細は以下の美術手帖の記事に日本語でまとまっています。

またTikTokのこの動画を見ると全体の雰囲気がわかりやすいと思います。


杉本博司ご本人も来ていた

6月にはご本人も来てました。オープニングの式典でもあったのでしょうか。New York Timesが取材をしていて、「Point of Infinity」にご本人の写真を撮影しています。(以下にその記事へのリンクを記載しておきますが、もしかしたら有料の会員にならないと見れないかもしれません。)

San Franciscoで杉本博司の作品を扱うFraenkel Galleryもインスタに写真を投稿しています。

またサンフランシスコの日本領事館もX(旧Twitter)にその時の様子をポストしています。

見に行ってみた

Fraenkel Galleryのインスタを見て実際の作品がすでに出来上がっていることがわかったので、7月2日に様子を見に近くまで行ってみました。公園自体は10月にオープン予定とアナウンスされていることもあり、まだまだ工事中で遠くから眺めるだけでした。

さてさて10月も終わりすでに11月になりました。そろそろ公園も完成し近づけるかもしれない、と淡い期待を持って、11月5日に再度行ってみましたが、まだまだ工事中。これから追い込んだとしてクリスマス前までに終わるのでしょうか??

これだけ絶好の場所にできた巨大な数理模型「Point of Infinity」。杉本博司を知る人だけでなく、多くの人に知られて人気観光スポットになるかもしれません。早く近くまで行って下から眺めてみたい。

先に書いたFraenkel Galleryでの展示もそうですが、サンフランシスコでの杉本博司氏のプレゼンスが少しずつ高まって来ているように感じます。なんだか面白くなってきました。

工事中のため少し離れた場所から撮影


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