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「杉本博司を知っていますか?」 BRUTUS 2005年9月15日号


最近、雑誌BRUTUSで写真を特集していたことがSNSで話題になっていました。そう言えば昔買ったBRUTUSがどこかにあったはずと思って部屋の中を探してみたところ、アメリカに引越した時に日本から持ってきた写真集の間に一冊だけ埋れているのを見つけました。

何と18年前の2005年9月15日号!しかも私が最近ハマっている写真家・現代美術作家の杉本博司氏の特集号で、タイトルは「杉本博司を知っていますか?」すっかり忘れてました。

杉本博司といえば世界的に有名な写真家・現代美術作家としてメディア等でよく紹介されていますし、この秋には渋谷の松濤美術館で作品の展示が行われたのでご存じの方も多いと思います。

このBRUTUSが発売された2005年当時は、世界的に人気の高まっていた杉本博司がまだ日本で広く知られていなかったようで、タイトルにある通り杉本博司がどんな人か解説するというスタンスで構成されています。

ちょうど同時期に六本木ヒルズの森美術館で杉本博司の大規模な回顧展「時間の終わり」が開催されていて、これに合わせた特集だったのだと思われます。実際、私もこのBRUTUSを読んで初めて杉本博司のことを知り、森美術館の展示を見に行きました。

特集の内容は、日本と海外のアートスクールの学生に杉本博司の写真を見せて知名度を確認するところから始まり、パリのルイビトングループのVIP会議室に展示された「Architecture」シリーズのエッフェル塔の作品の様子を紹介されています。このほかにも主要作品の解説や、生い立ち、対談など色々な角度からまとめられています。

特に貴重なのは「撮影について行ってもいいですか?」と題して「 Architecture」と「Theaters」の撮影現場に同行取材している記事でしょう。どちらも超有名な作品シリーズとして展示を見る機会があったとしても、撮影の裏側を知る機会はなかなかありません。

これに加えて当時のニューヨークのオフィス&スタジオの様子を取材した「ニューヨークの仕事場を見せてください」の記事もラボの様子がうかがい知ることができて興味深いです。

隅々まで見ていくと意外な発見があったりします。生い立ちを解説したページには、アラーキーが写り込んだ写真が2枚あってお二人の間に親交があることがわかったり。

写真家・現代美術作家の杉本博司のことを深く知りたい人にはおすすめの一冊です。(ネットで調べたところ古本で購入可能のようです。またこの後2008年に「BRUTUS特別編集 杉本博司を知っていますか?」というムックが発売されているようです。)






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