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商品売買

◯三分法

三分法とは、仕入(費用)・売上(収益)・繰越商品(資産)の3つの勘定で処理する方法です。3級ですでに学習済みなのでここでは割愛します。

◯分記法

分記法とは、商品(資産)・商品売買益(収益)の2つの勘定で処理する方法です。
①商品の仕入れ
商品を仕入れた時は商品の増加として処理します。
例)商品100円を仕入れ、代金は掛けとした。
(商品)100  (買掛金)100

②商品を売り上げた時は、売り上げた商品の原価分だけ商品を減らします。また売価と原価の差額は商品売買益で処理します。
例)原価100円の商品を200円で売り上げ、代金は現金で受け取った。
(現金)200  (商品)100
       (商品売買益)100

分記法では決算時における処理はありません。

◯売上原価対立法

売上原価対立法とは、商品・売上・売上原価(費用)の3つの勘定で処理する方法です。
①商品の仕入れ
商品を仕入れた時は商品の増加として処理します。
例)商品100円を仕入れ、代金は掛けとした。
(商品)100  (買掛金)100

②商品を売り上げた時は、売価を売上で処理し、その商品の原価分を売上原価に振り替えます。
例)原価100円の商品を200円で売り上げ、代金は現金で受け取った。
(現金)200     (売上)200
(売上原価)100 (商品)100

売上原価対立法では決算時における処理はありません。

〇割り戻し(リベート)

割り戻しとは、ある数の量を仕入れてくれた方に代金の一部を返すことです。身近な例だと「1足300円の靴下を4足買うと1,000円」などがあります。これは本来だと300×4=1,200円ですが、4足買うと200円の割り戻しを受けています。

例)100円の割り戻しを現金で受けた。
(現金)100  (仕入)100

〇割引

掛代金を早期に支払うことで、割引してもらえる場合があります。仕入れた際に受ける割引を仕入割引といい、収益で処理します。

例)買掛金100円の支払いについて、5%の割引を受けたのち現金で支払った。
(買掛金)100  (仕入割引)5
          (現金)95

〇クレジット売掛金

上記記載のURL、商品売買にて学習済みです。

〇棚卸減耗損・商品評価損

決算時において、商品の実数を数えることを棚卸といいます。棚卸によって数えた実際の数を実地棚卸数量といい、商品有高帳上の在庫量を帳簿棚卸数量といいます。紛失や盗難などにより、これらの数が合わない場合があります。この棚卸数量の減少を棚卸減耗といい、棚卸減耗が生じた際は減耗分の金額を棚卸減耗損として費用で処理し、繰越商品を減らします。

棚卸減耗損  =  原価  ×(帳簿棚卸数量  ー  実地棚卸数量)

仕入れた商品は時間がたつことで価値が下がってしまう場合があります。時価が原価よりも下がってしまった場合、時価まで減額する必要があります。
※時価(正味売却価額)  =  売価  -  見積販売直接経費
見積販売直接経費:商品の販売にかかる費用

この時生じた差額を商品評価損として費用で処理し、繰越商品を減らします。

商品評価損  =(原価  ー  時価)×  実地棚卸数量

また商品評価損は売上原価に含めるため、仕入れ勘定に振り替えます。

例)次の資料を基に決算整理仕訳をしなさい。
・期首繰越商品:100円
・当期商品仕入高:500円
・期末繰越商品
   帳簿棚卸数量:10個  実地棚卸数量:8個
   原価:10円/個      時価:8円/個    
期末繰越商品  =  原価  ×  帳簿棚卸数量
                        =  10 × 10 = 100
棚卸減耗損  =  原価  ×(帳簿棚卸数量  ー  実地棚卸数量)
                    =  10  ×(10  -  8)=  20
商品評価損  =(原価  ー  時価)×  実地棚卸数量
       =(10  -  8)×8  =  16
(仕入)100           (繰越商品)100
(繰越商品)100    (仕入)100
(棚卸減耗損)20  (繰越商品)20
(商品評価損)16  (繰越商品)16
(仕入)16       (商品評価損)16

〇払出単価

払出単価を決める方法は、こちらの商品有高帳にて学習済みです。


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