古本屋のおばば

昨日、なぜだか、古本屋の外に出されていた、開高健の本が衝動的にほしくなって、走った。

ホコリにまみれて、一番怪しい?雑誌感覚?外見で選ぶヒト・・・

を誘うような本たち。

分厚い、中身は、「酒と食」に関するエッセイのようだ。食べ物に関する本はとても興味をそそる。

鉛筆書きで、200円。ついでだから、開高健、×3で、レジのオババのところに走る。

オババ、わたしが常連さんであるから、「600円のところ、100円まけて、500円にしておくよ」

「あんた、加藤卓男先生のサイン入り本もっているんだろう?」

「あの先生、すごいわね~・・・」

と、なにか、いかにも次の買い手がまってみえるようで・・。

確かに、加藤卓男先生のサイン入り本をこの店で買い、昔の鳥屋の話とか、ラスター彩への研究の流れなど、どちらかというと誰でも理解できるような語り口調の文章だった。ただし、窯の説明は、本格的。

今のご時世、読みおわった本を抱えていてもしかたがない。

自分で買ったものは、意味がなく、夫の遺品の本は、もうほとんど価値がない。自分にとっては、別の意味あいで、抱えていて、なかなか手放せない。

なぜだか、わからない。

6冊もっていき、1200円。加藤卓男先生の本も手放す。京唄子さんのサイン入り本も、おまけにつける。

自分が持っていても、仕方がないのである。良いところへ、行きつくのが、本にとっての寿命の全うかもしれない。

自分の家系は、母をみていると、文化のない家系だなあと、つくづくいやになるけど、現実問題そうなんだからしかたがない。

だから、本を手放すことにした。

母、「流行り病がおさまったら、じっくり話にうちに帰って来なさい。」と。

私、「あんたは、今はそういうけど、いざ帰るっていうと、みっともないから、帰ってくるな!って、追っ払う、こういうのを、女ごころは、秋の空って、いうんだよ!」

と、母は、とかく外見を気にする人、人と同じ格好をしてないと、いけない人、何をいまさら、・・・。



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