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デザインの仕事が来ないのは #納品力 がないからです〜誰も教えてくれない #納品力 を身につける38のメソッド(980円)

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■■ はじめに〜納品できる力をつける

■ 納品力を上げると仕事は増える

 デザインの仕事が来ないのは、納品力がないからです。納品力とは「きちんと納品できる力」であり、私の造語です。

 DTP検定を取得しても、ポートフォリオ(作品集)を充実させても、WordPress のスキルを上げても、仕事は増えません。

 大事なことではありますが、少なくとも商売繁盛には関係ない。デザインの仕事を増やすには、納品力を上げてください。

■ リピーターを増やすのは商売の基本

 納品できないと、次の仕事も来ません。リピーターになってくれないのです。リピーター(得意先)を増やすことは、商売繁盛の基本です。

 実は、デザインの仕事は「初めて」ならばたくさんあります。試しに、行きつけの美容室や歯医者、整骨院で声をかけてみてください。

 デザイナーが辞めてしまった、名刺やWebページを新しくしたいなど、デザインの仕事はたくさん転がっています。

■ 注文されたカツ丼を出せ

 しかし、納品できなければお金になりません。リピート注文も来ないでしょう。噂が広まれば、初めての仕事さえも取れなくなります。

 納品できないのは、注文したカツ丼が出てこないのと同じです。

 店主に「納得の行くカツ丼ができませんでした」などと言われたら、なんだそりゃ?と思いながら店を出るでしょう。さんざん待たされた人は、空腹で激怒するかもしれません。

 カツ丼を頼んだのに、天丼を出されても同じです。

 お客さんには天丼のほうがお似合いだ、などと言われたらどうでしょう。やはり「なんだそりゃ?」と思います。お金は払うかもしれませんが、私ならその店にはもう行きません。

 また、確かに注文したのだが、途中で店主がどこかへ行ってしまったら困ります。

■ デザイナーの前に商人であること

 お客さんをさんざん待たせて、結局カツ丼が出せない、天丼を押しつける、店主がいなくなるなど、まるでドリフのコントです。そんな定食屋は、聞いたことがありません。

 しかし、残念ながらデザイン業界ではよくあります。特に、デザイナーと連絡が取れなくなった話はよく聞きます。

 その上、カツ丼は出来なかったがプロセスを評価しろとか、天丼にかかった経費だけは払えなどと言われたら、注文した方はたまりません。

 もはや、商人として成り立っていない。注文されたものを、納品していないからです。これは、納品力の問題です。

■ 商流(商売の流れ)を理解する

 納品力を上げるには、商流の理解が必要です。商流とは、商売の流れのことであり業態によって異なります。

 例えば、小売業は天候や季節に合った商品を仕入れて陳列し、販売してお金を得るという流れです。

■ デザイン案件の商流を理解する

 デザイン案件の商流は、以下のとおりです。

(1)引き合い
(2)見積もり
(3)注文
(4)デザイン
(5)校正・校了
(6)製造
(7)納品
(8)請求・入金

 DTPとWebの商流は、ほぼ同じです。デザインとコーディングをまとめて「Webデザイン」と呼ぶ人がいますが、分けてください。

 製造工程は、DTPでは印刷、Webではコーディングにあたります。印刷とデザインを分けて考えるように、コーディングとデザインは分けて考えます。

 デザイン案件の商流など、デザインの学校では教えてくれません。大手の事務所でも、よほど意識しないと学べないでしょう。

 デザイン関係の本はたくさんありますが、商流を説明した本は皆無なのです。

■ 注文された品を納めるということ

 商流を理解すると、納品のことがわかります。

 納品とは、注文された品を納めることです。逆に言えば、注文されていない品を納めてはいけません。これは商売の基本です。

 納品書には、納品するもの、つまり注文されたものが書かれています。Amazon のダンボールにも、納品書が入っています。

 注文されたものは、注文書に書いてあります。さらに言えば、注文書は、見積書から転記されたものです。

■ 納品物の元は見積書である

 つまり、納品とは元々こちらの提案内容なのです。価格や納期、納品物は全てこちらで決めたものです。情報は、見積書から注文書へ、そして納品書へ流れていきます。

 本文では、納品力を上げる36のメソッドをご紹介します。納品力が上がれば、仕事や得意先が増えて、儲かるようになります。

 お役に立てれば幸いです!

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■■ 第1章:引き合いで即答できるか?

【デザインの商流】
★(1)引き合い
 (2)見積もり
 (3)注文
 (4)デザイン
 (5)校正・校了
 (6)製造
 (7)納品
 (8)請求・入金

■ 01. デザインは引き合いから始まっている

 デザイン案件は、引き合いから始まります。

 引き合いとは、「売買注文の問い合わせ」という意味です(スーパー大辞林)。こんなデザインできますか?とか、スケジュールは空いていますか?という、注文前の相談のことです。

■ 02. 納品できるか考える

 引き合いでは、それを納品できるかどうか、スキルとスケジュールから判断します。納品力の問題は、すでに引き合いから始まっているのです。

 まずは、スキルがあるかどうかです。

 私は、グラフィックデザイナーですが、イラストレーターではありません。簡単なイラストなら描けますが、RPGゲームのドラゴンや、いわゆる「萌え絵」など精密なものは描けません。

 次に、スケジュールが空いているかどうかです。

 大規模なプロジェクトの真っ最中だったり、仕事が立て込みそうな場合はお断りします。

■ 03. できない仕事は断ること

 仕事を断るのは、恥ずかしいことではありません。

 独立したばかりの頃は、仕事を断れませんでした。スキルのない自分をさらけ出すようで、恥ずかしかったのです。

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