グランパのプレーンヨーグルト
小さいころ、私が好んで食べていたのは、あま~いヨーグルトだった。小さな容器に入った大好きなデザート。時どき母親が買ってくれるのが、とても嬉しかった。
だけど、ある日グランパが食べていたのは、見たことのない大きな箱に入ったヨーグルト。箱からヨーグルトを取り出しておさらに取り分ける様子を、私は不思議に思って見つめた。
ヨーグルトならおいしいに違いないと思い、自分も食べたいとねだった。
すると、グランパは私にもヨーグルトを取り分けてくれた。大きいスプーンでほいほいと。
砂糖はいるかと聞かれたが、小さい私はヨーグルトに砂糖を入れる文化を知らなかった。それに、小さいころの私には謎のこだわりがあって、何かと何かが混ざっているという状態が、嫌いだった。
「ヨーグルトは元からすっごく甘いんだから、大丈夫」そう信じて断る。
グランパが食べ始めたのを見て、自分も1口、食べてみる。
予想外の味だった。全然甘くないじゃないか。「砂糖を入れればよかった」と一瞬で後悔した。だけど、いらないと断ったのに砂糖を欲しいと言うのは恥ずかしくて、そのまま「おいしい」と言って食べ続けた。
ひんやりして、ちょっと酸っぱいような気もして、初めての味だった。
ぱくぱくとあっという間に食べ終わってしまう。次は砂糖を入れようと、心に誓ってごちそうさまをした。
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