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カリンバのおはなし 放浪旅あいまい記憶日記 番外編

こんにちはバイブレーシャンのGoRoです。

放浪旅あいまい記憶日記にもさんざん出てくるカリンバについて少し説明したいと思います。

その筋ではディジュ吹きのGoRoとして通ってますが、このカリンバが僕が最も昔から作って演奏してきている楽器でして、無人島に楽器を一つだけ持っていくのを選べと言われたら、迷うことなく選ぶと思います。デイジュについてはまた別の記事で詳しく書こうと思いますが、ただの筒を吹くだけなので、どこでも見つけられる可能性は高いですからね。

カリンバはアフリカ発祥の楽器でして。簡単に言うと木の箱に。金属または竹製のキーをつけて、それを主に親指で弾いて音を出す。オルゴールのような音の楽器です。

英語でThumb Piano(親指ピアノ) などとも呼ばれています。アフリカでは国や民族により名前も形も沢山ありますが。カリンバという名称は南アフリカで作られた工場生産の会社が(現在楽器屋さんで購入できるような)つけた名称です。

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工場生産のカリンバ

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ジンバブエのショナ族が奏でるのはムビラという

他にも「サンザ」「リケムべ」などなど。昔カリフォルニアで買った本でタイトルが思い出せないのだが、著者がアフリカに3年ほど滞在し指ピアノについてリサーチした本で写真も多く、各部族のチューニングから演奏法、作り方まで細かく載っていた本だが、ここに名前を自分でつける部族もいると書いてあった。「太郎」とか「花子」とか、たまに自分ギターに名前つけてる人もいるけど。

この工場生産のカリンバとアフリカの楽器の大きな違いはアフリカのそれには『さわり』がついてることです。これは、一言で言えば雑音を加えるということです。

キーの部分に輪っかをつけたりボディーの部分にビールの王冠をつぶしたものをつけたり、穴の部分に蜘蛛の巣を張ったりして、人によってはそれを『雑音』と捉えるのですが、この『雑音』を音楽にするのですね。

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穴の部分に貼った蜘蛛の巣。ここがびびってなんとも言えない音がでます。

タイの南の島の鍛冶屋さんに居候し随分この楽器を作って観光客に売りながら放浪の旅をしてきた。この楽器に命を救われたと言っても過言ではないと思う。

島には東急ハンズなんてないので、ほとんど拾ってきたものを再利用していた。キーになるところは自転車やバイクのスポーク、あるいは傘の骨。ボディーはココナッツの殻。いつもガラクタを持っているかカリンバを引きながら歩いていたので、割とその辺りでは有名だった。

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35年ほど前に作って以来ずーと共に人生を歩んできた自作のカリンバ。芸は身を助けるとはいうが。僕はこの楽器に身を助けられた。放浪旅あいまい記憶日記に出てくるのも、ほとんどこのカリンバです。

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上のいつも使ってるカリンバの兄弟カリンバ。バリの古い家の軒下にあったチーク材で5台作ったうちの一台で、友人が今も演奏しているのは、本当にうれしいです。ちなみに自分のは、長い旅の間に修理を繰り返して、オリジナルのパーツは残っていません。形だけがのこりました。

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同じ頃に作った。カリンバのボディー。ココナッツ製。このココナッツは海で見つけたもので表面を削ったのではなく自然と硬い部分だけが残ったので、独特な質感を持っている。この頃僕は、ほとんど必ずココナッツの面に顔を掘っていた。

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こちらもココナッツのカリンバボディー。今まで見つけた中で最も大きい殻だ。 インドの列車の中でもこれを掘っていた。

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友人所有。1989年製作
ココナッツのボディーですが、外側が白く内側がこげ茶な面白いココナッツです。

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所有しているタンザニアのアンティークなものです。

2003年まだ子供がお腹の中にいる頃、お母さんが横になると子供が活発に動き出して、なかなか休めませんでした、そこでカリンバをお腹につけて弾きだすと、おとなしくなったんですね。それからは、何度もお腹につけて弾いていました。彼が生まれたその日に、泣いている目の前でカリンバを弾いたら、ピタリと泣き止んで、目の玉をグルグルと動かしたのです。まるでなんだこの音昔聞いたことがあるぞ、という感じで。

いつも寝かせるときは抱っこ紐に入れて、踊りながらカリンバを引きました。ノリが良くないと、なかなか寝てくれないのでかなり真剣に演奏しました。子守唄ですね。
ちなみに、表紙のカリンバの絵は息子が10才のとき、ぼくの誕生日に書いてくれた絵です。

ステージにも何回か抱っこして演奏しましたね。これを受け入れてくれた優しいお客さんで良かったです。
フィリピンのマラシンボ音楽フェスでリハーサル前に撮りました。

たくさんのカリンバを作っていろいろな国の旅行者に買ってもらいました。アフリカの人も(一人は白人でしたけど)2人に買ってもらいました。

のちに聞いた噂話じゃ、買ってくれた旅行者がダライ・ラマの前で演奏したらしい。

ほんとかなー?


最後まで読んでくれて感謝です。幸あれ!!!!





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