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手袋を探して

散歩も兼ねて、街に出た。

所用で大型スーパーの中の2店舗に立ち寄る必要があった。2店舗での買い物を済ませて、外に出た。

寒いから手袋をつけようと、コートの右ポケットに入っていた手袋を取ろうとしたけど、ない。落としてしまったのだ。

その手袋は昨年購入した無印のもので、使いやすくて重宝していた。着用回数が多いので、毛玉が出来ている。だいぶボロくなっているので、買い替えか、予備の手袋を引っ張り出そうか悩んだ。

でも毎日愛用しているので、愛着はあるし、何より使いやすいので、諦めたくない。

スーパーに引き返して、立ち寄った店舗に落ちていないか見に行こう。

残念ながら1店舗目には落ちていなかった、2店舗目も落ちていない。諦めかけて2店舗目を出ようとした際に、店員さんにダメ元で手袋の落とし物がないか尋ねてみた。店員さんは手元のピンマイクですぐに確認してくれた。

申し訳無さそうに「こちらには届いていないです。ただ落とし物があった場合には、スーパー本体のサービスカウンターに連絡があるはずです。」といって、サービスカウンターの場所を教えてくれた。

サービスカウンターに移動して、手ぶくろを落としてしまったが、届いているかを尋ね、手袋の特徴と私のスーパーでの足取りを説明する。お掛けになって少々お待ちくださいといってくれた。

落ち着かないので、立ったまま待っていると店員さんがやって来た。

「届けられていております。」

そう言って手袋が預けられている警備窓口の場所が書かれたメモを持たせてくれた。

慌てて警備窓口に移動して尋ねると、「こちらですね。」と手袋を差し出してくれた。間違いない。私の手袋だ。お礼を言って受け取る。そして身につける。

手袋はよく紛失してしまうものの一つだ。落とすとなかなか見つからず、諦めてしまう事が多かった。今回ももうダメかと思った。ましてやこのコロナ禍で、落とした手袋は拾ってもらえるなんてラッキーだ。

拾ってくれた人、私の質問にすぐ応じてくれた店員さん達に感謝。

そう思いながら家に帰って、反省しつつ手袋を手で洗った。


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