早く習い事を始めることの罠(スポーツ編)

「スポーツを(習い事として)始めるなら早い方がいい」

親御さんなら、そう思ってしまうかもしれません。

でも、その考えにちょっと待ったをかけたいというのが今回の記事の意図です(あくまで今回はスポーツの習い事に関して)。


専門性を身につけるための準備は整っているのか?

サッカー、野球、テニス、柔道、空手...

どれもルールや競技の特性に違いはありますが全部共通していることがあります。

「自分の体を動かす」

ということです。

めちゃくちゃ当たり前のことのようですが、ここが抜け落ちている人が結構います。

例えば、生年月日が全く同じのA君とB君がいるとします(年齢は7歳)。

同時にサッカーを習い事として始めたら、A君の方はメキメキと上達しますしたが、B君はなかなか上達しません。

もちろんその要因は様々です。

センス、元からの運動能力など生まれ持ったものの影響は当然あります。

しかし、生まれ持ったものだけでないものも影響してきます。

それは「7歳になるまでにどのような生活を過ごしてきたか」ということです。

A君とB君のバックボーンを覗いてみましょう。

A君は、サッカーを習い事として始めるまでの7年の間に、よく外で遊んでいたのかもしれません。

かけっこ、鬼ごっこ、ブランコ、キャッチボール、鉄棒...

いろいろなことを体験し、様々な”遊び”を経験することで自分自身の体を動かすということを自然と鍛えていた。

一方B君は、外で遊ぶことは少なく、家や屋内で過ごすことが多いため、体を動かすという経験が乏しいまま5歳になってしまいました。

このバックボーンを見たときに、果たして才能やセンスだけで片付けることができるでしょうか?

もちろんB君のような生活をしてきても、才能やセンスでA君のようなタイプよりも上達が早いということは全然あります。

しかし、私が何を言いたいかというと、子供にスポーツをさせたがり、上達を強く望む親御さんは「子供に対して体を動かすというベースを作ってあげましたか?」ということです。

”遊び”というのは本当によくできたトレーニングだなとつくづく思います。

そもそも外で遊んでいて「僕は今トレーニングしているな」と思っていたいた人います?

遊びのすごいところは基本的に嫌々やっていることがないということです(嫌々付き合わされていたという場合もあるかもしれませんが)。

純粋に楽しみながら、自然と体を鍛えていたわけです。


転んでも受け身がとれない

みなさん転んだ時に受け身がとれますか?

ちなみに私はとれます。

でも、そのためのトレーニングをしたかというと、そんな記憶がありません(中学時代に柔道の授業で受け身の練習はしましたが、それは全く関係ない)。

たぶん、私の記憶にないだけで、転んで受け身をとるというトレーニングを自然とやっていたはずなんです。

それは小さい頃に意図的にトレーニング受けたとかでなく、遊びながらたくさん転ぶという経験をしていたのだと思います。

たぶんそこで痛みを伴ったり、傷を作ったりして、たくさん泣いているでしょう。

でも、そのおかげで転んだら受け身をとるというのが自然とできるようになっています。

なんで、こんな話をしたかという転んでも受け身をとれない子っているんですよ。

できる人からしたら「マジで!?」と思うかもしれませんがマジです。

受け身がとれないと、衝撃を抑えれずに転ぶため、衝撃をモロに受けることになります。

なので怪我をします。

こういう子に多いのは、早くから動くということに対して、ある特定の動き方に特化しすぎ、自分の体をうまくコントロールできないということです。

指導者経験がある方なら、ボールを蹴ることが上手なのに、ボールを手で扱うことが異常に下手という子を見たことありませんか?


とにかくいろいろな動きを体験させよう

よく勘違いされるのが、サッカーは足でやるスポーツだから足を上手に使えればいいんでしょ?ということ。

そういう方に質問しますが「歩いたり、走ったりするときに足だけ動かしてますか?」

絶対そんなことないはずです。

どの動きをするにしても、意識していないだけでいろいろなところを動かしています。

でも、早くからある競技に特化してしまうと、特定の部分ばかり鍛えられてしまい、最初の方は早く始めたというメリットの部分で他の子よりも優位性を得られるかもしれませんが、後に逆転されるかもしれません。

他の子と比べてしまうこともあると思いますが、幼稚園~小学生くらいのうちに他人と比べるのは時期早々すぎると思います。

子供に合ったものを提供するのがベストです。

もっと将来を見据えてあげましょう。

それでは。

(書き終わった後に似た感じのことを書いている記事を発見。本当に書いた後に読んだので、パクったとか思わないでね!)

”自分自身の体を動かす”という当たり前のように思われることが当たり前じゃないことに気づかせてくれた動画です。)

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