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【ネタバレあり】シン・エヴァンゲリオン解説①あらすじ&破Qの再解釈

ここからは激しく【ネタバレ】ありますので、ネタバレOKの方のみスクロールしてください。

本記事は【シン・エヴァンゲリオン劇場版】のあらすじをおさらいした後、【シン・】で語られた「破」や「Q」の内容の補足をします。


1:【シン・エヴァ】の大まか解説

冒頭:パリ奪還作戦

「Q」で全てのエヴァが大破したため、物資が不足した「ヴィレ」は、ネルフのパリ支部から物資を調達するべ赴く。
パリは「アンチLシステム」の発動作業が間に合わず、コア化してしまっていたが、途中まで作業が行われたいたため、短時間での起動が可能となった。
ネルフからの襲撃を受けるも、撃破し、無事に物資を接収する異なる。

物資の中に2号機の起動時間問題を解決する「核融合型のジェットアローン」のパーツがあったり、8号機をオーバーラップ型(他のエヴァを取り込む)に改造する部品があるとのこと。

Aパート:ほのぼの編

だがしかし!人類は滅びていなかった!!的に、生き残った人たちの集落。
ヴィレのアンチLシステムに囲まれた範囲がいくつかあり、人々はまだ生きているようだ。

ここで重要な描写は「アスカ」は人外なのに対して、「シンジはほぼ人間のまま」ということがアスカから伝えられる描写。ここで、L結界密度に耐えられる存在は複数あるように提示される。そして、同時にアスカは完全なる人街になり、睡眠も食事も要らなくなっている。

また、エヴァのパイロットはエヴァを操るために「ある感情」をインストールして「造られた」ということを告げられる。じつは、「綾波レイ」だけでなく「式波アスカラングレー」も人工物だということがしれっと説明される。

「アヤナミレイ(仮)」はネルフ施設内で処置を受けないと、形状を保てないというのは旧作と同じようで、アヤナミレイ(仮)=アヤナミタイプno.6はLCL化して消えてしまう。

Bパート:艦隊バトル~インパクト

ほぼインパクトの準備が揃ったネルフはセカンドインパクトの爆心地に向かう。

目的はセカンドインパクトの際に作られた「地獄の門」を再び使い、インパクトを起こすこと。「地獄の門」はガフの扉と同じものと推測される。

インパクトには「いけにえの使徒」と「槍」が必要。
ネルフは「ロンギヌスの槍」と「カシウスの槍」を節約するため、4つのアダムスの器を使い、黒き月を材料にして、新たな槍として生成した。

さらに「いけにえの使徒」として、覚醒したアスカの中にいる第9使徒を使った。第13号機は「人工的なリリス」となる。

また、ヴンダー及び初号機奪還のため、エヴァオップファータイプが襲ってくる。初号機は奪還されるが、8号機がエヴァオップファータイプを捕食することで、シン化したと思われる。

第13号機と初号機を手に入れたゲンドウは扉の向こう「マイナス宇宙」にあるゴルゴダオブジェクトを目指す。それを追うエヴァ8号機はシンジを載せていく。

Cパート:アナザーインパクト+アディショナルインパクト

今までのインパクトはガフの扉を通じてゴルゴダオブジェクトにアクセスするものだったようだが、今回のフォースインパクトはこれまでと異なり、神へとなり、実際にゴルゴダオブジェクトにアクセスするという、今までにないアプローチのインパクトのようだ。

何より、アナザーインパクトをロンギヌスで起こし、そのあとにカシウスを使うことで追加のインパクトを起こすということのようだ。つまり、ロンギヌスですべて破壊し、同時にカシウスで全部作り直すようだ。

しかし、シンジが説得する形でゲンドウは「インパクトなんて起こさなくても、シンジを大事にすればユイに会えていた(ユイとの絆は保てた)」と気づき、インパクトの途中でそれを諦め、シンジへとインパクトを譲る。

そのため、カヲルがガイドとなる。

まずはアスカを救い、次にカヲル、最後にレイの順に救う。

最期に、ガイウスの槍を持ったマリがやってきて、シンジの希望を叶えるためのインパクトを起こす。

シンジが望んだのは「エヴァのない世界」だった。

最後は、「エヴァのない世界=現実」が描かれてハッピーエンド。

2:シン・エヴァンゲリオンを踏まえてのQまでの用語解説

「Q」で詳しく語られていない「ニア・サードインパクト」と「サードインパクト」について追加の描写がありました。
また、「ロンギヌスの槍」と「カシウスの槍」等についても追加説明があり、その一部が見えてきました。

【Qまでに出てきた情報で、今作意味がほぼ確定した用語】

Qまでに登場した単語でも意味が説明されていなかったが、今作で意味が与えられた言葉がいくつかありますので、まずは見返してみます。

・人類補完計画
 今作では、ゲンドウからその多くが語られてた。
 葛城ミサトの父が提唱した計画。セカンドインパクト、サードインパクト、フォースインパクトを以て、知恵のみを食べた人類を絶滅から救う方法。
 「知恵の実」を食べた人類は、①「生命の実」を食べてた使徒に滅ぼされるか、②使途を殲滅し、「生命の実」を手に入れ、「知恵の実」を捨てる、の2つしか解決策がないようです。
 ゼーレは②、つまり「人類のエヴァ(=生命の実を食べた人類)化」が目的だったそうです。「諦観された神殺し」とはこの「使徒殲滅し、生命の実を手に入れる」だったようだ。(旧アニメ版は生命と知恵の両方を持った完全生物を目指してたのに・・・)

・エヴァの呪縛
 エヴァのパイロットはシンジを除き、「ネルフにデザインされた生命」だったようだ。「綾波タイプ」、「式波タイプ」のように2種類存在するようだ。14歳で成長が止まり、デザインされた感情を常に持ち、人間のようにふるまうようにデザインされている。
 じゃあ、マリは?となるが、恐らくマリは「真希波タイプ」というプロトタイプで、オリジナルの「真希波マリ」によってつくられたのではないか、と推察される。

・「ロンギヌス/カシウス/ガイウスの槍」
旧アニメ版ではロンギヌスの槍しか存在しなかったが、Qでは「カシウス」が、「シン・」では「ガイウス」が登場する。
普段は同じ形状の「カシウス」、「ロンギヌス」と異なり「ガイウス」は全く異なる形状の様だ。

「ロンギヌスの槍」は破壊、「カシウスの槍」は再生を意味するようだが、「ガイウスの槍」は創造を意味するように見受けられる。

なお、各名前はキリストに槍を立てた「ガイウス・カシウス・ロンギヌス」の名前からとっているようだ。

・セカンドインパクト
 南極で行われたインパクト。4つのアダムス、4本の槍を使い、海の生物を浄化してしまい原罪の穢れのない=人間の立ち入れない海を作ってしまった。
「南極のL結界を進めるのは加持のアンチLシステムのお陰」というセリフから、海洋生態系保存研究機構はヴィレの前進で間違いなさそうだ。

・ニアサードインパクト
 シンジとエヴァ初号機が覚醒し、綾波加持け、第3新東京市が吹っ飛び、ガフの扉が開き、カヲルが槍を刺すまでがニアサードインパクトで確定。この第3新東京市が吹っ飛んだ段階で、多くの人が死んだようだ。

・サードインパクト
 ニアサードインパクト直後、自律型に改造されたエヴァmark.6がセントラルドグマに投下されて発動されたがのサードインパクト。加地が特攻するシーンの回想が、ほぼニアサードインパクト直後に発動されたように見受けられるため、ほぼ一続きで発動したようだ。
 エヴァシリーズは全て負傷していたため、特攻した加持の働きによって途中で終わったように思える。
 アンチLシステムを使用したヴィレがある程度の土地をコア化組織できたことを考えると、サードインパクトは加地の努力も空しく、ほぼ成功してしまい、少しずつ大地はコア化したものと思われる。
 ヴィレが作ったアンチLシステムがコア化する前の土地を確保できたのはそのためと推測される。

・フォースインパクト
ゲンドウ「神を殺し、神と人を繋ぎ、使途をいけにえにし、人類の進化と補完を完遂させる。式波も、綾波も儀式を完成させるための存在。」

リツコ「人類ーいえ、古の生命のコモディティ化」
ミサト「全ての魂をコア化し、エヴァインフィニティと同化させるーフォースインパクトの始まりか」

上記セリフから、神(アダムスやリリス)を殺し、新たな生命の実を持つ神としてシンジが誕生。その依り代を以て、全人類をエヴァ化するのがゼーレの目指すフォースインパクトであり、人類補完計画最終章。

なお、フォースインパクトとアナザーインパクトは異なっており、アナザーインパクトはフォースインパクトの置き換えとなるゲンドウ独自のインパクト。
 ゼーレのフォースインパクトとは異なる儀式を行うゲンドウの計画。
「ネブカドネザルの鍵」を以て、シンジではなく自分が依り代となることで、ゲンドウを中心としている。
 今までのインパクトは「ガフの扉」を開き、その奥にあるゴルゴダオブジェクトにアクセスしていが、アナザーインパクトでは実際にゴルゴダオブジェクトに到達し、インパクトを複数回行うという点で異なっている。
 下の図はQでガフの扉が閉じる直前だが、中心にゴルゴダオブジェクトが見えている。

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3:破のラストからQの終わりまでを解説

【前提】
旧アニメ版と新劇場版の関係は?

 恐らくループしていた。渚カヲルだけが、無限に続くあらゆる可能性の世界を繰り返していた。「碇シンジを救う」という目的を持つと同時に、それは「碇シンジを救うことで自分を救う」という目的を持っていた。
 カヲルは自分の体験を「生命の書」に記し、ゼーレに与えることで、少しずつループを脱することを目指していた。

つまり、【ループが物語の中心に来ていないループ物】という特殊な構造になっている。

【破のラスト】
エヴァ初号機は完全にシンジとシンクロし、疑似シン化覚醒形態になる。本来、エヴァを覚醒するためには使徒の「生命の実」を捕食する必要がある。初号機は第9使徒を捕食していたため、シンジをトリガーとしエヴァ覚醒状態へとなった。

第10使徒を殲滅し、まだ第11・12使徒を倒していないにも関わらず、インパクトを始める。ゼーレの補完計画は「①全使徒の殲滅」、「②知恵の実の破棄」が前提となっているが、それを無視する形で、インパクトが進む。ガフの扉を開き、シンジの願い=綾波を助け出すを叶える形でインパクトが進む。

その後、エヴァmark.6が降下し、「カシウス=希望」の槍でシンジを貫く。

これでインパクトは終わるが、ガフの扉を開く過程で第3新東京市を吹っ飛ばすため、鈴原の家族などを殺してしまう。

ここまでが【ニアサードインパクト】だ。

【エヴァQで語られなかったサードインパクト】

Qの冒頭で起きると、14年間経っていたシンジくんは「サードインパクト」について、適切な説明を受けていない。視聴者もそうだ。
今回のエヴァQを受けて、「ニアサードインパクト」と「サードインパクト」は別物であり、加地の活躍で止まったものだと説明された。

ニアサードインパクトが以下の条件で行われていた。
「エヴァor使徒」=エヴァ初号機
「覚醒のために捕食した使徒」=第9使徒
「生贄」=第10使徒
「依り代」=碇シンジ
「槍」=無し

それに対応する形と考えると以下の通りであったと推察される。
「エヴァor使徒」=エヴァMark.6
「覚醒のために捕食した使徒」=第11使徒(=降下時には捕食済み)
「生贄」=第2使徒リリス
「依り代」=第12使徒?アヤナミタイプ?
「槍」=2本

「シン・」の中で、エヴァMark.6がリリスの首を切っているシーンがあるため、これが「生贄」だったと思われる。そして、ずっと謎のままの第11の使徒だが、エヴァMark.6を覚醒するために捕食されたのではないかと思わる。ここらへんはかなりぶっ飛んでいるが、エヴァmark.6がアダムスの器でもないことを考えると、使途を捕食し、「覚醒」しない限りインパクトを起こせない、と考えたためこのように結論付けた。

そして、一番の難関は「誰がインパクトを起こした」かだ。

セカンドインパクトは第1使徒「アダムス」が依り代となり、地獄の門を開き、海を生命の住めない現在の穢れなき世界を作った。これは地球を取り戻したい使徒たちが、地球の8割を取り戻したと大勝利と言える。しかし、その代償に、ロンギヌスの槍を4本も「生贄」にしてしまった。

この「サードインパクト」は使徒たちが2本の槍を使い、大地を取り戻そうとした結果であるため、使徒側が依り代となっていると考えられる。そうなると、11番目の使徒か12番目の使徒が依り代と考えらえる。
サードインパクトの時点で、ネブカドネザルの鍵を使用していたゲンドウは既に使徒たちと繋がっており、協力関係にあったのかもしれない。

フォーストインパクトの開始時、ゲンドウの命令を受けたアヤナミ(仮)が首を切断すると、自ら進んで第13号機覚醒の生贄となった。これは協力関係であったことの表れではないか?

ゼーレのシナリオに反して、エヴァ初号機を覚醒に導いたゲンドウ。
エヴァを全機失ったのをきっかけに、エヴァmark.6を自律的に作動させる。「自律型に改造」されていることをカヲルは知らされていなかったのだろう。

「シン・」の中で加地の出撃シーンが、ニアサー直後であったため、これは即時発動されたと考えらえる。
覚醒した自律型のmark.6はゲンドウと結託した使徒と協力関係にあり、mark.6に乗った使徒はカシウスの槍を持って、セントラルドグマに投下する。この「自律型」とはダミープラグを指し、このダミープラグは「アヤナミタイプ」搭載だと推測される。

この自律型mark.6を止めないとインパクトが起きてしまう。全てのエヴァとパイロットを失ったミサトたちはインパクトを止めるために、mark.6の自害するプログラムを発動させるしか選択肢がなかったのだろう。
戦闘機に乗った加地が直接上空のネルフ本部に赴き、作戦を実行することになった。

加地の飛行機がセントラルドグマにあったことから、儀式が始まる前に、ネルフ本部は既に上空まで飛んでいたのだと思われる。「シン・」でもネルフ本部の飛行がコントロールされているため、このように考えた。

加地が付いたとき、セントラルドグマにはリリスに刺さった1本の槍があり、mark.6+使徒は儀式を始める。

Mark.6と使徒がリリスの首を切り生贄として儀式が進行する。覚醒した初号機が生贄の第10使徒を綾波の形にした通り、アヤナミのダミープラグの入ったmakr.6+使徒はリリスを綾波の形に再構成したものと考えられる。
 使徒の願い通り、大地はコア化するためのインパクトが進行していく。この時、リリスが死ぬと同時に最後の切り札として「リリスの結界」を発動したのだと考えられる。
使徒とリリスは敵対関係であるため、元より死亡時に使途を道連れに封印する機能だったのかもしれない。
 ガフの扉が開くもリリスの結界に阻まれるという異常事態の中、加地の作戦は成功し、mark.6はロンギヌスの槍(=絶望の槍)状態で自分を貫き凍結状態になったのではないか。

上記については、加持の特攻シーンが一瞬しか映らないため、3回目を見に行ったあと、時間軸をしっかりと確認して再考したい。


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