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死刑判決の再審裁判の傍聴券配布に並んでみた

まいど、ごりです。

令和5年10月27日金曜日

抜けるような晴天の中
午前8時30分 僕は大道芸ワールドカップの準備が進む駿府城公園の中を歩いていた。
空にはヘリが4機、渦を巻くように翔んでいる。

僕の目的地は静岡地方裁判所
事件名
住居侵入、強盗殺人、現住建造物等放火(再審)被告事件 平成20年(た)第1号
通称袴田事件の再審公判の傍聴券を求めてやってきた。

傍聴券の交付に並ぶのは初めてで50歳前のおじさんがドキドキしている。
初めてが一度死刑判決の出た裁判の再審なので全国的にも注目されていて報道各社がどっさり来ていた。
応援団や一般の傍聴人の数の数倍である。
一般の人が傍聴できる機会が失われるので、報道陣だけ別室でZoomで良いんじゃないのかい?裁判所の横に出来た100人以上の列に並んでみても周りは報道ばかりで居心地が悪い。
行列は粛々と進んで行き、裁判所の正面玄関横で黄色いリストバンドを右手首に巻いてもらった。僕のリストバンドの番号は5175、傍聴席の数は30前後なので当然当たらない方が確率が高い。
リストバンドの交付は8時30分から9時まで。抽選発表は9時30分。発表は公園内への掲示とweb上で発表される。それまで、公園内の待機場所と書かれた付近でこれまた報道陣に周囲を固められながら待っていることにした。

9時25分頃、裁判所の職員が来て「9時45分に発表します!」と連呼して去っていった。忙しそうだ。僕は待ちながらnoteを書いている。

発表時間が近づくにつれ掲示場所に少しずつ人が集まっていく様子が面白い。餅まきと同じだと思った。

45分になった。
わーとかキャーとか歓声でも上がるかと思っていたがそこまでではなかった。思っていたよりも静かなものだった。

結果はハズレ。うーん残念。

2番違いで当たってる人がいるので悔しさも2割増しだ。

すぐに、応援団が周囲に声をかけている。
「弁護団の応援をするので抽選に外れた方は集まってくださ〜い!」
なるほど、そういうのも有るのか。
僕はせっかくなのでそれを見物していくことにした。

裁判所前で待っていると渋滞中の車からおじさんに声を掛けられた。
「これって一体なんの集まり?」
「例の裁判ですよ。」
「袴田?」
「そうそう。」
「こんなに渋滞しちゃって何だかと思ったっけ。ありがとうね。」
そう言っておじさんは笑顔で去っていった。
再審渋滞
なかなかあるものではない。渋滞にかかった人もきっと他の人に話すに違いない。

時刻は10時30分
弁護団の入場がはじまった。
どの立場の人か知らないが、車道に入って写真を撮る人がいる。なんだかなぁ。

拍手の中、弁護団と代理人のお姉さんが裁判所に入っていった。

傍聴券の抽選にハズレた僕は帰ることにした。ちなみに今日の他の裁判は民事が3件。それもすべて判決言い渡しだという。今回パスさせてもらうことにした。

帰る際、また駿府城公園を通って帰ることにしたのだが、応援団の方々が今日の予定を話していた。遠方から駆け付けた方も多くいるようだ。気合いが凄い。
そんな方々を横目に見ながら駅に向かって歩を進める。すれ違う人の多くは傍聴券を求めて並んだ人達だ。応援団以外にこの再審裁判に興味を持って来た人はどの様な思いで今日ここに集まったのだろう。

僕は傍聴券の抽選に参加したことがない。なので、傍聴券をもらうために裁判所に行った。それがたまたまこの裁判だったというのが理由だ。

この裁判だからという特別な思いは無い。
特に理由などない。そんな人でもどんな裁判でも傍聴する権利がある。今後も裁判を見続けて行きたい。


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