忙しい日々に元気をくれた本3選
この夏はとっても忙しく、やっと一段落がついた。
自分と向き合う時間がとれず、noteを書きたいと思いながら1日ずつ過ぎ去っていった。
これ書きたい、あれも書きたいと頭の中ではあるのだけど、書かずに過ごすと、モヤモヤの塊が溜まっていく。
書いたほうがいいと思いながらも書ける元気がないという状態だった。
そんななかでも読書の時間は必ずとろうと決めていた。
私は読書というものは、読むことを通して自分と向き合える時間だと思っている。
そのため、読書した日と、そうでない日はやっぱり満足度が全然違う。
今ようやく一段落ついたのでこれからの目標として、
noteの更新頻度をあげていくことを考えている。
そのために少し早起きして珈琲を飲みながら優雅に執筆活動を、と思うのだけど…まだ行動に移せていない。
まずは1日5分でもその時間を作っていこうと思う。
というわけで、リハビリ読書感想文が今回のテーマ。
忙しかったなかでも読んでてクスッとしたり、感情を揺すぶられたり、元気をもらった本を3冊紹介したい。
1.匿名交差/降田天先生
私が、ホームページを初めて作ったのは、小4くらいのころ。
本名も顔も知らない人と交流しだしたのは、小6からだったと思う。
自作のホームページで、絵や小説をアップし同じ趣味の人と交流することは、あまり学校に馴染めない私にとっては、第3の居場所になっていた。
今のSNS社会は、より手軽に人と交流できるようになった反面、マイナスなやり取りも増えていってるように思う。
今までは同じ趣味の人達と小さな村をつくり、ある程度クローズされたなかでワイワイ楽しんでいた印象だが、
今はその村に突然高速道路が開通し、気軽に観光客が訪れるようになった感覚だ。
SNSがそれぞれの村だとすると、自分の村でポイ捨てが多くなって気分を害することが増えたかもしれないし、もしかしたら自分もよその村で花を踏み潰して歩いてしまっているのかもしれない。
楓にとってソラパパのブログに批判コメントを残すことは、よその村で勝手に草むしりをしたようなことだろう。
楓にとっては正義心ゆえの行動でも、雑草だと思っていたものがその村では高級な薬草だったのかもしれない。
善意と悪意が混ざり合って、ドロドロしたものが生まれてしまった。
この本の面白さは、そんな匿名世界が現実の世界とリンクしたときに起こる衝撃が大きいところだ。
楓と、ソラパパこと棚島のそれぞれの視点で話が進んでいくのだけど、それが現実で合わさったとき…
私なりに伏線を考えながら読み進めていったが、それを上回る事実が判明して、ゾクゾクしながら読んだ。
これから読む人は、Sのイヤリングの意味を考えながら読んでみてほしい。
降田天先生の、『女王はかえらない』という作品も以前読んでいて、それもすごく面白かったけど、伏線回収でいえば『匿名交差』の方が好みだった。
文庫本では、『彼女はもどらない』という題名に変わってるそうなのでご注意を。
◯◯◯
2.オーラの発表会/綿矢りさ先生
自分の食べた昼食を、息から当てられたら、当てた人と仲良くできますか?
できると思って、当てて会話を広げようとしているのが、この本の主人公です。
タイトルである『オーラの発表会』
どういう意味だろう?と気になり手を取った。
SF寄りの本なのかな?と思っていたけど、大学1年生の春から冬にかけての日常を描いた本だった。
最後の方にタイトルが回収されるが、その頃には海松子のことが好きになっていることだろう。
周囲から変人といわれる主人公の本は、個性を出そうと無理がありそうなキャラクターが多いけど、この本の主人公である海松子はわざとらしくない変人の所が良かった。
言動はかなり変だ。
だけど本当に考えた結果、こういう行動したんだなってなり、なんだか応援したくなるような子なのだ。
夏休み中に友達と島へ旅行にいった話がとても良かったので、夏の間に読むことをオススメする。
そしてこの本を読み終わったあなたは、きっと凧揚げがしたくなることだろう。
どういうこと?って思った方は、ぜひページをめくってみてほしい!
◯◯◯
3.君のクイズ/小川哲先生
SNSで話題になっていたので気になっていた一冊。
生放送のクイズ大会で、決勝戦に出場した主人公。
あと一問で勝負が決まる局面。
この流れだったら絶対勝てると思った瞬間、
対決相手が、まだ一文字も問題が読まれないうちに回答し、それが正解だったため、優勝したのだった。
やらせか、奇跡かで世間で意見がわかれるなか、主人公はひとりで真相解明に挑む…というストーリーだ。
クイズ番組をあまり見たことないけど、クイズ番組あるある、例えば問題が最後まで読まれてないのに解答できるのは何故かなどの解説もあり、見てみたいなぁって気持ちになった。
この話の良かったところは、単なるヤラセの追求ではなく、価値観や信念を深掘りしていくところだ。
主人公が真相を解明していくうちに、自分がクイズ大会に出場し続ける本質に辿り着くところが、プロとしての矜持があり、とても良かった。
自分もひとつのことに挑戦したいと思える本だった。
◯◯◯
電子書籍が普及してるが、それでも私は紙の本が好きだ。
自分のペースで進めることができ、栞を挟みパタンと閉じることで思考を切り替えられるところが良い。
疲れた日々に一区切りつけられる読書。
ほんの5分の読書でも、元気がもらえることを知った。
これからはもう少し自分と向き合えるように生きていきたい。
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