見出し画像

なぜ戦術くんは嫌われてしまうのか ~『日本人と○○人』第二部~

はーいGorikongです!
反響が思った以上にあって驚いております。

続きをという声もわっきーさんから直々にいただいたので早速書きましょう!

今回は「B. ゲームモデルの受容について」です!なぜ戦術くんは嫌われてしまうのかについて、ちょっとした考察をしたいと思います。

第一部の「A. 日本の近代化と洋務運動の失敗の話」では比較するには指標として「ファンダメンタルズ」というようなものが必要かなと書きました。それとも関連する話になります!

では、始めます!

1 ゲームモデルという言葉

ゲームモデルという言葉の定義について、みなさん苦労されているようです。それは再現性があるものなのかとか、概念だけのもんじゃないのか、そんなの役に立つのかとか、様々な批判があるようです。

なんでこんなに受け入れられないのか、少し考えて見ました。

●言葉に問題がある?

ゲーム

勝負事。遊び。

競技。試合。

コンピュータ ゲーム。

Oxford Languagesの定義

モデル

1. 型。模型。

2. 手本。模範。

Oxford Languagesの定義

相性悪い組み合わせですよね。日本語でゲームと言うと遊びのニュアンスが強いし、モデルは手本。

遊びの手本といわれると、お説教されてるみたいで、カチンと来るのもわかります。

●モデルの中身に問題がある?

だいたいモデルになるのはバルサやシティといった超有名どころ。進んでいるのがその地域だから仕方ないでしょという声も聞こえますが、やっぱり海外のものを押し付けられてるという印象を持つ人がいても不思議ではないですよね。

ゲームモデルが受け入れられにくいのは、この辺りに原因があるような気がします。

バルサ風サッカーやシティ流サッカーなんてネーミングならここまで嫌われない。モデルと言うとどうしても規範意識が強くなる。「サッカーはかくあるべし」という話をされると、やはり素直には聞き入れられないですよね。

2 啓蒙主義と日本サッカー

で、歴史の話に戻ると、似たような話が過去にもありましたよね。

18世紀のヨーロッパで啓蒙主義と呼ばれる思想運動が起こりました。

啓蒙主義は、ざっくり言うと「中世的な思想、慣習を打ち破り近代的・合理的な知識体系を打ち立てようとした運動のこと」を指します。

リベラルアーツガイドより

啓蒙主義はキリスト教の影響力が弱まった西欧社会の改革を推し進める原動力になった一方で、後に大きな批判も受けることになりました


社会は野蛮・未開な社会から文明化した社会へ進歩してきた

「野蛮」「無知」「貧困」などは文明化によって克服されなければならない


リベラルアーツガイドより

という思想でもあったからです。

啓蒙と言う言葉自体が「enlightenment(光を当てる)」という意味を含んでおり、そこには無知な人々を指導するエリートの姿がもろに見えるような主張でもありました。

これはすごく今の日本サッカーといわゆる戦術くんの状況に似ていませんか?

科学ベース
合理主義
過去の否定

ちなみに啓蒙主義はフランス革命なんかにも繋がると言われており、この辺りはわっきー先生に解説していただきたいと思います。

啓蒙主義にも色々あって、サッカーに置き換えるとこんな感じかなと思います。ドイツはどこかな?

名古屋グランパス(フランス)・・・風間八宏による革命の前提となる反体制に繋がる急進的な技術指導

東京ヴェルディ(スコットランド)・・・ロティーナらによる、体制の中で漸進的に改革を求める戦術トレーニング

さらにちなみにを言うと啓蒙主義はこのあとヒュームとか出てきて道徳の話になるのですが、日本サッカーなら人間力の話になるのでしょうか。山本昌邦さんの復権はあるのか。(脱線しすぎですね。すいません。)

でも、ちょっと待てよ?第一部でお前、文化とか思想とかで改革測るのは難しいとか言ってたよな?矛盾してね?と思ったあなた。素晴らしい!すごくいいセンス持ってます!

啓蒙主義が社会に影響を与える前提(ファンダメンタルズ)もありますよね。
キリスト教の衰退、知識人の台頭、フランスのサロン、カフェの流行等があったからこそ、思想運動が影響力を持ち得たと言えるでしょう。

ゲームモデルの受容の話に立ち返ると、やはりファンダメンタルズが揃えば、ゲームモデルも急速に普及するかもしれません。

じゃあファンダメンタルズってどうやって探るのという話になりますよね。

3 日本人と●●人

若い方は御存知ないでしょうが、昔、流行ったのが日本人と●●人の書籍。もとは日本人がユダヤ人を騙って書いた「日本人とユダヤ人」という本がバカ売れしたのもあって、ずっとこの手の比較話は続いて来ました。「ここが変だよ日本人」はこれのテレビ版かな?

日本の変なところを指摘されて喜ぶという構図なのですが、新しい見方、インサイトを得るにはすごくいいものだと思います。

今朝、トムバイヤーさんが日本の女子サッカーについて語って海外の人から反撃されて軽く炎上してましたが、違う視点で話をしてもらうと新しい発見はありますよね。ここが変だというのでなく、違う部分を指摘してもらうことが大事だなと思います。

浦和退任時にフィンク監督が語ったことなんて、日本のサッカーの構造をよくつかんでいますよね。

なので、今、一番望むべきは、ロティーナやロドリゲスといった監督に、何がスペインと違うのかをハッキリと語ってもらうことなんじゃないかなと思います。その上でスペインと比較する。そうすれば視点が二つ出来るので、ファンダメンタルズのようなものが浮かび上がってくるのではないかなと思います。

端的に言うと、戦術くんに足りないのは、そのゲームモデルがいかに生まれたのか、何に支えられているのかを明らかにすることが必要なんじゃないかなと思います。

そしてそれにはロドリゲスさんやロティーナの率直な語りが必要な気がします。岩尾さんのコメントなんかもあったみたいだから、選手側からの話も出るとより効果的かもしれません。

その浮かび上がったファンダメンタルズをしっかりとまとめ、環境整備からトレーニングまで含めて行うことが、Japan'swayを探る上でも大事だなと思います。

以上、戦術ゴリラくんからのレポートでした。

足りないところは、わっきー先生よろしくお願いいたします!バイバイ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?