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流氷に出会う

冬の北海道。オホーツク地方。

マイナス20度まで下がる極寒の地。

関西から移住して初めての冬。

毎日ワクワクして今日はどんな日になるんだろうって思ってた。

真っ青な空とキラキラの雪。白樺から差し込む朝日は最高だった。

家の近くには森と公園があってキツネやリスやいろんな鳥たちに出会えた。

寒くってもストーブの温もりは心まで温かくなる。

そんな毎日もすっかり日常と化し旅に出たくなった。

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冬の北海道。関西とは違って雪道を運転するのが本当に怖い。

だから思いついたからすぐにドライブっていうわけには行かない。

道の雪が少なくなった2月のある日。思い切って流氷を見に出掛けてみた。

短い人生、未知の土地で暮らしてみたい。

どんな景色に出会うんだろう!どんな人に出会うんだろう!

そう思って私は一人ここに引っ越してきた。

北の最果てで流氷を見てわたしは何を思うんだろう!

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1時間半かかって網走へ。そうオホーツク海!

ところが海が青い。流氷は?

流氷船の乗り場で尋ねてみる。今日は流氷は?

なんと流氷は遥か彼方。最近の南風で沖へ沖へと流されて影も形もない。

船に乗っても流氷までたどり着けないのだそう。

自然は私の都合には合わせてくれない。待ってはくれない。

また来年おいで!そう言って海は群青色に輝く。

道の雪がなくなったってことは流氷も遠ざかるってこと!知らなかったの?って。

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濤沸湖まで足を伸ばす。白鳥がたくさん越冬する湖。

白鳥を観察し守っている目のキラキラした女性。

人間に頼った白鳥はすぐに楽を覚えてしまう。

白鳥もこの地球で役割を持っている。

勝手にそれを無視してしまってはいけない。

ただ可愛がるだけでは結果的に壮大な大自然の営みを壊してしまう。

ああこの素晴らしい地球が永遠に続いてほしい。

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流氷には出会えなかったけど、旅ってそんなものだと思う。

追いかけると追いつけなくて、思いも寄らない出会いは私を待ってくれている。

降りしきる雪の中で走るキツネ。

猛烈社員っていう題名をその写真につけてみた。

一生懸命生きているってなんて愛おしいんだろうか。

そして旅は思い出させてくれる。

人生は短いようで長いんだよ。ゆっくり楽しく生きてねって。

人生思い通りにならないから、毎日のドキドキを大切にね。

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あんまり斜里岳が綺麗に見えたから

回り道。日が暮れて道路が凍っちゃう前に帰らなきゃいけないけど。

斜里岳がまるで浮かんでいるように見える道がある。

その帰り小さなソーセージ屋さんを見つける。

ソーセージ作りは楽しいですか?

いやあそうでもないけど、皆さんとこうやって出会って話せるのは楽しいですよ。

東京にいた時はね、僕一人がいなくなっても何も変わらないような。

そんな気持ちだったんですよ。

今はなんとか暮らしていけるくらい軌道に乗りました。

あーわたしも頑張ろ!おじさんの笑顔を見て力が湧いてきた。

そしてこの文章を書いている。

わたしは書くのが大好きだった!

夢をあきらめないぞ!って。

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