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沼津に「球技ができる場所」が増えない理由

2022年7月5日、沼津市都市計画部 公園緑地課と打ち合わせの機会をいただきました。
打ち合わせの目的としては、『現在の制度の範囲内で、既存公園に「球技・ボール遊び」ができる場所を作ることができるか』を確認するためです。
これまで私たちグーニードッグスは、公園調査プロジェクトを立ち上げ、沼津市内で「球技・ボール遊び」が可能な公園の調査をおこなっています。
その状況から沼津市の既存の公園では、子ども達がのびのびと「球技・ボール遊び」を行うには、環境の改善が必要であると考えています。(公園調査プロジェクトのレポート近日公開予定です。)
そのため、まずは既存公園で、そのような改善が図れるかを確認する必要がありました。

打ち合わせの結果からお伝えすると、現行の制度内での短期間での改修はかなり厳しい(可能性が低い)という状況です。
理由は後程お伝えしますが、まずは私たちが考える「球技・ボール遊び」ができる公園の理想イメージをお伝えしたいと思います。

理想的な「球技・ボール遊び」ができる公園

まずは、こちらの公園をご覧ください。

長泉町 御嶽堂公園
藤枝市 内谷三輪公園
※残念ながらプレイコートはマナー悪化のため使用禁止

これらの公園は、公園内に自由にバスケットボールができる区画が整備されています。
このような設備がある公園が私たちのイメージするものに近いと思います。具体的なポイントを挙げると…

①球技(試合形式)ができる程度の、一定の広さのエリアがある
②球技・ボール遊びができるエリアが公園内で明確になっていて、他の利用者の迷惑になることがない
 理想的なのは、該当区画がフェンスや防球ネットで分かれている状態。
③ボールが公園外に飛び出すことがない
 ボール遊びエリアにフェンスや防球ネットがない場合は、公園の周囲にボールが飛び出さないよう、十分な高さのフェンスや防球ネットがその周囲に整備されている。

という点となるかと思います。
このような設備があれば、公園の他の利用者や、公園外へのボール飛出しを気にすることなく、のびのびと「球技・ボール遊び」ができるようになるものと考えています。
現状の沼津市の公園は、このような条件をクリアしているものがほとんどないため、「球技やそれに近い激しいボール遊び」を行うには、おおよそ1500㎡以上の広大な広場が確保されていなければ、他の利用者にボールがぶつかったり、公園外にボールが飛び出したりする可能性が高まると考えています。

例)東沖公園

パークマネジメント協定による既存公園の仕様変更の可能性

沼津市では2018年に「パークマネジメントプラン」という、公園の利活用に関する計画を打ち出しています。
この中で、沼津市が公園の維持管理・運営管理を主体的に行う団体と「パークマネジメント協定」を結ぶことにより、地域のニーズや課題に合わせた柔軟な維持管理や運営管理が自由にできるようにする体制づくりを行うものとしています。
今回の打ち合わせでは、私たちグーニードッグスが、この協定を結ぶことによって、既存の公園に上記したような設備を設置することが可能であるかを確認しました。

公園緑地課の担当者の方によると、公園を管理する団体として登録を行ったうえで

①計画の作成
 単純な設備の設置だけでなく、定期的なイベントの開催など、公園の活用を促進する計画を立てる
②自治会・公園愛護会との協議
 作成した計画を自治会・公園愛護会と協議したうえで計画を推進する

という手続きを踏むことによって、実現できる可能性はあるとのことでした。
(これは、現行制度の「設置管理許可」による事業を想定したものと思われます。)

ただし、この手法をもとに上記したような設備を設置することはいくつかの懸念点もあるというアドバイスをいただきました。

実現には数年程度の時間がかかる可能性が高い

計画を作ったうえで、自治会や公園愛護会との協議を行いながら計画を進めることもあり、1~2年という短い期間で実現することは難しいとのことでした。
また、これまでの公園の利用方法と大きく異なる利用方法となることは、反対意見も出やすいだろうとのことでした。
計画を作ったとしても、自治会や公園愛護会の了承を得ることができなければ、その時点で計画はストップしてしまいます。
現実的には、既存の公園を改修するよりも、新規に公園を建設する際に設備を整える方が、やりやすいということでした。

当該設備は公園の定義からはずれるのではないか

沼津市の管理している公園はボール遊び自体を禁止している公園は少なく(ゼロではない)、自由利用の範囲(他の利用者の迷惑にならない範囲)ではボール遊びは許可されています。
しかし、上記した通り、既存の公園の設備では、球技などの激しいボール遊びを行うことは現実的に難しい状況があります。
このような場合、沼津市では市のスポーツ施設等を利用してもらう形になるとのことで、上記の設備も公園という定義から外れる可能性があるとのことでした。

沼津市のスポーツ施設に関する調査は今後行っていく予定ですが、公園のように子ども達が放課後や休日に自由に使用することができるようになっている施設は少ないのではないかと考えています。
現在、私たちが実施中のアンケートでも、沼津市内で球技ができる場所は少ないと感じている回答がかなりの割合を占めています。(こちらも改めて報告します。)
「公園」とするのか「スポーツ施設」とするのかで沼津市の担当課も変わるとのことなので、今後検討していきたいと思っています。

今後について

今回の打ち合わせで、現在の制度の範囲内で、既存公園に「球技・ボール遊び」ができる場所を作ることは、かなりハードルが高いということがわかりました。
「安全で、のびのびとボール遊びができる場所を作る」というミッションをクリアするための方策として、既存の公園の回収は選択肢の一つであることは間違いありませんが、より実現性の高い方策の検討を続けていきます。
なお、公園調査プロジェクトのレポートやアンケートの結果は、今後の公園づくりの参考としていただくため、沼津市公園緑地課にも提出したいと考えています。
これら進捗は、グーニードッグスの活動ブログで報告していきますので、是非、応援をよろしくお願いいたします。

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参考資料
沼津市パークマネジメントプラン
沼津市民間活力を生かした公園アクションプラン

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