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今年こそ英語学習。生成 AI を最高の学習パートナーにしよう

こんにちは。Google の AI「Gemini(ジェミニ)」の公式 note 編集部です。

最近、海外のニュースや動画をチェックしたり、仕事で英語を使ったり、旅行先で現地の人と話したりと、「英語を使いたい!」と思うシーンが増えていませんか?

でも、「先生に習うのは時間やお金がかかるし、緊張する…」「始めようと思っているけど、何かと面倒…」などの理由で、英語学習を諦めてはいませんか?

そこで注目したいのが生成 AI です。この1年で急速に進化してきた生成 AI を使うことで、もっと効率的/効果的に英語を学べるようになるかもしれません。

今回は、英語の習得をスピードアップできるような英語学習法を研究・発信している Kumiko さんに、Gemini のアドバイザー・けんすうさんとの対談を通じて、「Gemini ×英語学習」の可能性を 4 回に分けて、たっぷり教えてもらいます。

※ Gemini の回答は常に正しいとは限りません。実際に Gemini を使用した際の回答結果については、ご自身で正確性をご確認いただきますようお願いいたします。


英語学習を続けるためには「楽しむこと」が一番

けんすう:Kumiko さんが英語指導に生成 AI を使いはじめたのはいつ頃からですか?

Kumiko:2023年のはじめ頃からですね。いつも、英語は独学すべきだと発信しているのですが、生成 AI は非常に相性がいいと思っています。

けんすう:生成 AI 以前から多くの生徒さんに英語を教えてこられたと思うのですが、多くの人がつまずくポイントってどこになるのでしょうか?

Kumiko:一番は「続ける」というところですね。続けさえすれば、英語は確実に身につくので、いかに継続して学習できるかがポイントになります。

けんすう:なるほどー。僕も過去何度か、英語の勉強に挑戦しているのですが、大きく 3 つの課題を感じています。まず、独学だといくらでもサボれてしまうこと。とはいえ、英会話学校に通うとお金がかかるし、週一くらいの通学だとなかなかスキルの進歩が見られないこと。それから、外国籍の先生としっかり話せていないのが恥ずかしいこと。この辺の課題が解決するものでしょうか?

Kumiko:解決できると思います。特に生成 AI を使って「カスタマイズできる」のが、非常に大きいと思っています。

Gemini を活用することで、より実践的になる「瞬間英作文」

けんすう:「今日から英語学習をスタートさせる」という人は、何からはじめればいいですか?

Kumiko:たとえば「瞬間英作文」という方法があります。ランダムに出てくる日本語の文章を瞬間的に英語に訳していくというものです。既存のテキストだと自分に合わないシチュエーションが出題されたり、教科書っぽい英語表現になったりと、色々と課題が出てきてしまいますが、生成 AI を使えば、より自分が求めているものに寄せた内容で練習できるようになります。

けんすう:たしかに、テキストだとたとえば「私の兄は野球をします」って出てきても、お兄さんもいなければ野球にも興味がない場合は、使いどころが全然ないですよね…。

Kumiko:まずはこんな感じで、英訳していく日本語の文を出していってほしい旨をプロンプトとして入力します。この時、学習者の属性情報や英語学習初心者である旨、瞬間英作文を作りたいこと、間違っていたら訂正してほしい旨なども盛り込みましょう。

プロンプト例

英語学習初心者です。瞬間英作文の練習をしたいので、日本語の文章を1つずつランダムに出題してください。それを私が英語に訳していきます。間違いがあれば、訂正してください。私が答えてから、次の日本語を出してください。できるだけ、下記の私の属性を参考にして、私が日常で使いそうな文章が練習できるようにしてください。30代男性、会社員(住宅メーカー営業職)東京在住。妻と二人の娘と4人暮らし。趣味:ゴルフ、車、スポーツ観戦

Kumiko:早速 1 問目が出題されましたね。「今日は娘の誕生日なので、ケーキを買って帰ります。」を英語で入力してみましょう。

けんすう:「Today is my daughter’s birthday, so I'm going to buy a cake and take it home.」ですかね。

Kumiko:こんな感じで、問題ない場合はシンプルに褒めてくれて、次の問題を出してくれます。続いては「新しい家の間取りを見せてください。」ですね。いかがですか?

けんすう:間取り…。間取りをどう表現するかですが、「Please show me the plan of a new house.」ですかね。

Kumiko:ほぼ完璧ですが、間取りは「floor map」の方が正確だ、とアドバイスが返ってきましたね。このように最初のプロンプトで指示した通り、微妙な表現の違いでもしっかりと指摘してくれます。また、特定の文法に特化して学習したい場合は、同様にその旨をプロンプトに盛り込むことで Gemini が対応してくれます。

けんすう:これは実践的でいいですね!

「フラッシュカード」も、Google スプレッドシート連携で簡単に作成

けんすう:さっきの「間取り」みたいに、単語が思い浮かばないパターンが多いと思うのですが、これについてはどうすればいいでしょうか?

Kumiko:単語の場合、生成 AI  で作るフラッシュカードが有効です。たとえば今回は、私の著書『分野別×言い換え力 スピーキング攻略 IELTS英単語』(明日香出版社)の巻末にある索引を使おうと思います。まずはこの索引部分をスマホで撮影し、このようなプロンプトに添付して実行してみます。

プロンプト例

この画像から単語リストを表形式で作ってください。単語、意味、例文、例文の日本語訳をお願いします

添付写真の例

Kumiko:するとこんな感じで、すごくキレイに単語の一覧表を作ってくれます。

Geminiからの回答

Kumiko:一覧表の最後に「Google スプレッドシートにエクスポート」というリンクがあるので、そこをクリックすると、自動で表の内容を反映したGoogle スプレッドシートを作成してくれます。

Kumiko:このデータを、たとえばいろんな単語アプリの形式に合わせて編集してもらい、そのデータをアプリに流し込んでいただくことで、ものの数分でフラッシュカードを作ることができます。

けんすう:このスプレッドシートへのエクスポートがいいですよね。ちなみに私がよくやるのが、生成 AI を使って自分の書いたブログを英語にしてもらうということです。英単語帳に掲載されている単語って、自分にとってはさほど重要でないものも多いじゃないですか。自分のブログだったら自分が興味のあるテーマなので、覚えやすいしモチベーションも高まると思うんですよね。たとえば自分のブログを英文に翻訳したものを Gemini に貼り付けて、「この中から重要な単語を抜き出して表形式にまとめて」といった感じで出してもらい、それを覚えてから改めて英文を読む。そうすると、より理解度が深まっていると感じます。

Kumiko:いいですね。

けんすう:学習が続かない一番の理由って、嫌になっちゃうことじゃないですか。では嫌になる理由って何かって言うと、自分の場合は「分からないこと」なので、分からないことをつぶしてから取り組むのがいいと思うんです。とはいえ、先生に頼んでやってもらうとなると、お金がかかりますよね。でもこのように生成 AI を使うと、自分の好きな文章を拾ってきて活用できるので、お金をかけずにピンポイントでできるのがいいなと感じます。

Gemini Live を使って英会話の「ロールプレイ」も実践してみよう

Kumiko:もう一個、Gemini Live という音声での会話機能を使った方法もあります。

けんすう:どんどん出てきますね!

Kumiko:日本人の英語学習者で多いお悩みは、何を喋っていいのか分からない、というものです。今回は、私がカナダにいた時に多くいただいていたお悩みである、カフェでコーヒーを注文するときの会話例について、Gemini Live を使ったロールプレイを実践してみたいと思います。

けんすう:ロールプレイ、いいですね。

Kumiko:はじめる前に、Gemini がきちんと英語で対応してくれるように、スマホの第二言語設定を英語にしておきます。たまに「英語でお願い」と Gemini に伝えても日本語で返してくることがあるので(笑)
※Android の言語設定についてはこちら、iOS の言語設定についてはこちらを、それぞれご確認ください

けんすう:まだ、そういう時ありますよね(笑)

Kumiko:言語設定ができたら、まずは実際のロールプレイをはじめる前に、会話の正解例をGemini に見せてもらいましょう。こんなプロンプトでシチュエーションを指定した上で、会話例を教えてもらおうと思います。

プロンプト例

英語圏のカフェで英語でコーヒーを注文する練習をしたいので、一般的な会話例を教えてください

Gemini からの回答

Kumiko:ここである程度予習をしていただいた上で、Gemini Live を起動し、今度はロールプレイの依頼をします。

喋りでのプロンプト例

英語圏のカフェで英語でコーヒーを注文する練習をしたいので、ロールプレイをしたいです。あなたが店員で、私がお客さんです。英語でお願いします

Kumiko:これで、ちゃんと英語でのロールプレイを進めてくれます。

Gemini Live でのやりとり例

Gemini:Sounds like a fun idea. I'm happy to be your server for this roleplay. Let's get started. What can I get for you?

Kumiko:Hi there. Can I get a tall Americano, please?

Gemini:Tall Americano, coming right up. Would you like that black? Or with cream and sugar?

Kumiko:No, just the black is perfect.

Gemini:Just black? Got it. One tall Americano, coming right up.

けんすう:いくらやっても怒らないところが、いいですよね。あと、恥ずかしくないのとか、人の時間を取らなくていいのとかも、気持ち的にすごく楽ですね。

Kumiko:今回はカフェでのやりとり例でしたが、他にも入国審査のやりとりとか、ホテルでのチェックインの仕方など、観光するときのシチュエーションでも重宝すると思います。そこからさらに、「この中から重要な単語を抜き出して表形式にまとめて」とプロンプトを入力して、単語帳に追加する形でもいいですね。

けんすう:一般的な教材だと、瞬間英作文用と単語を覚える用と英会話用とで教材が変わってきますが、Gemini だと同じ画面上で一気に学べる点がいいですよね!

Kumiko:本当に、自分だけの最高の「英語学習パートナー」が無料で手に入る時代ということで、色々な可能性が広がっていると思います。

けんすう:英語学習の可能性が一気に広がってきたと感じます。ありがとうございました!

Gemini Liveについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。


Gemini を活用した英語学習法、いかがですか? どれもハードル低く始めることができるのではないでしょうか。一人でも多くの、英語学習に課題を感じている方に届くといいなと思います。

けんすうさんと Kumiko さんの対談は、まだまだつづきます! 次回は、Kumiko さんが重視する「英語の多聴(たくさんの英語を聴くこと)」を効率よく実践するための生成 AI 活用について、教えていただきます。
楽しみにしていただけるとうれしいです。

けんすうさん × Kumiko さん対談シリーズ

対談者プロフィール

Kumiko
カナダで語学学校を 10 年経営し、IELTS 対策をはじめ、TOEIC、英文法、ビジネス英語、翻訳、通訳、英会話などさまざまなコースで指導。オリジナル教材やカリキュラム作りも数多くこなし、延べ 50 人以上のネイティブ講師やバイリンガル講師へ指導法のトレーニングを行う。著書に『分野別×言い換え力 スピーキング攻略 IELTS 英単語』(明日香出版社)、『独学で英語を話せるようになった人がやっていること』(リチェンジ)がある。

けんすう(古川健介)
アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006 年株式会社リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009 年に株式会社ロケットスタート(のちの株式会社 nanapi)を創業。2014年に KDDI グループにジョインし、Supership 株式会社取締役に就任。2018 年から現職。会員制ビジネスメディア「アル開発室」において、ほぼ毎日記事を投稿中。