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新型Sクラスで、クルマと人のインタラクションに関して、メルセデスが二歩ぐらい先を行ってしまったかも

このnoteについて

新型Sクラスに関して、ドイツでは先日、プレスや関係者向け試乗会があったようです。

新型は、ADASや安全機能、リアステアリングや電動化その他、機能面でも大きく進化したようですが、私はクルマと人のインタラクションに関しても、かなり大きく進化したように思います。

メルセデスは数年前からMBUXでボイスUIを搭載しています。新型Sクラスでは、単にボイスコントロールやジェスチャーコントロールというだけではなく、さらに進化したクルマと人とのインターフェイスを、いかにも自然な形で表示や操作に統合してみせてくれています。

もしかしたら、その自然な統合のされかたによって、機能は言われないと気づかないかもしれないレベルに達しているかも知れません。しかしそれは、おそらく一度体験してしまうと、他のクルマに乗り換えたときに「なくて気持ち悪い」となってしまうポイントになり得ていると思います。メルセデスは昔から、そういう形で自動車のパフォーマンスと安全性を進化させてきました。彼らはこれからも、先を行くんだなと、今回確信しました。

そんなポイントをピックアップしたいと思います。

ポイント1 ARヘッドアップディスプレイ

フロントスクリーンに速度や方向指示を映写するHUDは、他メーカーも実現していますが、メルセデスは現実にオーバーレイする3D表現で進化させてきました。

曲がる指示がぐにゃぐにゃと3Dで動く

https://www.youtube.com/watch?v=6e9XatCO_awから該当箇所をGIFにさせて頂いています)

ただ単に方向を指示する矢印の表示ではなく、現実の背景と連動して、動きのある矢印が3D空間に浮かぶような表現になっています。
これによって、 曲がるポイントがどこなのか?を、ナビに視線を落とすこともなく、より正確に把握することができます。

また、ポイントに近づくとスッと先に表示が行ってくれるので、近づいているのだなと把握することができます。
いかにも自然ですが、これは素晴らしいインタラクションだと思いました。

追従する前のクルマが視界に見えなくても「把握」していることを示す

https://www.youtube.com/watch?v=D0shLNNkQ58 から該当箇所をGIFにさせて頂いています)

雨でよく先が見えませんが、車自体は前のクルマを把握していて、バンパーレベルを指し示してくれています。追従クルーズコントロールが正しく機能していることを受け取れるインタラクションになっていると思います。この状況下では、人がコントロールするよりも、クルマに任せたほうが安全、と言えそうです。

視界の先の状況を「把握」していることを示す

https://www.youtube.com/watch?v=EvxmfqvOIw0 から該当箇所をGIFにさせて頂いています)

こちらはトラックが視界を防いでいますが、各種センサーとカメラがさきが空いていることを読み取っていて、いまなら行けますよと、自然に指示してくれています。
初めて見た人も、行けるということが疑いなしに受け取れるインタラクションになっていると思います。

ここからウインカーにタッチすれば、あとは全部クルマが操作してくれるのは、すでに世界でたくさんのメーカーが実装してはいますが、逆にいうと、これぐらい把握してくれていないと、怖くて指示は出せませんよね。

ポイント2 アンビエントライトが教えてくれる

新型は、車内全周にわたって、アンビエントライトが点灯しています。16ビットの階調で色を変化させたり、MBUXが反応するときに、Siriみたいに色が変わったりしています。

このアンビエントライトがムードを作るだけでなく、安全面でも活用されています。

https://www.youtube.com/watch?v=D0shLNNkQ58 から該当箇所をGIFにさせて頂いています)

死角にクルマがいて車線変更しようとしたとき、アシストがミラーで光るのではなく、車内でターンする側のアンビエントライトが反応してくれています。他の動画では、開けようとしたドアの後ろ側から自転車が来たときに、アンビエントライトが反応するとともに、ドアにトルクをかけて開かないようにしていました。
この動画だけでも、運転しているときの安心感、包まれ感を想像できます。まるで、クルマが生きていて反応してくれているようです。

ポイント3 視線を送ってミラーを調整

左右のミラーを調整するときに、いままでは L/R のツマミを操作していましたが、見ている方向のミラーが動くようになりました。いかにも自然ですが、これはめちゃくちゃ優れた方法!

https://www.youtube.com/watch?v=EFoXFeasj0Y から該当箇所をGIFにさせて頂いています)

他にも、手を天井に向けるとサンルーフが開閉するなど、人の行動をモニタリングしていて、最適な動きをしてくれる自然さが肝かなとおもいました。

それ以前に、まずこの新型はそもそものクルマとしてのダイナミクス性能は折り紙付きだと皆さん絶賛されています。これをベースに完全電動のEQSがあとに控えています。どうなるか楽しみです。

今後の自動運転時代を見据えて

さらに、
メルセデスは車外でもクルマと人のインタラクションを研究しています。

以下は2015年に発表された、F015というレベル5自動運転車のコンセプトですが、デザインコンセプトではなく、公道で運転できる状態で上記のようなインタラクションを備えていました。

たとえば自動運転で歩行者に道を譲る時の「お先にどうぞ」

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緊急ストップしてるから注意して!

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ここに停めるつもりですよ

スクリーンショット 2020-10-30 12.24.10

こちらがわに避けますね

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このようなインタラクションが研究されていることや、それらがすでに生産車にフィードバックされていること、この自動車に対する向き合い方は、やはり自動車を発明した国であるなと感じます。

また、いま見返してみると、先日発表された新型Sクラスで使われているUIパーツのようなものが見えます。車内でどうコミュニケーションするかの哲学も、コンセプトからつながっているように感じました。(このころからNVIDIAとの提携は見据えていたのでしょうね。)

すでに5年や10年のタイムスパンで先を行っているのだなと思いました。

メルセデスのファンなので、興奮して書いてしまいました。

以上です。





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