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コムズフェスティバル ジェーン・スーの基調講演に行ってきた

“アップデート”という単語を見聞きしない日はなくなった。

そう断言したくなるほど、昭和、平成を経て令和モデルへの順応を叫ばれる今日この頃。

私個人の考えとして、そういった時代の変化に抵抗を抱いていないつもりなのですが、理解した気でいることが本当に危ない。

私は男性なので、年齢を重ねたり職場で役職がついたりすることによって、気を抜くと権威の側に傾くリスクは女性よりも大いにあると思っています。

それこそ知らず知らずのうちにハラスメントの加害側に陥ってしまうことも本当にあり得ます。

そう危機感を募らせているところ、私の地元松山にてうってつけのイベントが開催されました。

第25回 コムズフェスティバル
「“ちょうどいいを見つけよう”-いろいろな人生・幸せのカタチ-」

不勉強で今まで存じ上げていなかったのですが、コムズとは松山市男女共同参画推進センターとのことで、こういったイベントを定期開催しているみたいです。

しかも講師はあのジェーン・スーさん。

とはいえ、テーマ的にも真面目な話になるであろうと背筋を伸ばして参加してきたわけですが、

これが本当に面白かった!

なんと言ってもジェーン・スーさんの話が面白すぎる!こんな堅いテーマなのに、会場を笑いに包ませながら真摯にお話をされていることに心底感動しました。

“ちょうどいい”とは、快適であること。

その定義付けから、誰にとっても快適な居場所とは?自分がここに居ていいと思えるには?女らしさの罠って?男らしくいることの呪い?といった調子で講義は展開されていきました。

昭和における理想の未来と現実のジェーン・スーさんのギャップに思わず笑ってしまいましたが、旧来的な価値観で生きていてもそれが幸せに繋がるかと言えばむしろ逆だと。

30歳前後で、子供は2人くらい、家を建てる、結婚したら仕事はセーブする。

改めて考えてみても、無根拠で漠然とした理想でしかありません。

女っぽい=噂好き、嫉妬深いと、理想とされる女らしい=気が利く、弁えた言動は相反するもので、このレールに乗ってしまったら、どこに留まろうが自分らしくいること、自己承認には至りようがありません。

いつの間にか構築された悪どいシステムによって無根拠な価値観の擦り込みがされていることに改めて気付かされます。

男性は男性で、従来の“男らしさ”という概念が否定されてきており、理想のモデルケースが少ないゆえの苦しみもあると。

確かに。

ただ、これに関しては男性学という研究もある通り、自分たちで意識的に情報収集をしていって、アップデートされた自分なりの理想像を見つけなければならないんだろうなと感じます。

そして、終盤には質疑応答コーナーが。

恐れ多さを抱きつつも勇気を出して質問してみました。
自分(28歳)の親世代の方が、なぜここまで移り行く時代に順応し理解を持てるのか興味が湧いたので、自分なりに実践されているアップデート方法についてお聞きしました。

ジェーン・スーさんによる回答
「基本的にはテクノロジーとアップデートは密接な関係性にあるので配信系の作品は極力鑑賞しています。それと雑多な情報を集めるため、クーリエジャポンを購読しています。30代後半から世間で評価されているものと自分の価値観がリンクしないことが増えてきたので、認知のズレを修正すべくアップデートをしなければいけないという意識になりました。」

まず、真摯に答えてくださったことに感動。偏った情報の収集では、価値観が固定化されてしまうから、雑多な情報を集めることの重要性は講義本編でも何度か仰っていました。

しかし、終わってみると本当にあっという間だった1時間半。

私がここで紹介した内容はほんの一部です。

ただ、多くの方々に聴いて欲しいと思わざるを得ない内容でした。

ちなみに、2月15日から2週間ほどアーカイブ配信がされるそうです。

内容的に身構えてしまいそうですが、何より本当にジェーン・スーさんの話が上手で面白いので、興味がある方はぜひ配信で講義の内容に触れて欲しいと思いました。

改めて自分への戒めと誰にとってもより良い環境になることを祈りつつ、この記事を結ばせていただきます。


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