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グッド・トイの秘密を見に行こう! 日本最古の木製玩具メーカーがつくる「エルムの木馬」前編

「グッド・トイ」とは、おもちゃコンサルタントが、おもちゃ選びの指標になるように毎年選んでいるおもちゃで、選考は30年以上続いています。
この連載では、グッド・トイに選ばれたおもちゃをピックアップして、そのメーカーを訪ね、開発エピソード、おすすめポイントなどをインタビューします。どんな人がどんな思いでおもちゃを開発、製造、販売しているのでしょう?   (おもちゃコンサルタント・橋本光子)

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今回は、「エルムの木馬」を製造・販売する株式会社ニチガンさんにお邪魔しました。
インタビューに答えてくださったのは、入社33年のベテラン、生産部部長の吉川和也さんと入社3年目の企画部デザイナー長山啓子さんです。

●エルムの木馬のオススメポイント3つ教えください!

吉川さん:はい、
1、材が国産のニレの木なので、木目が綺麗で肌触りが良い。
2、木馬としては小さめで1歳半から遊べる。
3、発売当時と同じ職人が作っている。
の3点です。材は発売当初から、オール国産です。尻尾は麻。岐阜の工場でずっと作り続けています。デザインも全く変わっていません。

●何年から販売されているのですか?

吉川さん:えーと、実は私達も分からないのです(笑)。グッド・トイを受賞した1997年よりも大分前だと思います。古いカタログがありますので、見てみましょう。


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吉川さん:これだと思います。1977年。この年のカタログの表紙になっています。この前の年には無いので、この年が発売元年だと思います。

●スゴイ!このカタログのレトロ感!他の年もみんな素敵ですね。発売からなんと42年! この木馬についてもう少し教えてください。

吉川さん:開発エピソードに関しては、当時の開発者が今はもういないので何ともいえません。

長山さん:デザイナー目線で見ると、シンプルなのに、馬らしい顔をしているところや顔のラインも絶妙です。お洒落。42年前のデザインとは思えないです。

吉川さん:2世代、3世代で利用している方もいます。「尻尾がとれたから直してほしい」なんて言われて、工場で修理することもあります。長く使ってもらえてうれしいですね。1977年の発売当時、12,500円。当時にしては高級おもちゃですね。でも、3世代で使ったら元はとれてますね。
沢山の商品が販売され、消えて行く中で、エルムの木馬は当時から変わらず販売され続けています。今後も廃盤になることはありません。当社のシンボル商品です。守って行きたいです。

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「エルムの木馬」は、40年以上も変わらず作られ、大切に販売されているおもちゃでした。また、世代を越えて愛用している人たちがいました。 次回は、こんな素敵なおもちゃを守り続けている会社の歴史や、社員の方の思いをお聞きします!

この連載の後半は、東京おもちゃ美術館のWebマガジン「goodus」でご覧いただけます。下記よりお越しください。

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遊びのチカラで、社会がより楽しく&より豊かになりますように。