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睡眠不足を解消して生産性を高める「多相性睡眠」とは?人のDNAに刻まれた睡眠法

こんにちは!
睡眠の専門家・しょうです。

ライフハッカー・ジャパンの記事でも紹介された睡眠に関するライフハック「多相性睡眠」という言葉をご存知でしょうか?

多相性睡眠は、夜に7〜8時間のまとまった睡眠をとるのではなく、日中の昼寝や仮眠を活用して、細切れの睡眠を取り入れることで短時間睡眠を実現することを言います。

私たち人間の古くからの生活スタイルに合った眠り方のため、睡眠不足解消・生産性向上のためのテクニックとしても知られています。

今回のnoteでは、この「多相性睡眠」のメリット・デメリットと、具体的な実践方法について解説していきます。

多相性睡眠(分割睡眠)とは?

多相性睡眠とは、1日に複数回の睡眠をとることを指した言葉で、犬や猫などの動物や、人間の赤ちゃんもこの多相性睡眠を行う性質があります。

まだ幼い赤ちゃんは、夜に10時間眠ってあとはずっと起きている…ということはなく、ミルクを飲んで寝て、おむつを替えたら寝て、またミルクを飲んで寝て…と、何度も睡眠を繰り返していますよね?

こうした眠り方が、多相性睡眠の代表例です。

ちなみに、人間の大人が毎日やっているような、1日の終わりに7〜8時間のまとまった睡眠をとることを「単相性睡眠」と呼びます。

照明が発明されるまでの私たち人間は、大人でも基本的に多相性睡眠を行っていたため、「人の遺伝子に刻み込まれた睡眠の本来の形ではないか」とする説もあります。


多相性睡眠のメリット

多相性睡眠は別名「分割睡眠」と呼ばれ、夜に7時間寝て昼の休憩で30分の昼寝をする…といった睡眠の取り方も、実は多相性睡眠の一種です。

こうした細切れの昼寝・仮眠を取り入れることは、さまざまなメリットをもたらしてくれます。


生産性・集中力が高まる

多相性睡眠のメリットの1つ目は、日中の生産性・集中力がアップすることです。

みなさんもランチ後の眠い時間に、5〜20分くらいの短い仮眠をすることで、眠気が一気に覚めた経験はありませんか?

昼寝や仮眠をとると、ぼーっとした頭がスッキリして、午後の生産性が高まることも少なくありません。

これが多相性睡眠のメリットで、昼寝の強力な効果と言えます。


睡眠時間を短縮できる

多相性睡眠を取り入れることにより、入眠直後の深い睡眠をとることができるため、夜の睡眠時間を圧縮できることもあります。

「昼寝は夜の睡眠の3倍の効果がある」と言われることも多いですが、昼寝をする場合としない場合とで、夕方以降の眠気も全く違ったものになるはずです。

いわば非常に質の高い睡眠をごく短時間で取っているということなので、睡眠の時間を最小限に圧縮して、日中にパフォーマンスを最大化したい方には一考の価値ある睡眠法となってます。


多相性睡眠のデメリット

カリフォルニア大学のアロン・アビダン博士によれば、多相性睡眠に関して明確にメリットが示されている研究は、まだほとんど存在しないと言います。

そのため一部の人にとっては、多相性睡眠は効果がない睡眠法となるかもしれません。

その他にも、人によっては次のようなデメリットが生じる可能性があります。


睡眠不足に陥る可能性がある

多相性睡眠を無理に続けようとすると、睡眠不足の状態に陥ってしまうリスクがあります。

たとえば、日中に20分の昼寝をした時に、「3倍の睡眠を取れたならいつもより60分睡眠を削っていいはず」と考えて、1時間夜更かしし続けていれば、睡眠不足になる可能性が高まります。

睡眠に関する一部の研究では、死亡リスクがもっとも低くなるのは1日7時間の睡眠であり、それより長くても短くても死亡リスクは高まるとされています。

こうした研究では、昼寝を睡眠時間に加えているとは限らないため、昼寝をしたからといって夜の睡眠時間を削ると、死亡リスクを高めることになる可能性もあります。

日中の眠気が少なく、寝つきや目覚めも良好であれば睡眠時間を削ってみても構いませんが、昼寝をしたからと夜の睡眠を過剰に削るのは控えた方が良いでしょう。


生活リズムが不安定になる

あとで紹介しますが、多相性睡眠にはさまざまなバリエーションがあり、夜の睡眠時間を削って昼や夕方に睡眠をとることもあります。

こうした不規則な睡眠をとっていると、家族との過ごす時間が減ってしまう可能性があります。

また、部屋の照明や季節によっては、眠るべきタイミングなのに周りが明るく、寝付けないことがストレスに感じることもあるでしょう。

そうしたストレスで、かえって睡眠の質が低下し、これまで以上に睡眠時間を必要としてしまうことも考えられます。

試しに一度多相性睡眠を実践してみるのはおすすめですが、もしご自身の生活スタイルに合わないと感じた際には、これまで通りの睡眠に戻してあげると良いでしょう。


多相性睡眠の種類と実践方法

最後に、多相性睡眠の代表的な種類と実践方法についてご紹介していきましょう。

ここで紹介するのは、あくまでも一例であり、体質に合うかどうかは個人差が非常に大きくなっています。

そのため1週間ほど試してみて、寝付き・目覚めが悪くなったり、日中の眠気が強くなったりする場合には、すぐに以前の睡眠方法に戻しましょう。


シエスタ・スリープ

シエスタ・スリープ(SIesta Sleep)は、夜の長い睡眠と、昼の短い仮眠を組み合わせた多相性睡眠です。

すでに無意識に実践している方も多いはずで、最近では「パワーナップ」として昼寝の効果にも注目が集まっています。

ちなみに「シエスタ」とは、スペインやアルゼンチンの昼寝文化のことを言います。

夜の睡眠はこれまでと同じかやや短めの6〜7時間程度を目安にして、昼の仮眠は30分以下の短い昼寝を意識するのがポイントです。


エヴリマン・スリープ

エヴリマン・スリープ(Everyman Sleep)とは、夜の睡眠を3時間30分に削り、20分の仮眠を3回とることによって、眠気を解消する方法です。

多相性睡眠の実践方法としてもっとも効果が高いとされている睡眠方法ですが、1日を通して4時間30分しか睡眠をとっていないことになります。

場合によっては死亡リスクを高めることにもなりかねないため、体の不調を感じたらすぐにこれまでの睡眠スタイルに戻すようにしましょう。


ウーベルマン・スリープ

最後にもう1つ、現実的ではないですが興味深い事例としてウーベルマン・スリープ(Uberman Sleep)をご紹介しましょう。

「ウーベルマン」とは、ドイツ語で「超人」を意味する言葉で、まさに超人的な睡眠で日中活動することを言います。

具体的には、4時間ごとに20分の仮眠を合計で6回、合計で1日2時間の睡眠時間で過ごす方法です。

どうしても睡眠時間を削る必要がある時の最後の手段として検討の余地があるかもしれませんが、基本的には真似しないことをおすすめします。

あくまでも1日1回の昼寝を取り入れる「シエスタ・スリープ」を基本に、多相性睡眠を試してみましょう。


おわりに

夜の睡眠だけではなく、昼の仮眠を取り入れて眠気を解消する「多相性睡眠」は、生産性・集中力の向上や、睡眠時間の圧縮につながるメリットを持っています。

しかし、体質によっては睡眠不足になりやすくなったり、生活リズムが崩れてストレスが大きくなることもあるため、ご自身の体調を踏まえて適度に取り入れるようにしてください。


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