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ここ、見て、みて足軽組屋敷のバーチャル資料館Webサイト開設 3Dの世界で、“あなたも江戸時代にタイムトリップしてみない?”

♪ 格子戸をくぐりぬけ
見上げる夕焼けの空を
だれが歌うのか子守歌
わたしの城下町~ ♪

私にこの歌詞を思い出せた町

数年前、仕事の関係で彦根市中央町に住んだ私は、夕方散歩をしていると、
ちょっと異種なまち並みの中に入っていました。
道幅が妙に狭く、家々の前には防火用のバケツ、ナチュラルな古民家、
すれ違う方々からいただく「こんにちは」のご挨拶、
いったいここは…。

そう、善利組足軽組屋敷だったのです。

江戸時代の初期に城下町の一番外側に足軽たちが集まって住むこの「足軽組屋敷」が作られました。この屋敷は、明治以降も庶民の住居として住み継がれ、江戸時代の屋敷割が引き継がれ、現在も足軽組屋敷の佇まいがそのまま残っています。
 
だから道幅が狭いんです。
狭いってどれくらい? 測ってみたら、2m強。(軽自動車の車幅は約1.5m)

ご存じですか、
「辻番所の会」と「彦根景観フォーラム」の」活動を。

みなさん、歴史的なまち並みを保全しつつ防災・空き家・地域のコミュニティなどのまちづくりの課題に取り組み、魅力あるまちを目指している方々と、彦根市内の美しい自然環境と歴史的遺産を持つ彦根の景観を住民とともに考え、活かし、文化の担い手という意識を高めながら、守り育て、慈しみ、未来に向け働きかけていくことを目的に活動をされている方々がおられることをご存じですか?
前者の方が、「辻番所の会」、後者の方が「彦根景観フォーラム」です。

今、二者が連携して…

この二者の連携活動がいま、まさに、さらに熱いんですよ。
デジタル活用なんです。
時代ですなぁ~。

その連携活動とは、歴史あるまちを安心して暮らせる魅力あるまちにしていくため、「文化遺産を活かしたまちづくり」プロジェクトをスタートさせました。

3Dの世界で、“あなたも江戸時代にタイムトリップしてみない?”

その取り組みの一つとして、足軽組屋敷のバーチャル資料館をWeb上で作り、現存する足軽組屋敷の魅力を動画で紹介しています。しかも、辻番所・旧磯島家住宅は、3Dウォークスルー動画となっており、4K高画質の3D空間の中を実際に歩いているかのように移動することができます。ぜひ、ご覧ください。

3Dウォークスルー動画の一場面 その1
3Dウォークスルー動画の一場面 その2

ちょいと、辻番所ののぞき窓からの景色をご紹介いたします。
400年以上の前のお侍さんもこんな景色を…

のぞき窓左から
のぞき窓右から

ちなみに、バーチャル資料館の動画集の撮影費用は、クラウドファンディングによる支援金で賄われているそうです。
 
ところで、足軽屋敷の家屋内に入ってみるとわかるのですが、部屋の天井が低いんです。
ざーっと測って、長押(なげし)までは1.76m、天井までは2mちょっと。
お入りなるときには、お気を付けください。
当時の人の身長が平均1.55m、どう感じていたのでしょうか。
 
そんな思いをめぐらすのも、このまちめぐりの楽しみのひとつなのでは。

歴史を生かした新しき空き家活用も

これらの動画の中には、新たに空き家を活用した事例も見られ、歴史を活かしつつ進むまちづくりの活動も知ることができます。
 
歴史と共存したまちづくり、まさに世界遺産登録が目指している姿ではないでしょうか。
 
今後も足軽組屋敷の歴史的まち並みを活かしたまちづくりには、目が離せません。
 
 
最後に、辻番所を市からの委託を受けて管理運営されている「辻番所の会」の近々の活動をご紹介いたします。


◆10月15日(土)~16日(日)10時~16時 足軽組屋敷特別公開2022

実際に活用している足軽屋敷や普段は入れない足軽屋敷も見学できます。
ぜひ町並みと共にご覧ください。

◆10月30日(日) 足軽辻番所サロン「襖の下張り文書より見る足軽の生活」
講師:渡辺 恒一 (彦根城博物館 副館長)

彦根藩の足軽組屋敷を個々に紹介した7本のYouTube動画と辻番所・旧磯島住宅の3Dウォークスルー動画をアップ。
彦根景観フォーラムのYouTubeチャンネルでも個々の足軽組屋敷についてはこちらから見られます。

旧彦根藩足軽組屋敷 バーチャル資料館
https://asgr-home.studio.site/