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店名に込められた熱い思い!人を繋ぎ20年昭和レトロな喫茶店「邂逅」

「邂逅」に込められたオーナーの思い

場所は、彦根駅から彦根市役所に向かう
メインストリートを東に1本中筋に入ったところ。
「邂逅」という見慣れない文字が目に留まる。

なんて読むんだろう・・・と考えていると、
店先で可愛いたぬきさんが出迎えてくれる。

店構えは、昭和レトロな感じでとても懐かしく、
引き込まれるように店内に進むと・・・・

そこには、
派手なBGMや、色彩豊かな装飾はなく、
タイムスリップしたかのような、
セピア色の空間が広がっていた。

オーナーの武田洋三さんは、
もともとは、コーヒーが大好きなサラリーマン。
57歳で会社を辞め、
念願の喫茶店をオープンし、今年で20年。

邂逅かいこう』とは、出会い、巡り合うこと。

昔読んだ、亀井勝一郎の“現代人生論”が、
印象に残っていて、
『人とのめぐり逢い、運命的な出会い』
を大切にしたいと、オーナーは微笑んだ。

店内にちりばめられたお客さんへの思い

『ゆっくりくつろいでほしい』との思いで、
オーナー自らが塗った珪藻土の壁。
プロ級の腕前にビックリ!する。

『空気をきれいにする』ため敷かれた、
床下の竹炭に、また、ビックリ!!
店自慢のコーヒーで、まったりしていると
常連さんから『ここのカレーは絶品だよ!』
と教えてもらい、早速、カレーを注文!!

絶品!引き継がれたこだわりの味!!風字カレー

しばらくすると、店内にいい香りが広がる。
ワクワクして待っていると、
出てきたカレーにまたまたビックリ!!!
『このお皿の形・・・見たことない!』

不思議な形のこのお皿。
オーナーが、大津市関津遺跡より出土した硯
「風字硯(ふうじけん)」にひとめ惚れ!
陶芸家に、同じ形のお皿を作ってもらった。
縁の形が風の外側に似ていることから
“ふうじ”と呼ぶらしい。
 
“風字カレー”の由来もここから来ていて、
オーナーのこだわりがとてもユニーク。

カレーを一口食べてみると、口の中に牛肉と
淡路産玉ねぎの甘味が広がる優しい味。
しばらくすると、スパイスが追いかけてくる。
汗をかきながら頬張る刺激カレーとは違い、
一口一口、しっかりと味わう癖になる味。

実はこの味、県庁前にあった有名なカレー店
「コバン」が閉店する時、知人の紹介で
受け継がれた直伝の味。
「邂逅」の名にふさわしく、
人と人で繋がれた味は、絶品の味!

人と人が繋がる場所「邂逅」

店の一角に、茶室のようなスペースがある。
ここは、店で開催するイベントのステージ。
『講演会や、ミニ演奏会、お鍋の会』など
常連さんと企画して、開催してきた。

店では、お客さん同士が交わることが難しい。
だから、『お客さん同士が繋がる機会』
を大切にしたいとオーナーは語る。

その他、店内に飾られている陶芸、骨董、
絵など、見ているだけでも楽しい。
何より、オーナーや常連さんとの会話は、
ずっと前から知り合いのような『安心感』
を与えてくれる癒しの空間で、心地いい。

人と触れ合う時間を楽しみたくなったら、
ぜひのぞいてみてはいかがでしょう。
オーナーのこだわりの思いが、
訪れた人を優しく包んでくれますよ。

(写真・文:ひらめきん)

喫茶「邂逅」
住所:彦根市旭町1-8
電話番号:0749-26-2339
営業日:火、水、金、土
営業時間:9:00~17:00