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ひこにゃんグルメラリーに参戦!

彦根のお店でゆる~く過ごそう

彦根で一番有名な白い猫・ひこにゃんは、2007年に国宝・彦根城築城400年祭のPRキャラクターとしてデビューしました。見た目はとてもゆるいひこにゃんですが、仕事ができる猫なのです。

ひこにゃんは、「彦根市のPR活動」という、とても重要なミッションを持っています。
 
全国を駆け回り、毎日忙しいひこにゃん。そんな超人気スケジュールのひこにゃんが住む、地元彦根には、ひこにゃんがお仕事の合間に、ゆっくりするお気に入りのお店があるそうです。

彦根城博物館をお散歩するひこにゃん

今回、彦根にあるひこにゃんがお気に入りのお店で、期間限定で、ひこにゃんお勧めメニューが食べれる!ということで、「ひこにゃんグルメラリー」に参戦してきました。
 
グルメラリーは、「お店を巡ってひこにゃんを感じながら、ゆる~く過ごそう」というコンセプトなので、今回紹介させて頂くルートを一日で回ろうなんて、絶対に真似をしないでくださいね。かなりハードですから。


JR彦根駅から市役所へ

朝9時にJR彦根駅に到着しました。改札口で、ひこにゃんのパネルがお出迎えしてくれます。
 
日本で国宝となっているお城は5城あります。お城は、敵から防衛するための建築物であり、軍事基地です。彦根城も戦に備えて作られたお城ですが、実際に、彦根城で戦が行われることは一度もありませんでした。
 
つまり、彦根城とひこにゃんは、日本の平和のシンボルとも言えるでしょう。

JR彦根駅改札前にあるひこにゃんのパネル

JR彦根駅前広場には、彦根藩井伊家初代当主・井伊直政公の像が勇ましく立っています。直政公は、徳川家康公に仕え、「徳川四天王」の一人として名を馳せた戦国時代の武将です。
 
直政公率いる部隊は,関ケ原の戦いなどで徳川家の先鋒隊を率いて戦い、戦国屈指の精鋭部隊として有名です。
 
そして、直政隊の鎧・兜・旗指物などのすべては朱色(赤備え)で揃えられていました。直政公は兜に鬼の角のような飾り(約80cmの長さがある)をつけていたことから、「井伊の赤鬼」と畏れられたそうです。

JR彦根駅西口広場にある井伊直政公の銅像

ところで、ひこにゃんは「モチ」のような白いもふもふボディに、鬼の角のような飾りをつけた「赤い兜」をかぶっているのをご存知でしょうか。

実は、ひこにゃんがかぶっている「赤い兜」は、「井伊の赤備え」の兜だったのです。
 
ひこにゃんと井伊家のご縁は、江戸時代に遡ります。ある日、彦根藩井伊家第2代当主・井伊直孝公が鷹狩りの帰りににわか雨にあい、木の下で雨宿りをしていたときです。お寺の門前で手招きする白い猫がいるではありませんか。
 
「不思議なこともあるもんだな」と、直孝公は、白い猫に誘われるようにお寺の中に入り、住職の話を聞いて雨宿りしていました。すると、直孝公が雨宿りしていた木に雷が落ちたのです。

直孝公は白い猫のおかげで難を逃れたことから、白い猫に感謝して、このお寺を井伊家の菩提寺と定めました。直孝公をお寺の門前で手招きして雷雨から救ったと伝えられる「招き猫」が、ひこにゃんのモデルなのです。

 
直政公は「井伊の赤鬼」と呼ばれていましたが、ひこにゃんは「モチ」と呼ばれています。同じ「赤い兜」をかぶっていますが、ひこにゃんと、直政公のキャラはかぶっていないようです。

東京都世田谷区にある豪徳寺の招き猫

JR彦根駅近くの珈琲店で美味しい珈琲を飲んだ後、レンタサイクルのお店で自転車を借りました。
 
そして、JR彦根駅から自転車で数分で、彦根市役所に到着しました。いよいよひこにゃんと対面です。どきどきしますね!

ひこにゃんが時々お散歩する彦根市役所


彦根の人気者といよいよ対面!

彦根市役所に入ると、「HAPPY WEDDING」の文字パネルを持ったひこにゃんのパネルがお出迎えしてくれます。

彦根市役所にあるひこにゃんのパネル

彦根城をお散歩したり、四番町スクエアをお散歩したり、毎日忙しいひこにゃん。

2022年から、更にひこにゃんの新しいお仕事として、彦根市で婚姻届や赤ちゃんの出生届を出した人と一緒に記念撮影するお仕事が始まりました。
 
「ひこにゃんとツーショットを撮りたい」と思うひこにゃんファンはきっと多いことでしょう。しかし、一般の人や観光客が、ひこにゃんに触ったり、ツーショット写真を撮ったりすることはできません。
 
ひこにゃんにはお付きの人(お世話係さん)が何人かいて、いつも一緒にお散歩しています。アイドルさながらですね。
 
「ひこにゃんグルメラリー」の最大の目玉商品は、ひこにゃんとの「ツーショット撮影権」ではないでしょうか。実は、これまでありそうでなかった、とてもレアな機会なのです。

彦根城博物館をお散歩するひこにゃん

ひこにゃんはどこにいるんだろう?市役所の中を見渡しましたが、ひこにゃんはまだのようです。
 
あっ!ひこにゃんグルメラリーのポスターを持ったお兄さんたちがいました。

今回、グルメラリーに参加し、ひこにゃんとツーショット撮影する権利を得たのは、なんと開催期間中、金曜日のみで、毎回たったの5人!
 
それでも、超人気スケジュールの中、ひこにゃんに貴重な時間を割いてもらえて、本当にありがたいです。
 
グルメラリーのチケットが発売されて、あっという間に、「ツーショット撮影権」は完売したそうです。さすがひこにゃん!

彦根城博物館をお散歩するひこにゃん

今回、参加者5人全員が女性で、そのうち2人は滋賀、1人は大阪からの参加でした。そして、1人はお仕事で出張先の東京から参加され、「ひこにゃんに会うために新幹線で駆けつけました!」と嬉しそうに話されていました。
 
ひこにゃんの「推し活」をしている女性は、ひこにゃんのバッグを肩から掛けて、ひこにゃんのマフラータオルを持って、記念撮影の準備はばっちりです。
 
こうやって、ひこにゃんは、滋賀県内、県外のファンの皆さんに愛され、支えられているのですね。

 
指定された場所で待つこと数分、ついにお付きの人と一緒にひこにゃんが登場しました。

ひこにゃんグルメラリー特別企画・ひこにゃんとのツーショット撮影

これまでひこにゃんが散歩する姿を、彦根城天守前、彦根城博物館、四番町スクエアなどで、遠くから眺めていましたが、こんなに至近距離で、ひこにゃんを独占できる機会は初めてです。
 
参加者5人から「ひこにゃん、可愛い!」の黄色い声が上がりました。

ひこにゃんグルメラリー特別企画・ひこにゃんとのツーショット撮影

一人当たりの撮影タイムは限られていましたが、ひこにゃんと見つめ合ったり、お手手をつないだり!全ての写真を紹介することが出来なくて残念ですが、ひこにゃんお得意の色んなポーズで、ひこにゃんと記念撮影することができました。


彦根藩発祥の近江牛を堪能!

ひこにゃんとお別れして、彦根市役所から、彦根城のお掘沿いを自転車で走り、夢京橋キャッスルロードを抜けて、四番町スクエアにある彦根観光協会に到着しました。ここでも、ひこにゃんのパネルがお出迎えしてくれます。

四番町スクエアにある彦根観光協会

彦根観光協会で、予め購入したグルメラリーのチケットを入手し、「ごはん券」を利用して、お昼ごはんを食べに行くことにしました。
 
夢京橋キャッスルロードを自転車で少し走ると、どこかで見たことがある「黒い牛」がお店の前でゆっくり休んでいました。そうです!ひこにゃんが、グルメラリーのお店紹介のとき、お話していた、あの黒い牛さんです。

せんなり亭・心華房前の黒い牛

黒い牛さんは、ひこにゃんとどんな話をしたのかな?黒い牛に軽く挨拶して、早速お店に入りました。

せんなり亭・心華房の近江牛ひつまぶし

近江牛は、日本三大和牛の中でも、圧倒的に長い400年以上の歴史がありますが、近江牛は彦根藩から始まったと言われているのをご存知でしょうか?
 
江戸時代、牛の屠殺は彦根藩でのみ認められていました。そして、宗教上の理由から、味噌漬けにされ、養老の秘薬「反本丸」として、彦根藩から将軍家や諸大名に献上されていたのです。
 
そんな歴史ある近江牛ですが、今回は、「ごはん券」を利用して、「近江牛ひつまぶし」を頂きました。だし汁は七輪と共に温かい状態で出され、そのさり気ないおもてなしに、井伊直弼公の「一期一会」の精神を感じます。


さざ波立つ千々の松原

お昼ごはんを食べた後、自転車を走らせて、お堀沿いにある登録有形文化財のスミス記念堂に向かいました。
 
スミス記念堂は和洋折衷の珍しい礼拝堂ですが、ここから真正面に見える彦根城の景色はとても美しく、お勧めの穴場スポットです。

スミス記念堂から眺める彦根城

スミス記念堂から自転車で10分くらいで彦根港に到着しました。

彦根港の赤備え船・直政

ここでも、ひこにゃんのパネルがお出迎えしてくれます。

彦根港の待合室にあるひこにゃんのパネル

琵琶湖の聖地と言われる竹生島までは、彦根港から船で片道約40分のクルーズです。残念ながら、今回は彦根港から竹生島を眺めるだけに留め、松原に向かうことにしました。
 
松原は白砂の浜が1km続き、松林が美しい浅瀬の水泳場です。夏は家族連れでにぎわい、鳥人間コンテスト選手権大会の会場としても知られています。
 
ここには、かつて松原内湖という湖沼があり、琵琶湖との間の浜堤に三里にわたって松林が続いていたそうです。その美しい景色は今も変わらず、彦根八景の一つに選ばれています。

彦根八景・さざ波立つ千々の松原


お茶は政所

松原で琵琶湖の景色を満喫した後、再び、自転車で夢京橋キャッスルロードに戻りました。お天気がよく、汗をかいたので、「おやつ券」を利用して、「金箔源三郎かき氷」を頂きました。

政所園・夢京橋店の金箔源三郎かき氷

夢京橋キャッスルロードにあるこちらのお店は、永源寺町政所で創業した老舗・日本茶専門店です。
 
日本茶のルーツは、最澄が唐からお茶の種子を持ち帰り、比叡山のふもとに植えたのが始まりとされています。そして、お茶は室町時代に永源寺町政所に伝わりました。
 
「お茶は政所」と茶摘み歌で唄われますが、政所はかつて彦根藩領でした。
 
また、政所茶は石田三成公が豊臣秀吉に出した三杯のお茶「三献茶」としても有名で、秀吉は生涯、政所茶を愛したとも言われています。


ひこにゃんに再びmeets!

かき氷を食べて少し汗が引いたので、再びひこにゃんに会うため、自転車で彦根城博物館に向かいました。
 
時間になると、ひこにゃんは、たくさんのファンが集まる彦根城博物館の中庭に登場しました。

彦根城博物館をお散歩するひこにゃん

ところで、ひこにゃんのお世話係さんがいつも持ち歩いている、ひこにゃん専用の「かばん」に、何が入っているかご存知ですか?

ひこにゃん専用のかばん

「かばん」は結構大きくて、「かばん」の中には、ひこにゃんが大好きな食べ物、おもちゃや、季節に合わせた衣装がたくさん入っています。そして、それらは全てお世話係さんの手作りなのだそうです!
 
ひこにゃんは、季節ごとに様々な衣装を披露してくれます。ひこにゃんがどんな衣装で登場するか、どんなおもちゃが飛び出すか、その時々で違うのも、ひこにゃんに会う楽しみの一つです。
 
ひこにゃんは毎日、お散歩しますが、曜日によって、お天気によってお散歩コースや、登場時間が変更する可能性があります。彦根市の公式サイトで確認してから、ひこにゃんに会いに行くようにしてくださいね。
 

そして、彦根城・開国記念館の企画展スペースにおいて、期間限定で、ひこにゃんと一緒に「ひこにゃん音頭」を踊る体験が出来るということなので、行ってみました。

ひこにゃんの絵がデザインされた赤い法被、非売品

グリーンバックを背景に、体験者が「ひこにゃん音頭」に合わせてダンスをすると、モニター画面上でひこにゃんと一緒にダンスする動画が完成します。
 
赤い法被(はっぴ)を着てダンスすることもできます。体験者のダンスは採点され、満点を取るまで、ゲーム感覚で何度も挑戦できる、楽しい観光コンテンツです。

かばんプレートに溢れるひこにゃん愛

モニター画面の中のひこにゃんとお別れして、夢京橋キャッスルロードを自転車で走って、再び、彦根観光協会がある四番町スクエアに戻ってきました。
 
「おみやげ券」でお目当てのひこにゃんグッズを購入した後、「おやつ券」で、「ひこにゃんのかばんプレート」を頂きました。
 
グルメラリーのチケットには、「おやつ券」が1枚含まれます。今回、友人と2人でグルメラリーに参戦したので、「おやつ券」2枚で、2店舗でのおやつを楽しむことができました。

conecone.のひこにゃんかばんプレート

ひこにゃんがお気に入りのお店には、そのお店でひこにゃんが使う特大サイズのスプーンと、ひこにゃんが来店したときの記念写真が置いてあります。
 
また、ひこにゃんがお店を予約する時に使う専用の予約席プレート、「ひこにゃん様ご予約席」と書かれたプレートが用意されています。要チェックですね。

ひこにゃんが来店したときに使う 特大サイズのスプーン

「ひこにゃんかばんプレート」は、ひこにゃんのお世話係さんが持つ、ひこにゃん専用の「かばん」に入っている食べ物やおもちゃをモチーフにしたものです。
 
ひこにゃんが大好きな食べ物やおもちゃを、ひこにゃんのために、スイーツとしてアレンジした、ひこにゃん愛が溢れるスイーツです。
 
プレートの左上から、おにぎり、エビフライ、ハート型のクッション。そして、左下から三色団子、おせんべい。これらはいずれも、ひこにゃんがお散歩のときに、手に持っているものたちです。
 
X(旧twitter)、Instagram、Facebookなどで、是非、ひこにゃんの昔のお散歩の写真をチェックしてみてください。全て、ひこにゃんがかばんに入れて、大切にしているものたちです。

conecone.のひこにゃんかばんプレート


ひこにゃん、また会いに来るね!

朝9時から夕方6時まで、彦根の町をひこにゃんを追いかけて、グルメと観光、そしてショッピングを満喫しました。
 
最後の締めは、やっぱり近江牛!ということで、今回、グルメラリーのチケット対象ではありませんが、近江牛焼肉を頂きました。
 

どこのお店に行っても、どこに観光に行っても、リアルひこにゃんに会えなくても、ひこにゃんを感じることが出来る町、それが彦根だと改めて感じた一日でした。
 
ひこにゃんは、癒しキャラというだけでなく、信楽焼のたぬきや、招き猫のように、商売繁盛や幸福を招くので、地元彦根で愛されているのでしょう。
 
今回、一日、自転車で回りましたが、行ってみたいお店に行く時間が全然足りませんでした。グルメラリー期間が終わっても、彦根にはひこにゃんを感じることが出来る場所がたくさんあります。また、ゆっくり、ひこにゃんに会いに来たいと思います。


「ひこにゃんと踊ろう」

開催場所:彦根城・開国記念館 企画展スペース 
開催日:2023年8月2日~11月6日

「ひこにゃんグルメラリー」

Instagram https://www.instagram.com/hikonyan_osanpo/
ホームぺージ https://hikonyan-osanpo.jp/
開催日:2023年9月15日~10月29日
(ただし、金土日祝に限定)
主催:彦根観光協会
後援:彦根市
問い合わせ先:彦根観光協会 info@hikoneshi.com

(写真・文 若林三都子)