彦根で唯一の古本店「半月舎」 思わず足を運びたくなるイベントも主催
「彦根の歴史の本なども取りそろえた、彦根ならではの古本屋を
やってみたいと思ったんです」と語る、
「半月舎」の御子柴泰子(みこしばやすこ)さん。
滋賀県立大学の学生だった時、彦根の城下町を調査したそうだ。
自転車で巡っていると、古い集落が綿々と続いている街並みに興味を持ち、
自身の育った長野県の町とは異なる風景に愛着がわくように。
彦根市には骨董品屋はあるのに、昔ながらの古本屋はないなぁという思いのもと、2011年9月20日半月の日に、彦根市京町に「半月舎」をオープン。
やがて2014年に、昔懐かしいアーケードがある中央商店街に引っ越し、
現在に至る。
ふらっと入りたくなる、親しみのあるディスプレイが迎えてくれる店内。
約3000冊の本が並ぶ。
お客様は年配の男性、高校生、主婦、観光客など。
なかには何時間もかけてじっくりと本に向き合う方もいるが、
好きなだけ見てもらえるように、そっと見守る。
本を通じて、お客様と会話が弾むことも。
「古本を売り買いすることは、お客様の人生の一端に触れることでもあるんです」
特に引っ越し、終活、遺品整理などで買い取りする時は、本や故人への思いを語るお客様と距離が近くなり、友だちになった方もいる。
また「半月舎」は、魅力的な催しも開いている。
これまでに開催したイベントは、『詩であそぼうワークショップ』
『はちみつとチーズの会』『絵本の原画展』など。
「これから力を入れたいことは?」と質問すると、
「今年で10回目を迎える、※ひこねウモレボン市を盛大に開催すること。そして彦根で、地道にがんばっている飲食店を紹介する本なども編集したいですね」と意欲的。
彦根をベースにした「半月舎」からの発信、キャッチしてみたい。
(写真・文:塩田かおり)