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手ギロ!

手がギロで「手ギロ」ってことだと思います。ギロっていうのは、あのなんか表面が波打ってるアメリカンドッグみたいな形した楽器です。小学校の音楽室とかで見たやつです。なんかアフリカっぽいカラーリングしてることが多いと思います。

「手ギロ」についてちゃんと説明すると、僕が大学一年だったかのとき、つまり5年くらい前に友達でメンボー怒りの脱出の佐々木くんに連れられて行ったルミネだか無限大の会場で行われていた、M-1の一回戦を見に行った時に、(さっき調べて知ったけど)今は解散してしまった御茶ノ水男子というコンビの(さっき調べて知ったけど)当時おもしろ佐藤という芸名で(さっき調べて知ったけど)現佐藤ピリオド.さんが行っていた一発ギャグです。

そのギャグは確かスベることが前提でネタに組み込まれていました。急に右手に持った棒で左手を上下にこするジェスチャーをしながら説明もなしに「手ギロ!」と叫ぶ。突然のことにお客さんは驚き、「スベってるじゃねーか。」とか「急になんだよ。」とかとにかく、変わったことをしているボケという状況を説明して次の展開に移るという、なんだったらウケては展開が成立しない、咬ませ犬ボケでした。

しかし、運悪く僕は人よりも判断能力に優れ、なおかつしょうもない笑いが好きだったので、「手ギロ!」とツッコミの間で一人で爆笑をしてしまいました。そして、周りの空気とその後のネタの展開を見て、「しまった!」と思いました。

その後、M-1でも名前を聞かず、テレビで見ることもないまま、ひっそりと御茶ノ水男子が解散してしまったのはもしかしたら、僕があの時爆笑してしまったせいかもしれません。そう思うと、佐藤ピリオド.にもしいはしジャスタウェイにも本当に申し訳なく思います。

ただ、僕は未だに「手ギロ」を使っては大学時代の後輩を困らせています。自分たちが作ったギャグがコンビを解散した後にも誰かに使われ続けるということは本当に稀有なことだと思いますし、もしかしたらお笑い芸人の一つの終着点なのではないかなと思います。

僕は今でも、あの日に見た「手ギロ」と元ナンバーワンホストの城咲仁がコンビを組んでM-1に出場していたという事実を鮮明に覚えています。さて、今年のM-1は誰が優勝するんでしょうね。楽しみです。


ああ、お笑い芸人になってドブ水すすりてぇ。

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