見出し画像

前に進むための擦り合わせ

これまでハードな曲を主体に聴いてきました。
「一番オーディオ再生が難しい音楽がハードロック」というHさんの言葉を信じて取り組みました。
昔から好きな音楽ですから、買い直すのもすごく楽しかったです。
しかし、そろそろハードロックから離れていた四半世紀の検証をしていきたいと思うようになりました。

「以前のシステムは・・・」と批判めいたことを言うのは簡単です。
これからもそういう表現が多々あるかもしれません。
けれども前に進むためには「以前のシステムでよく聴いていた音楽」をも避けることなく聴いていき、新たな経験とした方がよりプラスになると考えました。

今はなきsolitudesレーベルの「ヨーロピアン・スパ」を聴いています。
結論から述べますととても良いです。
ヒーリング音楽ですので、以前のシステムと聴こえる音楽が同じように思いますが、密度感がかなり異なるように思います。
今から30年程前、CDには20kHz以上の音は入っていないからCDプレーヤーとアンプの間に20kHz以上のノイズを入れればアナログレコードに近くなるという理論をよく見かけました。
以前、私の通っていたオーディオ店でも単線系のケーブルと20kHz以上のノイズを発生する装置を使ってアナログライクな音質にしていたようです。
オーディオ雑誌を読んでいて、より線の線同士が発する振動の影響が少ないと言われる単線とノイズ発生装置はベストマッチのように私は思えました。

今日、そのお店がリファレンスとされていた私のお気に入りでもあるこの「ヨーロピアン・スパ」を聴き直して思ったことがあります。
最近、Hさんから教わったことに「エレキギターはどんなにクリーンなサウンドでもノイズを一緒に出していますし、録音しています。結局は雑味が旨味なのですよ」という言葉がありました。
私にとってその言葉はとても深く染み込みました。

そして今、私はこう思います。
より線から雑味(振動と思われる)を取るために単線にし、後からノイズ成分を付け足すなら、より線のままで良いのではないかと。
このCDの音楽の密度感。
単線系のケーブルとそれを活かした機器のチューニングでは味わえませんでした。
タテに音が伸びていくというよりはヨコに音が充実するような感じがありますが、このCDにこれまでとは異なる癒しを与えて頂き、かつ自分の中での「単線・より線騒動」に決着が着いたように思いました。

正直、当記事はとりわけ自分自身の思考の整理のために書いています。
私は裏街道のようなオーディオが好きで、普通のオーディオはやって来なかったため、その擦り合わせのためにこのブログを始めたようなものです。
つらつらと書いていく拙い文章をお読みになられた読者の方が同じような悩みや共感を感じ取って頂けたら有り難いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?