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材料費がかからなくって、リアルで手を動かしながらバーチャルの粘土でものが作れる新しすぎるツールがあったよ。(センターで去年から導入してみています)というお話。

自分の手を動かしてものを作るのは好き。

でも、実際に粘土や木材など材料から作るとなると、創作のための材料費がかかりすぎてしまうことをネックに感じてしまうことありませんか。

でも、バーチャルで立体物を造形するとなると、「めんどくさそう〜」「パソコン画面で綿密なデータ作業するんでしょ?楽しくなさそうだし自分には無理。」と思ってしまう人とかも。
結構多いんじゃないかなあ。

「材料費がかからないバーチャル空間で、自由に粘土がこねられる。」

「しかも自分の手を動かして、触った感じを味わいながら細部まで作りあげられる」

そんなデジタルとアナログのいいとこどりの物づくりツールが世の中にはあり、最近Good Job!センターでも使われている。と風のうわさが流れてきたので、事務所内を改めて内部サーチをしてみました。デジタルの機材なのに、事前に計画はせず、まず手を動かして作ってみてから修正をしたい“行動派”や“直感型”な人に向いているとか…?

実際に見せてもらうことに。机の上にその機材はありました。

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こちらが自分の手を動かすことで入力できるものづくりツール。

ものづくりの設計ができるソフトウェアと、タブレット端末がセットになった造形ツールで、左側に見えるペン型のツールを動かして作っていくそうです。

なんでもミニチュアをつくったり、あとは、世界中のおもちゃメーカーさんでこぞって使用しているのだとか。これまでは、モデラーと呼ばれるフィギュアの模型の原型を作る職人さんたちはモデリング用のワックス粘土を使って原型を作っていたのだけれど、そう言ったミリ単位で調整する職人さんの感覚にも対応できるほど、高精度なデジタルでのものづくりツールです。

ペンを空中で動かすだけで、実際にその物質に触っているような圧がかかるような感触があるんですって。「ねんど」の硬さの設定で、実際にねんどを触っているような感覚がする。そしてそれがそのまま3次元のモデルとしてパソコンの画面に作りあげられるシステム。

さわる。曲げる。彫る。つかむ。などの基本的な動作をタブレット一つで体感しながら操作できます。

なんで、そんなことができるの? 

というと、秘密は、このシステムに搭載されているかなり精密なモーター。あたかも柔らかいもののときは柔らかいものに触っているように、硬いものは硬いものを触っているような制御がかかるという特徴があります。

なんだか画期的です。

去年からこのシステムを導入して使っている藤井さんにちょいと聞いてみました。

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(写真は10月のオープンウィーク時のもの/ 新しい機材と一緒の藤井さん)

「模型はだいたい粘土で造形するんですけれど、あのグニャっとした手触りとか、手で汚れる感じがいやで、粘土を嫌がる人は多いんです。」

「でも、これだとプラモづくりが得意とか、造形感覚には優れているけれど表現手段を持たない人たちに適している。粘土だと自分がイメージする造形が実現できなくても、この3Dモデリングツールだったら立体物をトレースしてデータ化したり、オリジナルマスコットを造形できる能力がある人たちがいる。そういう発見がありました。」

藤井さんが語ってくれたこのツールの面白いところ


● 国宝級の仏像など、本来だったら一生触る機会のない国宝も、ディバイスで仏像の輪郭をこすることで、こんな感じだな。などと触感を体感できる。(*その国宝の3Dデータが必要です)3次元のCGを作るための入力操作ではなく、ディバイスを通して3次元のCGをなぞって立体物の外形の触感を味わう出力装置になる。
● 難しいデータ入力をしなくても、手を動かすだけでこのツールを使うと自分の頭の中の造形がブロックを組み合わせるようにサクサクと骨格ができる。(LEGO的な感覚?)
● 画面上で粘土をこねるように、「けずる」「伸ばす」などの作業ができるが、さらにすごいのは、素材の硬さも選べること。例えば、一気に形を変えたいときは、粘土の硬さを柔らかく。細かいところを掘るときは、粘土を硬く設定できる。
● 3Dスキャンデータを造形ベースにして、二次創作を行ってオリジナル形状のモデルを作ったり、形状の修正などの造形手段が多様になる。

さて、実際の使い心地は? 

とういうわけで次は、実際にこのデバイスを使ってセンター内で創作を続けているお二人の作品と作業風景をご紹介しますね。

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[続編]その2↓

**ちなみに今日紹介したツールはこちら。**

粘土造形の感覚で有機的な3Dモデルを作ることができるエンジニアツール
“Geomagic Freeform"

イベントでこのツールを知った藤井さんが「これは!!」と、ラブコールを送って販売元の3D SYSTEMS JAPANさんのご担当の方にアプローチ。去年からご好意でお貸しいただいています!


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