私とイギリスのこと
チャールズ国王の戴冠式が、明日に迫ってきました。
秋篠宮殿下ご夫妻がロンドンのスタンステッド空港に到着されたこと、ウィリアム王子、キャサリン妃たち王室のメンバーたちがリハーサルに参加しことなど、イギリスにまつわるニュースが目に入るたびに、わずか一年半だったけれど、数年前のイギリスでの暮らしを懐かしく思い出します。
当時、私は元夫のお仕事の都合で、ロンドンに暮らすことになりました。
それまでの私の海外経験といえば、大学の卒業旅行のイタリア・フランスと、会社員のときにバリ島に二回、ハワイに二回。
ロンドンには、何の縁もゆかりもありませんでした。
海外に暮らしたい!そう強く思ったこともなく、英語を一生懸命、勉強していたわけでもない。
駐在妻になるために、商社マンとの出会いを血眼になって探していたわけでもありませんでした。
そんな私が、どうしてロンドンに住むことができたのか。
いまでも、奇跡、まさに神さまの力が導いてくれたとしか思えません。
けれど、当時の私は、両親との関係からできた心の傷が十分に癒えていなかったので、自分を守るため、プライドの高さと傲慢さという、重たい鎧を身につけていました。
それゆえに、目の前にあるものに感謝することより、よその奥さんと自分を比べては、自分に足りないモノばかりに焦点を合わせて、落ち込んだり、文句を言っていました。
もちろん、ロンドンでの暮らしのなかに、楽しいこと、素晴らしいことも沢山ありました。でも、心が傷だらけだった私は、その楽しさや、素晴らしさを100%受け取ることができなかった。
どんなに高級で、どんなに味が良いワインでも、受け取るグラスにヒビが入っていたら、台無しです。
どれだけワインを注いでもらっても、注いだそばから、こぼれていってしまう。だから、飲んでも飲んでも、満足できない。
割れたグラスを、そのままにしたままで、どんなに素敵な環境に身を置いても、どんなに素敵なモノを手に入れたとしても、その人は幸せになれない。だって、グラスが割れているんだから。
***
あのときの私は、そのことが全く分かっていなかった。
外側の何かが、私の心を埋めてくれるのだと思っていたから。
でも、そうじゃない。今は、身をもって、それを感じています。
元夫には、もっともっと感謝を伝えたらよかった。
イギリス関連のニュースを見るたびに、そのことを思って、
涙がいっぱい溢れる夜がまだあります。
でも、当時、そうできなかった私のことを、
否定するのはやめようと思っています。
「あのときは、そうするしかなかったんだよね」
「たくさん、傷ついていたんだよね」
いままで、抑えていた感情をいっぱい感じてあげます。
私は、いままで他人からの評価ばかり気にしていたから、
自分の感情のことは置きざりでした。
でも、どんな感情も、自分が受け止めてあげる。
涙は、浄化だから、枯れるまで、飽きるまで、
たくさんたくさん泣こうと思います。
***
なんだかイギリスのことと、ほとんど関係ないことを書いてしまいました。
明日の戴冠式、日本時間では、午後18時20分からパレードが始まるそうです。
70年ぶりということで、おそらく、私にとっては最初で最後の
戴冠式の目撃になるでしょう。明日の放送が楽しみです。
ちなみに、トップ画像をダイアナ妃にしたのは、チャールズ国王への皮肉ではありません笑
私はダイアナ妃が、幼い頃から好きでした。
ロンドンにいる間、彼女のお墓があるオルソープへ
行かなかったのが心残り。
またいつか行ける日が来ると信じます。
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