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今週のグッドデザインを紹介します(12/18〜12/22)

今日は、12月4週(12/18〜12/22)のとれたてグッドデザイン5点をまとめてご紹介します!
今週から「受賞者によるデザイン紹介」と「審査委員からのコメント」を掲載しています。それぞれ何を目指してどんな点を工夫したか、どの部分を評価してグッドデザイン賞に選出したのかが垣間みられる内容です。お楽しみに!



12/18 Smart Kettle for Tea Drinking[GIILLS 3]

伝統的な茶文化と現代的でシャープな造形を融合した、洗練された電気ケトル。

GIILLS 3

受賞者によるデザイン紹介
GIILLS3は、中国の伝統的な美学である満月のリフティングビームとモダンなシンプルさを備えたスマートケトルです。6種類のクラシックティーに対応した2つのプロフェッショナルモードを搭載し、直感的かつインタラクティブにトリガーすることができます。温度は30分以上正確に維持することができます。 茶道の楽しさ、静寂、没入感を味わうことができます。

審査委員からのコメント

中国の茶文化の過去と現在に真摯に向き合い、未来に向けてリサーチと検討を丁寧に重ねたことが窺い知れるデザインである。古典的な要素を活かしつつ、現代的でシャープにまとめられた造形とその質感によって、これまでの電気ケトルとは一線を画す上質な佇まいを実現している。象徴的なハンドルは、素材と構造の工夫によって、デザインを乱すことなく機能性と安全性に配慮されている。注ぎ口や蓋の取っ手にも、細かな配慮が見受けられる。加熱するベースユニットと、加熱するためのUXは無理のない革新性が具現化されている。中国茶のためのみならず、日常的に使いたくなる、洗練されたプロダクトである。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/20088

12/19 ストレッチツール[TASDOU GRIP]

デスクワークなどで固まった背中や肩まわりを効率的に動かせる、美しい佇まいのストレッチツール。

TASDOU GRIP

受賞者によるデザイン紹介
適度な力を肩関節に入れた状態でストレッチすることで、効率的に肩や背中の柔軟性を出すためのストレッチツール。デスクワークなどで固まった背中や肩まわりを効率的かつ効果的に動かすため、最適な握る力を引き出すゴム配合と形状を追求。デスクに飾れるデザイン性を兼ね備えることで、思い立った時にストレッチできる存在を目指した。

審査委員からのコメント
微動だにせずに、ついつい画面に向かい続ける働き方をしてしまったり、集中力を切らしたくないとひたすらキーボードを打ち続けてしまったり、そんな日常の働き方に程よい存在感で寄り添い、気づきを与えてくれるストレッチツールとしての新しい佇まいが表現されている点を高く評価した。シンプルな造形と素材の組み合わせが手に良く馴染み、卓上に置いておきたくなるデザイン。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/15666

12/20 駅前拠点施設[寄居駅南口駅前拠点施設 Yotteco]

町の住民が憩い来訪者をもてなす、地域の交流拠点。

寄居駅南口駅前拠点施設 Yotteco

受賞者によるデザイン紹介
埼玉県寄居駅周辺における、複合施設・道路・広場等の整備プロジェクトの一環として計画された駅前拠点施設。地域住民が憩い、来訪者をもてなす場として、各種イベントや観光案内、特産品を通じて町を知ることができ、様々な体験や学びの場を提供し、町民と来訪者の交流を促し、寄居町の新たな顔として賑わいを創出することを目指している。

審査委員からのコメント
地方の鉄道駅前の空洞化に歯止めがかからない。手間とコストが掛かるが、持続可能性を高めるには前を向くしかない。この駅前拠点施設は、軽やかな外観で、上層階へも誘われているような工夫が施されている。賑わい創出への取り組み・運営にも期待したい。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/17768

12/21 公園全体が遊具となる防災街区公園[満寿美公園]

フェンスや入口を作らず、訪れた人が自由に過ごせて災害時にも活用できる公園。

満寿美公園

受賞者によるデザイン紹介
池田市に立地する防災施設として機能する小さな公園。周辺を分譲マンションに囲まれた静かな住宅地の中で、ゆるやかな地形の操作や建築、土木、ランドスケープが一体になった空間により、訪れる人が各々に日常の延長として自由に過ごすことができる。またフェンスの撤廃等により明確な入口や境界を作らず周辺環境にひらかれた公園を目指した。

審査委員からのコメント
公園全体が一つになり、周辺環境と接続されている。まわりにフェンスは設けられず、取ってつけたようなベンチもない。全体が走ったり、座ったりする場になっている。遊んだり、寝転んだり、まだ名付けられていないような動きだって許容されるだろう。初めて目にする形だが、理想に描く「公園」そのもののよう。そのことを子どもが一番に感じ取るのではないか。複合的でシンプル。さまざまなプロフェッショナルの横断的な努力で優れたデザインが達成されている。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/18394

12/22 コミュニケーションロボットサービス[NICOBO]

便利なことは何もできない「弱さ」を通じて、思わず人の優しさを引き出すコミュニケーションロボット。

NICOBO

受賞者によるデザイン紹介
便利なことは何もできないニコボを通じて、日々の生活の中にクスっと笑える時間やほっこりする日常シーンを作り出す暮らしの提案。さっきまで撫でられて喜んでいたのに、気づけばこちらを気にせず窓の外を眺めているなど、気ままな同居人のような存在。なんてことはない日常を作り、人のやさしい心を引き出す存在とその関わり方をデザインした。

審査委員からのコメント
ロボットに対して私たちが一般的にイメージするのは、人間の能力を超えて、完璧に物事をこなす「強さ」である。一方、本対象は高度なテクノロジーを、人間の不完全性や「弱さ」を表現するために活用している。ロボットと支え合うことで心の豊かさをもたらすことを目指した、非言語的な動作も含めたコミュニケーションのデザインは、家庭用ロボットの一つのあり方を示しているのではないだろうか。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/17822

この連載では、グッドデザイン賞インスタグラムで毎日1点ずつアップしている受賞作品をまとめています。
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