今週のグッドデザインを紹介します（2/5 〜 2/9）
今日は、2月2週（2/5〜2/9）のとれたてグッドデザイン5点をまとめてご紹介します！
2/5 Rebranding[DON LOONG]
台湾で花崗岩産業を手がける企業の、活動規模や理念をより効果的に伝えるリブランディングデザイン。
受賞者によるデザイン紹介
丸みを帯びた角や直角をデザインに取り入れることで、企業の強固な基盤や柔軟な対応力をアピールしています。設備の工程説明やガイダンスシステムを採用し、コミュニケーションの効率と安全性を高めています。IDカードは、裏面に工場周辺の地図を掲載し、来訪者がすぐに移動できるようにしました。
審査委員からのコメント
台湾で古くから続く花崗岩産業を手がける企業のリランディングデザイン。工場内のデザインは、徹底的に無駄を削ぎ落とされ、近代的だ。また言葉に頼らず、インフォグラフィックなども使い、見学者が直感的に企業理念を理解できるよう考えられている。この企業の強固な基盤と柔軟な対応力をアピールしているというロゴは、直線と曲線を組み合わせて作られており、シンプルだがとても親しみの持てるものだ。
2/6 電動シェーバー[Panasonic シェーバー 3枚刃 ES-RT series]
継ぎ目のないミニマルなフォルム、携帯に便利なUSB-C充電。引き算の思想で作られたタイムレスなシェーバー。
受賞者によるデザイン紹介
初めてシェーバーを使う若年層から、使い慣れた年齢層まで幅広い年齢の方に向けたベーシックシェーバーです。安価でユーザフレンドリーな商品を目指し、握り易く汚れにくいミニマムで継ぎ目のないフォルムや、携帯に便利なUSB-C充電式等、引き算の思想で徹底的に不要な部品や要素を排除。長く愛されるタイムレスなデザインを目指しました。
審査委員からのコメント
美しさと合理性、そして実用性を見事に両立している。このシェーバーのデザインは、時代や年齢層を超えた普遍性と実用性が高く評価された。極度に装飾された「男らしい」デザインが多い中、この製品はミニマルで普遍的なデザインにより、若者からシニアまで幅広い層に訴求力を持つと感じた。筒型一体構造での剃りやすいヘッド角度と持ちやすさは、特に印象的であった。手に自然にフィットする形状は、毎日のシェービングを快適なものに変えるポテンシャルがある。USB充電の採用や30°鋭角ナノエッジ内刃の使用など、低価格ながら高いパフォーマンスを確保している点も評価に値する。さらに、自立構造は狭い洗面スペースにも配慮しており、一つの製品で多くの課題を解決しているグッドデザインの典型である。
2/7 Computer Mouse[myAir.0 OriMouse]
折りたたむとわずか4.5mmの薄さになる持ち運べるマウス。
受賞者によるデザイン紹介
myAir.0は、折り紙から着想を得たBluetoothコンピュータマウスです。折り紙のようなデザインで、まったく新しいフォームファクターを実現しています。折り畳むと、わずか4.5mmの薄さで完全に平らになり、瞬時にフルサイズの3Dマウスにすることができます。バッグやポケットに入れてもかさばらず、どこにでも持ち運べるように、携帯性と美しさを最大限に考慮して設計されています。
審査委員からのコメント
折り紙から着想を得てマウスを組み立て式にしたという革新性と独自性を評価した。確かにノートPCを持ち歩くときにマウスが必要な時がある。薄く軽いワンタッチ組み立てのマウスは他には無い可能性を秘めている。通常のマウスに比べても操作性に問題はなく、使う時の楽しさもある。ユニークなアイデアをしっかりとした品質にまとめ上げた粘りと開発力に賛辞を送りたい。おもしろいデザインだ。
2/8 片手で履ける２WAY靴下[marimo ほのん]
後ろの持ち手をつかって片手で簡単に着脱できる、足元から”自分らしく”いられる靴下。
受賞者によるデザイン紹介
高齢者や妊婦、病気、ケガ、障がいなどにより、「靴下が履きにくい、履きにくくなった」というお悩みを解決するために生み出した靴下。片手で簡単に着脱できる独自の設計。便利な機能性だけでなく、洋服とのコーディネートを意識したデザイン性。足もとから気分が上がり、いつまでも自分自身で履ける喜びを大切にし、足と心を守っていきたい。
審査委員からのコメント
片手で簡単に着脱できる機能をもちつつも、日常のファッションに取り込みやすいシンプルなデザインが実現されている。持ち手の部分が着脱をサポートするだけでなく、さりげないファッションアクセントとなっている点がユニークである。カラーバリエーションも豊富で、老若男女問わず着用を楽しめる工夫が施されている。様々な理由で靴下の着用に不自由を感じるユーザーの、体だけでなく心も豊かにするデザインであり、今後の展開にも期待したい。
2/9 集合住宅[鶯啼居]
集合住宅[鶯啼居]
受賞者によるデザイン紹介
「旧江戸御府内最古の店蔵」をその地に保存するために、事業としての集合住宅に組み込むことで「リビングヘリテージ（生きた文化遺産）」として活用し、歴史的建築物を次代につないでいく試みとなった。変容し続けるまちなみに、かつての景観の記憶を想起し、町の歴史と文化に新しい時代の流れにも調和した「地域の拠点」となることを目指した。
審査委員からのコメント
「店蔵」の保存・再生に対し、その歴史性に対する読み込みから素材、ディテールなどの細部にわたる探究まで、建築家のプロジェクトに対する真摯な姿勢が伝わってくる、大変完成度の高い建築である。 また、単に「保存」するだけでなく、事業性を担保することで「リビングヘリテージ（文化遺産）」として活用し、次世代に繋げていこうとする姿勢も高く評価できる。 本計画が単なる保存・再現ではなく、新しい素材や構法を導入したことで、過去と未来をつなぐ橋渡しとなったのではないだろうか。 今後、この店蔵が居住者や来訪者、地域に開かれ、活かされていくことで、地域に根ざした歴史文化が真に継承され、まちなみ形成に寄与していくことを期待している。
この連載では、グッドデザイン賞インスタグラムで毎日1点ずつアップしている受賞作品をまとめています。
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