【知る】オーツをつかう②
①に引き続き、オーツにはどんな種類があるのか?またそれぞれのメリット・デメリットを解説します。
オーツ麦の種類
オーツ麦は主に麦芽化されたものとそうでないものの2つに大きく分類されます、特徴をみていきましょう。
麦芽化されたオーツ
Malted Oats
麦芽化されたオーツです。でんぷん、タンパク質が可溶化され、βグルカンレベルも減少しています。高いレベルではないが酵素力を持つものもある。殻皮があるのでないものと比べてロイターに支障をきたす可能性は低いでしょう。
Naked Malted Oats
収穫時に自然に脱穀するため殻皮がないオーツを麦芽化したものです。殻皮がないため重量比でより多くのエキスが得られますが、ロイターにはご注意ください。
また、麦芽化されたオーツには軽い焙煎を行っているものがあり、シルキーな口当たりに加えてナッツやトースト、グラノーラのようなキャラクターを持つオーツ麦芽も存在する。
非麦芽オーツ
Flaked Oats
Flaked Wheatのように熱処理の後ローラーでつぶされたオーツです。麦芽化されていないものの、熱処理によりタンパク質が可溶化されている。また粉砕を必要としないため直接マッシュに加えることができる便利もの。酵素力はない。
基本的に麦芽・非麦芽に関わらずヘッドリテンション向上には5~10%、ミルキーな口当りを得たい場合20%程度の使用が推奨される。
オーツを使うメリット&デメリット
メリット
ヘッドリテンション向上
ミルキーな口当たり、ボディに寄与
グルテンがポリフェノール/タンパク質の複合体と結合して濁りを形成する*
エステルの減少(たぶん)
発酵におけるラグフェーズの減少(たぶん)
*特定スタイルでは有効
デメリット
ロイターに支障
意図しない濁りの発生
粉砕がなかなか面倒くさい(麦芽化されたオーツの場合)
発酵性減少により仕上がり比重が高くなる
酵素力のある麦芽と組み合わせる必要がある(非麦芽オーツの場合)
タンパク質の含有度合いにより最終製品の品質が変化しやすい
まとめ
オーツはタンパク質、βグルカン、脂肪酸が多く、中でもβグルカンはロイター作業に支障をきたす可能性が非常に高い。しかしオーツから得られるクリーミーでシルキーなキャラクターは、ビールにレイヤーを加え、ビールの渋さや角の立ちを抑えることができます。ロースト感と酸味が立ちやすいスタウトにつかうことで"オートミールスタウト"が誕生したこともうなづけます。最近はHazy IPAによく使われてますが、これも理にかなってますね。
また研究段階ではありますがラグフェーズのやオフフレーバーの減少に一役買える可能性もあり、今後の詳しいデータが出てくることを期待したい。
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