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【沖縄コーヒーを世界へ。】GOOD COFFEE FARMS OKINAWAの挑戦

まるで母国グアテマラに帰ってきたみたいだ・・・

青々と茂った木々と、一面に広がる山々。
熱帯特有の天気でじめっとした感じも懐かしい。
そして、きわめつけは、コーヒーの木!

GOOD COFFEE FARMS代表のカルロスは、大きく手を広げて深く息を吸い込んだ。「ああ、空気もおいしい。」自然と笑みもこぼれてくる。

それは、2020年の初夏。
1度目の緊急事態宣言が明け、GoToトラベルキャンペーンをキッカケに、来日から20年、カルロスは初めて沖縄の地に降り立ちました。

日本でコーヒーが採れることは知っていましたが、カルロスのホームタウンであった札幌からは遠く、訪れる機会に恵まれなかったのです。
今が自分の目で見て肌で感じるチャンス。そう確信していました。

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空港から車を北に走らせること2時間弱。
目的地は名護市中山にある、中山コーヒー園。
その名の通り、中山という「山の中」にコーヒー農園があります。

沖縄といえば、白い砂浜と透き通るエメラルドグリーンの海を思い浮かべる方が多いと思いますが、「やんばる」の愛称で親しまれる北部のエリアも外せません。2021年7月に世界自然遺産にも登録されたばかりで、手付かずの自然が残る魅力的な場所です。

名護市内から中山に入ると、そこは神秘的な空間。横のカルロスがあまりにも目を輝かせて外を眺めているので、まるで夢の国に来たかのような感覚になります、!


「Hola(オラ)!」
(スペイン語で『こんにちは!』)

コーヒー園に到着し車を降りると、突然聞こえてきたスペイン語。その声の主は、中山コーヒー園の岸本さん。リラックスした表情でカルロス一行を迎えてくれました。岸本さんは高校まで名護で過ごした後、アメリカで農学を勉強したことがあり、スペイン語にも馴染みがあるんです。

「正直、あやしかったけど、、」

「でも、周りの人にも慕われていたし、彼の気さくな人柄で、ラテンの雰囲気が懐かしくなっちゃったりもしてさ」

岸本さんは、カルロスとの初対面を振り返って、笑いながら話してくれました。

GCF OKINAWAプレスリリース写真

岸本さんが中山コーヒー園を始めたのは、2013年のこと。

自分には会社働きは向いてなかった、と29歳から自営業をはじめ、自然に親しむアウトドアのツアーガイドをしたり、ローカルコミュニティに寄り添ったバーを経営したり、昔から自然とコミュニティがキーワード。

農学を学んでいたこともあり、いつか農業に関わりたいという思いがあった中、コーヒーとの出会いは偶然やってきました。コーヒーノキ300本を貰い受ける話と、それを植える農地のアテがトントン拍子で決まっていき、なんと政府からの助成金も今なら活用できる、と。

「運がよかった。これはもう今しかない。」

それから、岸本さんはコーヒー生産に情熱を注ぐことを決意。2015年に初めての収穫までこぎつけ、今では生産量を約3倍にまで拡大、沖縄を代表するコーヒー農園の一つとなっています。

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農園内には「Yuiまるハーブガーデン」を併設。「健康で生きること」の大切さを原点に、薬草、ハーブを使った食事を通じて人と人が繋がれるコミュニティづくりも目指されています。

岸本さんは、コーヒー農家が抱える貧困に対してのカルロスの取り組みに強く共感してくれました。100%情熱を捧げる人同士が出会うと、自然と化学反応が起きるのだと思います。出会って初日から今後何が一緒にできるか、話が膨らみました。

中山コーヒー園では、訪問者がコーヒーの収穫から焙煎、抽出までを体験することができます。「コーヒー生産を身近に感じることのできる場所が日本国内にある」この魅力を国内外に広めたい。

まだまだ沖縄のコーヒー生産も発展途上。土地にあった品種や栽培方法は確立しておらず、病害虫対策等のノウハウも充分に共有されていない状況です。だからこそ、コーヒー農家同士が手を取り合って産業を発展させていきたい。

これらを形にしていくプロジェクトとして、2020年11月に「GOOD COFFEE FARMS OKINAWA」が立ち上がったのです。

少人数で開催したイベントでは、全国からロースターや消費者の方々が集まった他、専門家や大学教授の方を講師にお招きし県内コーヒー農家向けのセミナーも実施しました。

自分たちだけでできることは限られています。
関わる方々一人ひとりがコミュニティの一員となって、沖縄のコーヒー産業を盛り上げていく循環をつくっていきます。

そして、この盛り上げ役の看板として、2021年11月末日に「中山コーヒー園」ブランドを立ち上げました。また、新ブランドのリリースを記念して、中山コーヒー園の生産する100%沖縄産コーヒー豆を数量限定で販売します!

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ロゴマークには、日本国旗や印鑑といった要素を盛り込み、「沖縄から世界へ」というコンセプトを表現。

焙煎は、沖縄県を代表するロースターのお一人、Purecastle珈琲の仲座さんが手掛ける、正真正銘の沖縄産です。

12月25日(土)午前10時より予約販売を開始。詳細はオンラインショップへ。無くなり次第終了ですので、お見逃しなく。

Purecastle Coffee仲座

沖縄県豊見城市にあるPurecastle珈琲では、2021年よりアメリカ・LORING社の焙煎機を導入。エネルギー効率が高く煙の排出も少ない、環境に配慮した取り組みを実践されています。

カルロスには、強い思いがあります。

「沖縄をコーヒー生産国の世界地図に載せたい」

理屈ではなく、日本・沖縄に誇りを持っていて、そして何より好きだから。


GOOD COFFEE FARMS OKINAWAの挑戦は始まったばかり。
中山コーヒー園から世界へ離陸します。


今後もGOOD COFFEE TIMESにて、活動をフォローお願いいたします。

つづく



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