2022年 5月のハッピーボード
こんにちは。学校が少しでも子どもにとって楽しみになるように、絵を描いたり工作したりというスクールアートセラピー活動をしています。
コロナ以前は昼休みに工作をしていました。ものづくりは子どもに人気でしたが、コロナで密を防ぐため、今はお休み。代わりに昇降口付近の大きな掲示版に子どもの気持ちが上がるような装飾をしています。
アートというより、ハッピーな気持ちを引き出すものなので、結婚式のウエディングボードにならって、ハッピーボードと呼んでみました。5月のハッピーボードはこんな感じ。
校舎の入り口に、1階から2階にあがる階段があります。その脇に大きな掲示板があって、そこに飾っています。
今月のテーマはこいのぼり。
ハッピーボードの下の方、川に泳ぐ魚は、子どもたちが目やうろこを描き入れています。ちょっと用意した枚数が少なくて、描けない子がいて反省。
川の左上。小さい緑の箱が見えますか?その中にティッシュで作った金魚の形のエサが入っています。それをアマビエやコイの口にいれて玉入れみたいに遊べます。「全部入ったよ~!」と何度もチャレンジする子もいました。
毎回ボランティアのお母さんが数人来てくださって、休み時間に子どもに絵を描いてもらったり、掲示したりと一緒に活動しています。ありがたい!
この装飾で大切にしているのは、以下の3つ。
1.見た人がいい気持ちになる(うれしい、楽しい、勇気がでるなど)
2.コミュニケーションを引き出す(先生、友達、家族に伝えたい)
3.季節感とお楽しみをいれる(学校に来たくなるきっかけになる)
それぞれ、解説していきます。
1.見た人がいい気持ちになる(うれしい、楽しい、勇気がでるなど)
うれしい、楽しい、勇気がでる以外にも面白い要素も大切にしてます。
例えば、楽しい気持ちを引き出した例は昨年の6月。トトロの掲示。
「あ、トトロだ~!」
「トットロ、トットロー ♪ トットロ、トットロー ♪」
楽しそうに歌いながら子どもたちは教室に向かっていました。よく見るとバス停は自分の小学校前になっています。下には時刻表が書いてあって、それは小学校の時間表のようになっています。
時間割は「音楽、体育、図工、図工」給食は「キャビア、ステーキ、フルーツパフェ」、おやつ「ホットケーキ」と書かれている。朝読は「おしりたんてい」の絵。あそびは「スプラテゥーンのイカの絵」が描かれている。
絵本を読んでいると、大人では気がつかない作者の小さな工夫に、子ども達が目ざとく気がつくことがあります。そういうお楽しみとして、ひっそり面白いことを入れています。
2.コミュニケーションを引き出す(先生、友達、家族に伝えたい)
このトトロは6月のハッピーボードのお役目を終えたあと、図書室に場所を移して飾られています。そして、少しずつ変化があります。
夏には持っていた傘がスイカになります。
9月にはスイカがかぼちゃに変わってます。
10月には黒い魔法使いの帽子をかぶってます。
すると子どもの誰かが気がついて、気がついたら誰かに話したくなります。そうして小さなコミュニケーションが生まれます。
3.季節感とお楽しみをいれる(少しでも学校に行きたくなるように)
掲示には季節感を取り入れ、できたら小さいお楽しみをしかけるようにしています。
お楽しみの種類はさまざまです。
・子どもの絵をとりいれて、コラボレーション作品にする。
・クイズが書いてある。
・くじがひける。
・めくる楽しみがあるなど。
何がかくれているのかな?
当日お手伝いに来てくれたお母さんが、朝、こんなやりとりをお子さんとしたと話してくれました。
「ぼく、今日学校行きたくないなあ。」
「でも、今日は学校の飾り新しくなるんだよ。ママ手伝いに行くんだよ。」
「じゃあ、見たいから学校行こうかな。」
学校って、二日まではいいけれど、三日も休むと何だか行きたくなくなってしまう。特に、長い休みのあとはそう。ちょっとしたきっかけで、行こうかなと思ってくれたらいいかなと思っています。
(過去のハッピーボードや工作の様子も、少しずつ書いていく予定です。)
追記:こんな大げさなことをしなくても、紙を丸めて黒板や家の壁にとめれば、即席バスケットコートのできあがり!ボールはティッシュや紙を丸めれば当たって痛くない。家で、何でもない箱に丸めた靴下を投げ入れるだけでも、小さいお子さんは楽しんでくれる。雨の日続きで退屈したら、一緒に遊んでみてください。子どもと遊べるのは、振り返ればほんのひと時です。
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