第7回　アメリカ事情①

アメリカで暮らし始めてすぐの頃、ご近所の日本人奥様と一緒に買い物に行った時「一歩外に出たら絶対に子供から目を離さないでね」と言われた。彼女自身も来てすぐにお世話になった日本人女性に言われたらしい。

近所のスーパーの店頭に「Missing Children  今月行方不明になった子供達」と書かれたポスターが貼ってあり、何人もの子供達の顔写真が載っていた。子供が誘拐される犯罪はとても多いのだ。日本のように、小さな子供が一人で外を歩いているなんてアメリカでは考えられない。12歳未満の子供を家に置いて親が外出すると、場合によっては逮捕されることもあるらしい。だからベビーシッターを雇う。（州によって年齢や罰則は異なるとのこと）

またある時は、家のポストにチラシが入っていて「性犯罪を犯したことのある男がこの近所に引っ越してきます。みなさん気をつけてください」と書かれていて、男性の顔写真が載っていた。これにはとても驚いた。日本でこんなことをしたら大問題になりそうだ。

アメリカの大型スーパーには銃が売られていて、父親と娘らしき10歳くらいの女の子が、真剣な表情で銃を選んでいる光景は衝撃だった。今年に入りアメリカでは銃乱射事件が多発している。その内の一つは、私達が暮らしていた街で起こった。夫が勤務していた病院にほど近い場所だった。多くの人が犠牲になったことに胸が痛んだ。