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ロルバーンの手帳 #日常の道具たち

 社会人になってから、手帳をロルバーンにした。学生時代はマークスのストレージイットを使用していたが、リングのところはペンを挿すのに使えるし、クリアポケットが複数ついているのが使い勝手がよさそうで乗り換えた。
 近年の物価高の影響かクリアポケットは枚数が減っているように感じるが、クリームイエローの温かな色味の紙に薄くマス目が印刷されているところも気に入っている。ロルバーンに切り替えた当初はスケジュール部分にはその月の予定を書くなどお決まりの使い方をして、たくさんあるフリーページはバス時刻を記録したり、旅先で訪れた道の駅なんかにおいてあるスタンプをなんとなく押してみたり、展覧会のチケットの半券を貼ってみたり、気まぐれにしか使ってこなかった。その年の終わり、次の手帳に切り替える段階でもフリーページは大量に余るので、切り取ってメモにするしかなかった。

 コロナ禍に入り、その手帳の役割も少し変化した。自分の行動を記録するようになったのだ。

 9:00~ 駅
 10:00~ 美容院

 まさにこんな感じでその日家を出てから帰宅するまでの間、自分が立ち寄ったところを時刻も含めて記録していった。コロナ禍当初は自分がもし罹患した際に、どこでウイルスをもらってきたのかをその記録から推測できると思ったのだ。そんな時代だった。もっとも、たいした外出もしないしできなかった。

 9:00~ 職場
 18:00~ 駅
 19:00~ 帰宅

 本当に家と職場の往復しかない日々で埋まっている手帳が、まだ手元に残っている。この期間は旅先で見かけて押したスタンプもチケットの半券もない。コロナ対策でスタンプの類いは撤去されたかデジタルに移行、展覧会も開催中止になることも多かった。決して華やかとは言えない記録ではあるが、コロナにも罹患せず平穏無事に一日一日を終えられた記録でもある。

 一日の終わりに必ず記録するのでフリーページは順調に埋まり、その年の終わりには余ることもなくなった。毎年ページが余るのがなんとなく悔しかったので、有効に活用できて少し満足であった。

 コロナ対策のためのマスクをしなくなった人も多くなった今日この頃であるが、私は自分が気をつけたいので、出かける時はマスク、できるだけアルコール消毒をするようにしている。そしてこの手帳に行動記録をつけるのも。今は行動記録にプラスして、日々起こったことも記録するようにしている。もっと言えばネタ帳のような存在になった。決して世の中で流行っている手帳活用術とは違うとは思うけれども。

 自分の中で「書きたい熱」が最近では高温になってきているようで、手帳を一年手元に置いてもあれだけ余らせていたフリーページが足りなくなり、ロルバーン手帳を半年ごとに切り替えている。4月始まりと10月始まりを半年でそれぞれ消費しているのだ。ここ数年、「書こう」という気力さえなかったというのに、これは個人的にはすごいことだと思う。

 何なら今年の4月始まりの手帳を使い切って10月始まりがまだ販売されていないので、今はつなぎにロルバーンのメモ帳を別に買い足して使用している。ただの記録だし、それがまんまnoteの投稿に活かされることはないのだが、書きたいと思えてきていることがうれしい。

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